キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2022年ジャパンカップ

1981〜外国馬有利→1998〜日本馬有利→2009〜牝馬有利→2014〜牡馬有利


■データ1 2010年以降の1位入線馬とレース上がり3Fタイムと1Fタイム

2010年ブエナビスタ(牝) 34.4 11秒台
2011年ブエナビスタ(牝) 34.5 12秒台
2012年ジェンティルドンナ(牝) 34.7 11秒台
2013年ジェンティルドンナ(牝) 34.1 11秒台
2014年エピファネイア(牡) 35.2 11秒台
2015年ショウナンパンドラ(牝) 35.3 12秒台
2016年キタサンブラック(牡) 34.7 12秒台
2017年シュヴァルグラン(牡) 35.1 12秒台
2018年アーモンドアイ(牝) 34.4 12秒台
2019年スワーヴリチャード(牡) 37.2 12秒台
2020年アーモンドアイ(牝) 37.8 12秒台
2021年コントレイル(牡) 35.3 12秒台

ジャパンカップは「世界に通用する強い馬づくり」をスローガンに1981年に創設されたレースです。その創設当初は外国馬が圧倒的優勢でしたが、1998年からは形勢が一変して日本馬が優勢となり、そして2009年にウオッカが日本の牝馬として初優勝して以降は牝馬の活躍が顕著となり、2014年にエピファネイアが牡馬として6年振りに1位入線を収めて以降は牡馬がやや優勢となっているのが直近の傾向です。

その牝馬が2009年から5年連続で1位入線していた時期のジャパンカップは、軒並み上がり3F34秒台→上がり1F11秒台の決め手比べになり、“牝馬のキレ”が物を言う決着になっていたことが牝馬の活躍を生んでいたと見られます。

その風向きが変わったのが14年で、上がり3Fタイムは1秒ほど時計がかかる様になり、また上がり1Fタイムもほぼ毎年12秒台かかるようになり、それが体力と馬力で勝る牡馬の巻き返しに繋がっているものと考えられます。

近5年では牡馬3勝・牝馬2勝という互角に近い星の並びとなっていますが、牝馬の2勝は共に歴史的名馬であるアーモンドアイの個の力によって成し遂げられた所も大きいだけに、やはり今のジャパンカップは牝馬よりも牡馬の方を重視すべきです。

東京芝2400mコースの大レースに強い厩舎


■データ2 東京芝2400mのG1レースの厩舎別成績(08年以降)

調教師 着別度数 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
国枝栄 4- 3- 1-15/23 34.80% 32 261
矢作芳人 4- 1- 0-14/19 26.30% 81 44
池江泰寿 2- 4- 4-25/35 28.60% 28 104
藤原英昭 2- 1- 2-20/25 20.00% 174 62
堀宣行 1- 2- 2-13/18 27.80% 10 133
手塚貴久 1- 1- 0-12/14 14.30% 63 47
杉山晴紀 1- 0- 1- 4/ 6 33.30% 26 41
斎藤誠 1- 0- 0- 5/ 6 16.70% 163 25
※角居勝彦 4- 2- 5-19/30 36.70% 384 120

今回ジャパンカップに出走馬を送り出す厩舎に限定した、東京芝2400mコースのG1レースにおける成績順は「1位国枝厩舎・2位矢作厩舎・3位池江厩舎・4位藤原英厩舎」となっていますが、それらの錚々たる面々を抑えて全厩舎の中で最多好走回数を誇っていたのは昨年2月に解散した角居厩舎でした。

角居厩舎といえば広いコース・中長距離に高い適性を発揮する馬を数多く発掘・育成しており、それが東京2400mコースでの好成績に繋がっていたと見られますが、その角居厩舎を引き継ぐ形で昨年3月に開業したのが辻野厩舎です。そんな辻野厩舎も芝2100~2400mでは驚異の複勝率52.6%という好成績をマークするなど、形式上だけではなくイズムも角居厩舎から引き継いでいるという印象だけに、近い将来的には角居厩舎が得意とした東京2400mコースの大レースでの活躍が期待できる厩舎と見ています。


■データ3 藤原英昭厩舎の前走着順別のG1レース成績(15年以降)

  着別度数 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1-3着 2- 3- 3-38/46 17.40% 56 42
前走4-5着 1- 0- 4-12/17 29.40% 25 95
前走6〜9着 2- 2- 0-16/20 20.00% 127 80
前走10着〜 1- 0- 0- 4/ 5 20.00% 282 98

また、ランキング4位に位置する藤原英厩舎について、目標とする大レースでは緻密に戦略を立てて&メイチで仕上げて全力で獲りに行くのに対して、その前の前哨戦では叩き台として割り切った出走というケースが目立ちます。実際に近年の同厩舎のG1成績を見ると、前走(前哨戦)で好走した馬の方が好走率は低くて、むしろ前走(前哨戦)で凡走していた馬の方が好走率は高いという逆転現象が生まれている程です。

レース自信度(5段階評価):3

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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