キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2022年京都大賞典

今年の阪神芝は内有利傾向が顕著

京都競馬場の改修工事に伴って、昨年に引き続き2年連続で阪神競馬場(阪神芝2400mコース)にて施行される京都大賞典。この阪神芝2400mコースで施行される重賞は、通常の年では年間に神戸新聞杯のわずか1レースのみ、オープン特別も大阪―ハンブルクカップのわずか1レースのみということもあり、一般的には馴染みが薄いコースかも知れません。そこで今回は、今週から開催が始まる阪神競馬場の芝コースについてと、京都大賞典が施行される阪神芝2400mコースで狙うべきタイプについて、データを元にアナライズしていきます。

■データ1 2022年の阪神芝コースの枠順別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
12- 23- 18-118/171 7.00% 20.50% 31.00% 95 90
17- 16- 21-126/180 9.40% 18.30% 30.00% 39 78
14- 21- 13-138/186 7.50% 18.80% 25.80% 140 94
22- 12- 19-141/194 11.30% 17.50% 27.30% 127 73
12- 15- 11-167/205 5.90% 13.20% 18.50% 35 47
18- 15- 18-169/220 8.20% 15.00% 23.20% 79 72
21- 14- 19-193/247 8.50% 14.20% 21.90% 81 85
16- 14- 12-217/259 6.20% 11.60% 16.20% 37 39

今年これまでの阪神芝コースのレースにおける最大のトピックは、内有利傾向が顕著であるという点です。まず初っ端に施行された重賞の京都記念(阪神芝2200mコース)では、逃げたアフリカンゴールドが12人気1着、最内枠のタガノディアマンテが8人気2着という内有利の波乱決着となりましたが、その後の重賞でも3レース連続で最内枠の馬が連対を果たすなど、内枠の馬や内を立ち回った馬の活躍が顕著に見られます。

それは重賞だけではなく平場も含めた全レースについて言える話で、実際に今年の阪神芝コースのレースの枠順別成績で複勝率が高いのは「1枠→2枠→4枠→3枠」の順となっており、綺麗に内枠(1~4枠)が好成績⇔外枠(5~8枠)が不成績となっています。特に激走例が多く見られる最内1枠の馬は要警戒、極端に数字を落としている大外8枠の馬は割引が妥当でしょう。

阪神長丁場と京都長丁場では血統傾向が一変

■データ2 阪神芝2400m以上の種牡馬別成績(2019年以降)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
ディープインパクト 10- 13- 12- 70/105 9.50% 21.90% 33.30% 80 81
ハーツクライ 8-  7-  9- 61/ 85 9.40% 17.60% 28.20% 88 65
オルフェーヴル 8-  6-  5- 37/ 56 14.30% 25.00% 33.90% 72 59
ルーラーシップ 7-  4-  7- 58/ 76 9.20% 14.50% 23.70% 71 67
エピファネイア 6-  3-  4- 19/ 32 18.80% 28.10% 40.60% 370 115
キングカメハメハ 5-  8-  5- 30/ 48 10.40% 27.10% 37.50% 62 102

■データ3 京都芝2400m以上の種牡馬別成績(2019年以降)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
ディープインパクト 13- 7- 7-44/71 18.30% 28.20% 38.00% 81 80
オルフェーヴル 5- 2- 3-14/24 20.80% 29.20% 41.70% 60 147
ハービンジャー 3- 5- 3-10/21 14.30% 38.10% 52.40% 480 190
ステイゴールド 3- 3- 4-15/25 12.00% 24.00% 40.00% 46 114
ダンカーク 3- 0- 0- 3/ 6 50.00% 50.00% 50.00% 140 61
ハーツクライ 2- 3- 2-29/36 5.60% 13.90% 19.40% 50 58

京都競馬場の芝中長距離レースと阪神競馬場の芝中長距離レースとでは、同じ様な距離でもコース形態の違いによって、好走する馬の血統がガラリと入れ替わるというのが最大のポイントです。

ディープインパクト産駒についてはコース不問で強さを発揮するものの、総じて下り坂での走りが得意なステイゴールド系(ステイゴールド産駒・ゴールドシップ産駒・オルフェーヴル産駒など)とハービンジャー産駒は京都よりも阪神で成績を落とす傾向が、急坂が得意なキングカメハメハ系(キングカメハメハ産駒・ルーラーシップ産駒など)と下り坂が苦手なハーツクライ産駒は京都よりも阪神で成績を上げる傾向があります。

京都大賞典と同じく、通常の京都長丁場コースではなく阪神長丁場コースで代替施行された天皇賞春(21~22年)と菊花賞(21年)では、例年だと活躍が顕著なステイゴールド系は振わずに、キングカメハメハ系とディープインパクト系ばかりが上位入線馬に名を連ねたというのも、それを象徴する結果だったと見られます。

レース自信度(5段階評価):3

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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