キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年東海S

ダートはレース格が重要


■データ1 古馬ダート重賞の前走クラス別成績(2015年以降)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
3勝 2-  0-  1- 37/ 40 5.00% 5.00% 7.50% 41 37
OPEN非L 8- 11- 12-155/186 4.30% 10.20% 16.70% 33 65
OPEN(L) 1-  2-  2- 52/ 57 1.80% 5.30% 8.80% 10 49
G3 11- 12- 13-170/206 5.30% 11.20% 17.50% 29 52
G2 2-  2-  4- 33/ 41 4.90% 9.80% 19.50% 11 57
G1 13-  9- 10- 43/ 75 17.30% 29.30% 42.70% 145 105

1年間の中で路線別や性別や年齢別などのカテゴリー毎に数多くの中央GIレースが設定されている芝路線に対して、どちらもオールマイティーな施行条件であるフェブラリーSとチャンピオンズCという僅か2つの中央GIレースしか設定されていないのがダート路線です。
また、芝路線(2~3歳限定戦除く)だと年間に施行されるクラス別のレース数は「GIレース×12」・「GIIレース×22」・「GIIIレース×35」・「OPレース×47」で、それぞれバランス良く配置されているのに対して、ダート路線だと「GIレース×2」・「GIIレース×1」・「GIIIレース×10」・「OPレース×51」で、ほんの一握りのGI&GIIレースに対してその他大多数のGIIIレース&OPレースという構図となっています。

それらによって、芝路線ではG1レースでもメンバーが広く薄く分散することになりますので、ひと口にG1レースと言ってもレベルはまちまちとなり、またクラス間のレベルの差もそれほど大きくはなりません。それに対して、ダート路線でのG1レースでは常にメンバーが濃密に揃うことになりますので、G1レースのレベルは高い水準で保たれることになり、またクラス間のレベルの差は著しいものとなります。

そこから考えられることとして、ダート路線におけるG1レースでの好走馬というのは言うまでもなく強い馬なのですが、善戦止まりだった馬や大きく負けた馬についても実は相対的には十分強い馬に位置付けられます。そして、それらの馬が一気にレベルが落ちるG1レース以外に出走する場合には、見た目の着順が嫌われて人気を落としがちですが、それでも格の違いで好走できてしまうというケースが多々見られます。

実際に昨年の東海ステークスでは、前走ダートG1レース出走馬はチャンピオンズC8着スワーヴアラミスと同6着オーヴェルニュと同15着サンライズホープの3頭のみでしたが、それらは1着・2着・4着であわや馬券内独占という結果となっていました。

その昨年の東海ステークスも含めて、2015年以降の古馬ダート重賞レースにおいて前走中央ダートG1レース出走馬は、複勝率42.7%・単勝回収率145%・複勝回収率105%という“ベタ買いOK”の好成績をマークしています。

良馬場なら外有利・差し有利⇔道悪なら内有利・先行傾向になる中京ダート


■データ2 中京ダート×良馬場の脚質別成績(22年9月以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
平地・逃げ 18-  13-   7-  65/ 103 17.50% 30.10% 36.90% 134 85
平地・先行 48-  43-  39- 216/ 346 13.90% 26.30% 37.60% 188 142
平地・中団 20-  29-  36- 389/ 474 4.20% 10.30% 17.90% 48 52
平地・後方 11-  10-  15- 358/ 394 2.80% 5.30% 9.10% 45 40
平地・マクリ 1-   1-   0-   4/   6 16.70% 33.30% 33.30% 126 68

■データ3 中京ダート×重不良馬場の脚質別成績(22年9月以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
平地・逃げ 4-  2-  5-  9/ 20 20.00% 30.00% 55.00% 299 292
平地・先行 11- 11- 10- 36/ 68 16.20% 32.40% 47.10% 128 119
平地・中団 4-  5-  3- 80/ 92 4.30% 9.80% 13.00% 23 71
平地・後方 1-  1-  2- 75/ 79 1.30% 2.50% 5.10% 6 16
平地・マクリ 0-  1-  0-  3/  4 0.00% 25.00% 25.00% 0 212

以前までは内有利・先行有利傾向の印象が強かったと思われますが、実は2021年12月開催を境にして外有利・差し有利の傾向が出やすくなっているというのが中京ダートの最新トレンドです。

ただし、通常の良馬場だとそうなのですが、一定以上の雨に降られた馬場ではまた傾向がガラリと反転して、今度は内有利・先行有利の傾向が出やすくなります。実際に今年も良馬場での施行だった先々週の開催では外枠からの差しが決まるレースが目立っていたのに対して、重馬場だった先週土曜の開催では先行した馬が止まらないレースが頻発しており、そして稍重馬場まで乾いた先週日曜の開催ではその中間で極端な決着傾向は見られませんでした。

馬場が完全に乾いた状態であれば外枠の馬や差し馬を、馬場が道悪の水準まで渋った状態であれば内枠の馬や先行馬を重視すべきです。

レース自信度(5段階評価):4

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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