キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2026年札幌記念

海外レース組が格上

G2の中でも「スーパーG2」とも称される札幌記念だけあって、今年も出走登録馬の6割超(16頭中10頭)が重賞勝利実績馬という、夏競馬の重賞としては好メンバーが集結しました。

過去10年の同レース3着内好走馬を振り返っても、実に6割(30頭中18頭)の馬が前走G1出走組から輩出されている様に、ハイレベルなメンバーの中で好走するには、それなりの地力が備わっていることが必要となります。

その馬の地力の高さを測る上で、「どのような戦歴を辿っている馬が良いのか」、「どのような実績を持つ馬に着目すべきなのか」と言えば、海外のレースを経ている馬を高く評価すべきというのが最新トレンドです。

先週のエルムSでは出走馬の中で2頭しかいなかった海外レース経験馬のルクソールカフェが1着、テーオーパスワードが3着と共に好走しました。また、レパードSでも唯一の海外レース経験馬のパイロマンサーが2着に好走しました。以前は「海外レース組はその反動等によって国内復帰直後は案外振るわない」という傾向が見受けられましたが、直近においては日本の(特に芝馬の)全体的な伸び悩みもあり、レベル的に「海外>日本」となっていることでより海外レース組の価値が上がっています。また、海外遠征のノウハウの蓄積もあってか国内復帰後に低迷しづらくなり、むしろ成長を遂げた姿で活躍を見せる馬が明らかに増えていることが挙げられます。


■データ1 過去5年の札幌記念の前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
オープン特別 0- 0- 0- 1/ 1 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
G3 1- 1- 2-32/36 2.80% 5.60% 11.10% 71 38
G2 0- 0- 0- 3/ 3 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
G1 2- 3- 3-13/21 9.50% 23.80% 38.10% 40 215
海外 2- 1- 0- 7/10 20.00% 30.00% 30.00% 196 89

この札幌記念でも近年では前走国内G1組と前走海外組が双璧という結果となっています。

「本気度」と「仕上がりの早さ」がキー

G2というのは主にG1のステップレースに位置付けられるレースが設定されています。札幌記念もその例に漏れず、秋の大レースを目標とする馬にとって、非常に使い勝手の良いステップレースとして機能しています。

また、基本的に出走してくる人馬は誰もが勝利を目指して力の限りを尽くし合う、地力勝負の色合いが濃いのがG1であるのに対して、G2は特に有力視される馬であればあるほど、目の前の勝利よりもその先のG1に向けての調整的な色合いも少なからずあります。G1とG2とでは同じ高格付けのレースでも、ある意味で正反対の顔を持っているというわけです。

そんなG2(G1のステップレース)である札幌記念において、特に重視すべき要素は「本気度」と「仕上がりの早さ」の2点です。

それは2011年のトーセンジョーダンを最後に14年連続で1番人気馬が勝利を挙げられていないことにも表れていて、札幌記念よりも秋の大レースに軸足を置いた前哨戦なりの勝負気配で臨んでくるトップホースを、「本気度」と「仕上がりの早さ」で上回る2番手グループの馬が出し抜くという決着が毎年の様に繰り返されています。

「本気度」についてはケースバイケースなので、個別の馬の事情から汲み取る他にありませんが、「仕上がりの早さ」については各馬の休み明け初戦ローテの成績から読み取ることができます。


■データ2 札幌記念勝ち馬の生涯鉄砲成績(18年以降)

勝ち馬 休み明け初戦の着度数 休み明け初戦の連対率
25年 トップナイフ 0-2-0-2 50%
24年 ノースブリッジ 5-0-1-9 33%
23年 プログノーシス 6-2-1-2 73%
22年 ジャックドール 4-0-0-3 57%
21年 ソダシ 3-1-1-1 67%
20年 ノームコア 3-1-1-2 57%
19年 ブラストワンピース 4-0-1-5 40%
18年 サングレーザー 3-3-1-1 75%

近年の札幌記念は休み明け初戦の馬が勝利を収めており、勝利馬は軒並み「鉄砲巧者だった」というのが共通点としてあります。例えば3年前の勝ち馬(2番人気)のプログノーシスはそれ以前の休み明け初戦で5戦4勝・2着1回というほぼパーフェクトな成績でした。一昨年の勝ち馬(5番人気)のノースブリッジもそれ以前の全6勝中5勝を休み明け初戦(新馬戦含む)で挙げていました。

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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