キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年日経新春杯

馬格が物を言う年始開催の中京芝


■データ1 中京の年始開催(開催1~6日目)の芝レースの馬体重別成績(21年以降/牡馬セン馬)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
400〜419kg 0-  0-  0-  2/  2 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
420〜439kg 1-  0-  2- 24/ 27 3.70% 3.70% 11.10% 11 32
440〜459kg 3-  6-  7- 73/ 89 3.40% 10.10% 18.00% 13 49
460〜479kg 9- 10- 10-106/135 6.70% 14.10% 21.50% 68 77
480〜499kg 21- 18- 14-145/198 10.60% 19.70% 26.80% 80 76
500〜519kg 13- 10- 15- 85/123 10.60% 18.70% 30.90% 118 104
520〜539kg 2-  4-  3- 19/ 28 7.10% 21.40% 32.10% 54 62
540〜 1-  0-  0-  7/  8 12.50% 12.50% 12.50% 1435 253

京都競馬場の改修工事のために、一昨年と昨年に続いて3年連続で中京競馬場(中京芝2200m)での開催となる日経新春杯ですが、過去2年の年始開催の中京競馬場の芝コースの特徴として、パワーが求められる馬場となり、馬格がない馬よりも馬格がある馬の方が圧倒的に走りやすいという点があります。

実際に過去2年の年始開催では、パワータイプの大型馬(馬体重500キロ以上の牡馬)については該当する馬を全て単勝と複勝を購入してもプラスになるほどに活躍が際立っていたのに対して、小型馬(馬体重460キロ未満の牡馬)については該当する馬を全て単勝と複勝を購入すると回収率20%ほどでほとんどノーリターンというほどの極度の不振となっており、端的に言えば“馬格こそが物を言う”という状況となっていました。

この日経新春杯についてもその傾向が強く反映された結果となっており、一昨年は馬体重2位のショウリュウイクゾが7番人気1着に激走。昨年は馬体重1位のヤシャマルが9番人気3着、同2位のヨーホーレイクが3番人気1着、同3位のステラヴェローチェが1番人気2着で、馬体重上位3頭がそのまま馬券内3席を独占するという大型馬決着となっていました。

それは今年の年始開催についても傾向が継続しており、先週の開催1〜4日目では馬体重1位の馬と2位の馬は[2-4-10-25](複勝率39%)で高好走率と高回収率を記録していましたので、今年の日経新春杯でも過去2年同様に大型馬の激走が見られる下地は整っていると言えそうです。

屈指の差し有利コースである中京芝2200m


■データ2 中京芝2200mコースの多頭数戦(14頭立て以上)の脚質別成績(2019年以降/1勝クラス以上)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
逃げ 1-  2-  1- 18/ 22 4.50% 13.60% 18.20% 38 80
先行 4-  5-  3- 54/ 66 6.10% 13.60% 18.20% 62 68
中団 14-  8- 11-103/136 10.30% 16.20% 24.30% 119 80
後方 1-  4-  5- 87/ 97 1.00% 5.20% 10.30% 2 46
マクリ 0-  1-  0-  2/  3 0.00% 33.30% 33.30% 0 70

■データ3 中京芝2200mコースのオープンクラス戦の脚質別成績(2019年以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
逃げ 0-  1-  0-  6/  7 0.00% 14.30% 14.30% 0 17
先行 2-  0-  2- 24/ 28 7.10% 7.10% 14.30% 109 77
中団 4-  3-  3- 26/ 36 11.10% 19.40% 27.80% 80 124
後方 1-  2-  2- 23/ 28 3.60% 10.70% 17.90% 10 102
マクリ 0-  1-  0-  0/  1 0.00% 100.00% 100.00% 0 390

この中京芝2200mコースの最大のポイントは、屈指の差し有利コースであるという点にあります。一般的にはあまりそういうイメージは持たれていないかも知れませんが、それもそのはずで同コースにて行われるレースは極端に少頭数立てのレースが多いせいで、全体的には早々に隊列が決まって道中もゆったりと流れるという“ヌルい”レースになって単調な前有利決着も目立つという現実も確かにあります。

ただし、それは本質的なコースの特性を表しているワケではなく、頭数が増えれば増えるほど加速度的にペースが上がりやすいというコース形態から、少頭数立て以外のレースか上級条件クラスのレースなどで最低限“ヌルい”レースにならない局面では、様相がガラリと一変して差しが決まるレースばかりになっていますので、これこそが本質的なコースの特性を反映している結果だと見るべきです。

実際に中京芝2200mコースの多頭数戦(14頭立て以上)とオープンクラス戦の脚質別成績を見ての通りですが、JRAの数あるコースの中でも、同コース以上に「差し」の好走率や回収率が高いコースはほぼありませんし、同じく「逃げ」の好走率や回収率がここまで低いコースはほぼありません。

レース自信度(5段階評価):3

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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