キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年京都金杯

パワーが求められる馬場で大型馬優勢


京都競馬場の改修工事にともなって、一昨年と昨年に続いて変則的に3年連続で中京競馬場での開催となる京都金杯。本来ならばレースが行われていなかった年始開催の中京芝について、一昨年に騎乗した騎手からは『発表は良馬場でも乗った感触は道悪』というコメントも聞かれましたが、実際にそこで好走していた馬の顔触れを見るとパワータイプの大型馬(馬体重480キロ以上の馬)が非常に目立っていたのに対して、小型馬(馬体重460キロ未満の馬)は明らかに不振という明確な傾向が出ており、端的に言えば“馬格こそが物を言う”という状況となっていました。


■データ1 年始開催(1~4日目)の中京芝の馬体重別成績(過去2年/牡馬セン馬のみ)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
400〜419kg 0-  0-  0-  1/  1 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
420〜439kg 0-  0-  0- 15/ 15 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
440〜459kg 1-  2-  3- 39/ 45 2.20% 6.70% 13.30% 15 30
460〜479kg 4-  4-  6- 56/ 70 5.70% 11.40% 20.00% 71 82
480〜499kg 11- 10-  9- 78/108 10.20% 19.40% 27.80% 74 82
500〜519kg 7-  7-  6- 50/ 70 10.00% 20.00% 28.60% 116 96
520〜539kg 2-  0-  0-  9/ 11 18.20% 18.20% 18.20% 139 40
540〜 1-  0-  0-  3/  4 25.00% 25.00% 25.00% 2870 507

主だった重賞レースを振り返っても、21年シンザン記念は馬体重が450キロ以下の小型馬だった1番人気馬と2番人気馬が馬券外に飛んだ一方で、馬体重1位(536キロ)→馬体重3位(500キロ)の大型馬同士のワンツーで馬連万馬券決着に、22年京都金杯も馬体重500キロ台の大型馬同士のワンツーで同じく馬連万馬券決着に、22年シンザン記念も馬体重上位5頭中3頭の大型馬同士のワンツースリーで決着するなど、やはりパワーに秀でる大型馬が馬券の鍵を握る存在となっていたということが指摘できます。

それら過去2年と全く同じスケジュール感で、厳冬期に中1週半での連続開催で行われてパワーが問われる馬場が想定される本年についても、当時と同様の大型馬優勢の傾向が出る可能性は大いに考えられます。

Aコース使用に戻って内有利馬場に


■データ2 年始開催(1月1~4日目)の中京芝の枠順別成績(過去2年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 6- 4- 4-38/52 11.50% 19.20% 26.90%
2枠 3- 8- 4-42/57 5.30% 19.30% 26.30%
3枠 1- 7- 3-49/60 1.70% 13.30% 18.30%
4枠 6- 2- 4-50/62 9.70% 12.90% 19.40%
5枠 4- 4- 4-50/62 6.50% 12.90% 19.40%
6枠 4- 4- 6-51/65 6.20% 12.30% 21.50%
7枠 8- 4- 5-52/69 11.60% 17.40% 24.60%
8枠 3- 2- 5-62/72 4.20% 6.90% 13.90%

■データ3 22年12月の中京芝Aコースの枠順別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 4- 2- 2-24/32 12.50% 18.80% 25.00%
2枠 4- 3- 2-24/33 12.10% 21.20% 27.30%
3枠 4- 4- 3-22/33 12.10% 24.20% 33.30%
4枠 3- 1- 3-28/35 8.60% 11.40% 20.00%
5枠 1- 4- 3-29/37 2.70% 13.50% 21.60%
6枠 1- 2- 7-30/40 2.50% 7.50% 25.00%
7枠 1- 2- 1-42/46 2.20% 6.50% 8.70%
8枠 3- 3- 0-41/47 6.40% 12.80% 12.80%

また、この年始開催の中京芝の特徴としては、前年末の開催3週目でBコースを使われた後のAコース戻りというコース替わりのタイミングとなるために、少し余分に保護されていたコースの最内が有利な馬場になりやすいという点も指摘できます。

実際に過去2年の年始開催の中京芝では、正に馬場が保護されていた最内を立ち回りやすい1枠と2枠の好走率が頭一つ抜きん出た数字となっていました。そもそも、昨年12月の中京芝のAコース使用週(1~2週目)には外枠(7~8枠)よりも内枠(1~3枠)の方がどの数字を比較してもダブルスコアほどの優勢となっていましたので、当時と同じAコース使用に戻る今週についても、過去2年や昨年12月を引き継ぐ形で内有利の傾向が出る可能性が極めて高いと考えられます。

レース自信度(5段階評価):3

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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