秋華賞の回でも取り上げましたが、牝馬限定レースの中でもレアでイレギュラーな距離条件になる中長距離(距離2000m以上)の重賞レースにおいては、他の通常の条件とは一線を画す独特な血統傾向(種牡馬別成績)が出現します。
種牡馬 | 着別度数 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | ステイゴールド | 1- 5- 1- 11/ 18 | 38.90% | 176 | 169 |
2位 | キングカメハメハ | 7- 2- 3- 23/ 35 | 34.30% | 146 | 99 |
3位 | ドリームジャーニー | 0- 2- 0- 4/ 6 | 33.30% | 0 | 113 |
4位 | Blame | 0- 0- 2- 4/ 6 | 33.30% | 0 | 90 |
5位 | ハービンジャー | 6- 5- 5- 41/ 57 | 28.10% | 127 | 102 |
6位 | キズナ | 4- 2- 3- 26/ 35 | 25.70% | 284 | 200 |
7位 | ゴールドシップ | 2- 0- 2- 13/ 17 | 23.50% | 138 | 97 |
8位 | エピファネイア | 2- 2- 2- 20/ 26 | 23.10% | 11 | 140 |
9位 | クロフネ | 0- 2- 0- 7/ 9 | 22.20% | 0 | 61 |
10位 | オルフェーヴル | 3- 2- 2- 25/ 32 | 21.90% | 71 | 90 |
14位 | ディープインパクト | 6- 12- 11-120/149 | 19.50% | 29 | 72 |
17位 | ロードカナロア | 2- 0- 0- 11/ 13 | 15.40% | 23 | 16 |
21位 | ハーツクライ | 1- 2- 2- 55/ 60 | 8.30% | 7 | 18 |
本来ならば成績上位に顔を出すべき現代の3TOP種牡馬のディープインパクト・ハーツクライ・ロードカナロアの産駒は全てランキング下位にとどまっているのが、同条件がいかに特殊であるかと如実に表しています。逆に同条件で強さを発揮する特注血統としては、ステイゴールド系(ステイゴールド産駒・ゴールドシップ産駒・オルフェーヴル産駒・ドリームジャーニー産駒)・キングカメハメハ産駒・ハービンジャー産駒・キズナ産駒が挙げられます。
そして、それは特にタフさが問われがちな阪神コースだとより顕著になり、実際に阪神コースで行われた昨年のエリザベス女王杯ではキズナ産駒のアカイイト(10人気1着)とステラリア(7人気2着)のワンツー決着でした。また、通常の年に唯一の阪神コースで行われる同条件のマーメイドSでは、17年はキングカメハメハ産駒のマキシマムドパリが3人気1着、19年はオルフェーヴル産駒のサラスが7人気1着、20年はハービンジャー産駒のサマーセントが7人気1着、21年はキズナ産駒のシャムロックヒルが10人気1着、22年はゴールドシップ産駒のウインマイティーが10人気1着でした。唯一勝ち馬を輩出できなかった18年にしてもステイゴールド産駒のワンブレスアウェイが9人気2着&ミエノサクシードが4人気3着でした。まとめると17年以降に行われた阪神コースの同条件のレースでは、実に10レース中9レースで特注血統の該当馬が勝利しており、しかもその半数超が7人気以下の人気薄馬という超高長打率という買いの一手の状況となっています。
場所 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 9- 8- 7- 57/ 81 | 11.10% | 29.60% | 120 | 75 |
函館 | 2- 8- 8- 38/ 56 | 3.60% | 32.10% | 10 | 90 |
福島 | 23- 11- 11- 109/ 154 | 14.90% | 29.20% | 116 | 71 |
新潟 | 9- 14- 15- 155/ 193 | 4.70% | 19.70% | 83 | 96 |
東京 | 13- 17- 37- 240/ 307 | 4.20% | 21.80% | 42 | 70 |
中山 | 17- 41- 29- 275/ 362 | 4.70% | 24.00% | 42 | 82 |
中京 | 0- 1- 3- 51/ 55 | 0.00% | 7.30% | 0 | 50 |
京都 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
阪神 | 0- 0- 3- 14/ 17 | 0.00% | 17.60% | 0 | 48 |
小倉 | 9- 6- 4- 45/ 64 | 14.10% | 29.70% | 106 | 105 |
場所 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 15- 6- 5- 75/ 101 | 14.90% | 25.70% | 98 | 57 |
函館 | 10- 10- 9- 75/ 104 | 9.60% | 27.90% | 78 | 77 |
福島 | 21- 15- 14- 167/ 217 | 9.70% | 23.00% | 104 | 88 |
新潟 | 24- 24- 16- 263/ 327 | 7.30% | 19.60% | 68 | 65 |
東京 | 34- 47- 31- 452/ 564 | 6.00% | 19.90% | 41 | 58 |
中山 | 42- 39- 49- 485/ 615 | 6.80% | 21.10% | 63 | 69 |
中京 | 8- 3- 9- 63/ 83 | 9.60% | 24.10% | 126 | 79 |
京都 | 0- 0- 1- 10/ 11 | 0.00% | 9.10% | 0 | 10 |
阪神 | 1- 0- 1- 28/ 30 | 3.30% | 6.70% | 5 | 7 |
小倉 | 2- 2- 6- 62/ 72 | 2.80% | 13.90% | 26 | 128 |
その中でも今年のエリザベス女王杯では4頭出しと一大勢力を築くステイゴールド系を取捨する上で、大きなポイントとなるのが長距離輸送の有無です。同系統はステイゴールド譲りの気難しさを引き継いでいる産駒例が非常に多く、輸送距離の短い自ブロック競馬や滞在競馬の方が安心して買うことができます。逆に輸送距離が長い遠征競馬の場合には力を出し切れないケースも多々見受けられて、特に美浦所属の馬が関西遠征競馬をした際には極端に成績を落とす傾向となっています(データは今回出走馬がいるオルフェーヴル産駒とゴールドシップ産駒のみの掲載ですが、ドリームジャーニー産駒など他のステイゴールド系種牡馬の産駒についても同様です)。
実際に同該当馬のクリノプレミアムは過去唯一の関西遠征競馬だった22年京都牝馬Sでは9人気16着と凡走、ウインキートスも過去唯一の関西遠征競馬だった昨年エリザベス女王杯では5人気10着と凡走、そしてライラックにいたっては自ブロック競馬では4戦3好走に対して関西遠征競馬では3戦3凡走という明暗クッキリの戦績になっています。
レース自信度(5段階評価):3
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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