これまでの現2歳世代のオープン競走戦線において特徴的なのが、牡馬の活躍が目立っているという点です。例えば一昨年の2歳世代のオープン競走戦線では、函館2歳Sから札幌2歳Sまで牝馬が重賞3連勝スタートを切り、オープン特別まで含めれば牝馬が8連勝スタートという快進撃を見せるなど「牡低・牝高」の決着傾向となっていました。その年の阪神ジュベナイルFでは前走牝馬限定重賞勝利の1番人気馬リバティアイランドが勝利した一方で、前走牡馬牝馬混合オープン特別勝利の2番人気モリアーナと3番人気ウンブライルが馬券外に沈みました。
逆に近年の中で2歳世代のオープン競走戦線において最も「牡高・牝低」決着傾向だったのは3年前です。その年の阪神ジュベナイルFでは一握りの前走牡馬牝馬混合重賞好走(京王杯2歳S3着)のラブリイユアアイズが8番人気2着と穴をあけました。
牡馬騙馬 | 牝馬 | |
---|---|---|
2024年 | 17勝 | 6勝 |
2023年 | 13勝 | 11勝 |
2022年 | 14勝 | 10勝 |
2021年 | 17勝 | 7勝 |
2020年 | 13勝 | 11勝 |
その3年前の数字以上に2歳世代のオープン競走戦線において牝馬の勝利数が少なくて活躍できていないのが現2歳世代となっているだけに、今年は牝馬同士のレースではなく牡馬相手のレースで好結果をマークしていた馬の方が相対的に評価すべきという見方が成り立ちます。
阪神JFに限らず、重賞競走から新馬戦まで含めた2歳戦全般において重視すべきポイントの一つに「育成の成否」があります。その世代の馬の育成が大成功している牧場や厩舎に属する馬はトントン拍子に全面的な活躍が期待しやすい一方で、逆に育成が上手く行っていない牧場や厩舎に属する馬は歯車を元に戻すのは容易ではないので、その後も活躍が期待しづらいものです。
例えば18年生まれ世代はノーザンファーム勢の当たり年で、20年の2歳世代の重賞競走戦線ではノーザンファーム生産馬が札幌2歳SからホープフルSまで12連勝するという記録的な活躍を見せました。その年の阪神JFはワンツー決着、朝日杯FSとホープフルSに至ってはワンツースリー決着でしたので、それらには“順張り”で育成大成功のノーザンファーム勢を買うのが正解だったというわけです。
それは厩舎についても同様で、2歳世代の育成で大成功をしている厩舎が、その延長線上で頂上決戦の2歳G1レースもかっさらいがちという結果となっています。
例えば19年は2歳調教師リーディング1位の手塚厩舎の管理馬が阪神JFで穴をあけて、ホープフルSでも好走しました。20年はリーディング上位3厩舎(友道厩舎・須貝厩舎・国枝厩舎)の管理馬が3つある2歳G1レースの馬券内好走馬9頭中4頭を占めました。
21年のリーディング1位友道厩舎・2位国枝厩舎・4位武幸厩舎でしたが、友道厩舎は朝日杯FSを3番人気で勝利、国枝厩舎は阪神JFを3番人気で勝利、武幸厩舎は阪神ジュベナイルFで4番人気3着馬を送り込みました。リーディング上位常連厩舎以外でも、その年の2歳戦で好成績(育成大成功)という中位厩舎の馬が馬券的な鍵を握るというケースがよく見受けられます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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