キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2022年マイルCS

阪神で行われるマイルCSは安田記念と直結する


従来、この秋の古馬芝マイル路線の頂上決戦たるマイルCSと、春の古馬芝マイル頂上決戦たる安田記念とでは、京都芝1600mと東京芝1600mという行われるコースの違いにより求められる適性が食い違うことから、好走する馬の顔触れはガラリと入れ替わるという“非直結”の傾向がありました。

実際に09年から19年までの安田記念において、3着以内に好走した馬の同年マイルCS成績は[2-1-1-13](複勝率23.5%)で、ハイレベルな母集団であることも踏まえれば物足りない成績となっていました。また、同じく09年から19年までのマイルCSにおいて、3着以内に好走した馬の翌年安田記念成績は[0-1-2-19](複勝率13.6%)で、やはり明らかな不振成績となっていました。逆に安田記念で好走した馬よりも、4着以下に凡走した馬の方が、マイルCSで走るという“逆転現象”も起こっていました。

しかし、20年から京都競馬場の改修工事によって阪神競馬場(阪神芝1600m)で行われたこの2年は、その“非直結傾向”は一転して“直結傾向”へと様変わりしました。


■データ1  20年以降の安田記念とマイルCSの好走馬一覧

  1着 2着 3着
2020安田記念 グランアレグリア アーモンドアイ インディチャンプ
2020マイルCS グランアレグリア インディチャンプ アドマイヤマーズ
2021安田記念 ダノンキングリー グランアレグリア シュネルマイスター
2021マイルCS グランアレグリア シュネルマイスター ダノンザキッド
2022安田記念 ソングライン シュネルマイスター サリオス

20年のマイルCSでは同年の安田記念1着馬グランアレグリアが1着、安田記念3着インディチャンプが2着、そして3着アドマイヤマーズは東京の芝1600mのG1レースであるNHKマイルCの覇者でした。21年のマイルCSでは同年の安田記念2着馬グランアレグリアが1着、安田記念3着馬シュネルマイスターが2着でした。

京都芝1600mとは違って、東京芝1600mと似た適性が求められる阪神芝1600mで行われるマイルCSでは、安田記念での結果がそのまま引き継がれやすくなっていると考えられます。今回のマイルCSでも、まずは安田記念の好走馬を最優先に扱うのが的中への最短ルートとなるはずです。

美浦の厩舎にとっては得手不得手が顕著に出る関西遠征競馬


■データ2 堀厩舎の競馬場別成績(18年以降)

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率
札幌 18-  9-  9- 49/ 85 21.20% 31.80% 42.40%
函館 11-  9-  7- 27/ 54 20.40% 37.00% 50.00%
福島 3-  8-  2- 40/ 53 5.70% 20.80% 24.50%
新潟 13-  6- 11- 81/111 11.70% 17.10% 27.00%
東京 97- 56- 40-236/429 22.60% 35.70% 45.00%
中山 55- 28- 25-175/283 19.40% 29.30% 38.20%
中京 13-  5-  9- 65/ 92 14.10% 19.60% 29.30%
京都 0-  2-  1- 16/ 19 0.00% 10.50% 15.80%
阪神 2-  3-  2- 33/ 40 5.00% 12.50% 17.50%
小倉 1-  3-  2-  7/ 13 7.70% 30.80% 46.20%

■データ3 手塚厩舎の競馬場別成績(18年以降)

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率
札幌 12-   6-   7-  41/  66 18.20% 27.30% 37.90%
函館 7-  10-   5-  44/  66 10.60% 25.80% 33.30%
福島 18-   8-   9- 108/ 143 12.60% 18.20% 24.50%
新潟 21-  19-  23- 162/ 225 9.30% 17.80% 28.00%
東京 54-  46-  48- 325/ 473 11.40% 21.10% 31.30%
中山 43-  43-  39- 294/ 419 10.30% 20.50% 29.80%
中京 1-   1-   3-  38/  43 2.30% 4.70% 11.60%
京都 6-   0-   2-  23/  31 19.40% 19.40% 25.80%
阪神 1-  10-   1-  44/  56 1.80% 19.60% 21.40%
小倉 0-   2-   1-  13/  16 0.00% 12.50% 18.80%

その同年の安田記念の好走馬からは、2着シュネルマイスターと3着サリオスが出走を予定していますが、共に関東所属馬だけに舞台が地元の関東(東京)から長距離輸送を挟む関西(阪神)に変わっても、そのまま力が発揮できるかどうかがポイントとなります。

それを左右するのが厩舎です。サリオスの所属する堀厩舎は、輸送距離が短い地元の関東圏と滞在競馬が使える北海道と小倉で好成績を上げる一方で、輸送距離が長い阪神と京都では大きく成績を下げる傾向があります。逆にシュネルマイスターの所属する手塚厩舎は、先週のエリザベス女王杯でも管理馬ウインマリリンが2着に好走しており、連対率ベースではほぼどの競馬場でも万遍ない成績となっています。どうしても美浦の厩舎にとって関西遠征競馬はパフォーマンスを下げる要因になりがちですが、手塚厩舎は珍しく関西遠征競馬でも割引は不要の厩舎と言えます。

レース自信度(5段階評価):4

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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