キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2022年秋華賞

大型馬有利の桜花賞⇔小中型馬の健闘が目立つオークス&秋華賞

牝馬限定レースではオークス・エリザベス女王杯に次いで、3番目に長い距離設定である距離2000mで行われるのが秋華賞です。牡馬にとって距離2000mはごく一般的で主流の距離設定と言えますが、牡馬よりもスタミナ面で劣り距離適性が短めに出る牝馬にとって距離2000mは特殊でイレギュラーな距離設定になります。その距離適性を見極める上で、大きな手掛かりになるのが「馬体重」と「血統」です。

■データ1 桜花賞の馬体重別成績(近10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率
〜399kg 0-  0-  0-  0/  0      
400〜419kg 0-  1-  1- 15/ 17 0.00% 5.90% 11.80%
420〜439kg 0-  3-  3- 32/ 38 0.00% 7.90% 15.80%
440〜459kg 0-  1-  1- 45/ 47 0.00% 2.10% 4.30%
460〜479kg 8-  2-  3- 39/ 52 15.40% 19.20% 25.00%
480〜499kg 2-  3-  2- 11/ 18 11.10% 27.80% 38.90%
500〜519kg 0-  0-  0-  5/  5 0.00% 0.00% 0.00%
520〜539kg 0-  0-  0-  1/  1 0.00% 0.00% 0.00%

■データ2 オークスの馬体重別成績(近10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率
〜399kg 0-  0-  0-  0/  0      
400〜419kg 0-  0-  1- 14/ 15 0.00% 0.00% 6.70%
420〜439kg 2-  0-  3- 30/ 35 5.70% 5.70% 14.30%
440〜459kg 2-  3-  1- 45/ 51 3.90% 9.80% 11.80%
460〜479kg 6-  6-  3- 35/ 50 12.00% 24.00% 30.00%
480〜499kg 0-  1-  1- 15/ 17 0.00% 5.90% 11.80%
500〜519kg 0-  0-  1-  8/  9 0.00% 0.00% 11.10%

■データ3 秋華賞の馬体重別成績(近10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率
〜399kg 0-  0-  0-  0/  0      
400〜419kg 1-  0-  1-  9/ 11 9.10% 9.10% 18.20%
420〜439kg 1-  2-  2- 19/ 24 4.20% 12.50% 20.80%
440〜459kg 3-  4-  2- 47/ 56 5.40% 12.50% 16.10%
460〜479kg 1-  2-  5- 40/ 48 2.10% 6.30% 16.70%
480〜499kg 4-  1-  0- 18/ 23 17.40% 21.70% 21.70%
500〜519kg 0-  1-  0- 10/ 11 0.00% 9.10% 9.10%
520〜539kg 0-  0-  0-  2/  2 0.00% 0.00% 0.00%

3歳牝馬のG1戦線は距離1600mの桜花賞・距離2400mのオークス・距離2000mの秋華賞という距離カテゴリーが異なる3つのレースが設定されています。その中でも距離が短い桜花賞で最も複勝率が高い馬体重は「480~499キロ」のゾーンで、一般的にスピードに優れるグラマー体型(大型馬)が活躍しやすい傾向です。それに対して距離が長いオークスでは「460~479キロ」のゾーンで、同じく秋華賞では「480~499キロ」に次いで僅差で「420~439キロ」と「400~419キロ」が続いており、こちらでは一般的にスタミナに優れるスレンダー体型(小中型馬)の健闘も目立つ傾向になっています。

実際に昨年の秋華賞では、大型馬有利の桜花賞では馬格不足(当時444キロ)で4着止まりだったアカイトリノムスメが、小中型馬にとって与しやすい条件を追い風に勢力図を一転させて初戴冠という結末でした。

今年の秋華賞でも、まずオークス組(好走馬)については既に距離を克服していることになりますので大型馬だからと評価を下げる必要はありませんが、桜花賞組を取捨する際には、当時に激走した大型馬よりも、当時は及ばずに終わった小中型馬の巻き返しが狙い目となります。

牝馬の中長距離重賞で買うべき血統

■データ4 芝2000m以上の牝馬限定重賞の種牡馬別成績(17年以降/最少機会数5/複勝率順)

  種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1位 ステイゴールド 1-  5-  1- 11/ 18 5.60% 33.30% 38.90% 176 169
2位 キングカメハメハ 6-  2-  3- 22/ 33 18.20% 24.20% 33.30% 138 100
3位 ドリームジャーニー 0-  2-  0-  4/  6 0.00% 33.30% 33.30% 0 113
4位 Blame 0-  0-  2-  4/  6 0.00% 0.00% 33.30% 0 90
5位 ハービンジャー 6-  4-  5- 40/ 55 10.90% 18.20% 27.30% 132 103
6位 キズナ 4-  2-  3- 25/ 34 11.80% 17.60% 26.50% 292 205
7位 エピファネイア 2-  2-  2- 19/ 25 8.00% 16.00% 24.00% 12 146
8位 ゴールドシップ 2-  0-  2- 13/ 17 11.80% 11.80% 23.50% 138 97
9位 オルフェーヴル 3-  2-  2- 23/ 30 10.00% 16.70% 23.30% 76 96
10位 スクリーンヒーロー 3-  1-  0- 14/ 18 16.70% 22.20% 22.20% 143 65
13位 ディープインパクト 6- 12- 11-119/148 4.10% 12.20% 19.60% 29 72
16位 ロードカナロア 2-  0-  0- 11/ 13 15.40% 15.40% 15.40% 23 16
21位 ハーツクライ 1-  2-  2- 55/ 60 1.70% 5.00% 8.30% 7 18

近年の距離2000m以上の牝馬限定重賞の種牡馬別成績を見ての通り、特殊でイレギュラーな牝馬の中長距離重賞では、他の通常の条件とは一線を画す独特な血統傾向が出現しています。

現代のトップ種牡馬であるディープインパクトの産駒は意外にもトップ10圏外で、それに次ぐハーツクライの産駒とロードカナロアの産駒についても共にランキング下位で極端に振わない成績にとどまっているのも、同条件がいかに特殊であるかを如実に表しています。 逆に同条件で強い血統としては、トップ10圏内に大挙4種牡馬を送り込むステイゴールド系全般を筆頭に、キングカメハメハ産駒・ハービンジャー産駒・キズナ産駒が挙げられます。

実際にこれまでに行われた現3歳世代の距離2000m以上の牝馬重賞で、5番人気以下で好走した馬は全て上記の血統の該当馬でした。また、昨年の秋華賞の好走馬についても、1着アカイトリノムスメ(母父キングカメハメハ)・2着ファインルージュ(キズナ産駒)・3着アンドヴァラナウト(キングカメハメハ産駒)で、全て同血統と由縁がある馬でした。

レース自信度(5段階評価):4

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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