キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2026年府中牝馬S

展開面の比重が高い牝馬限定のハンデ戦

一昨年まで府中牝馬Sと同週に行われていて、実質的な前身レースはマーメイドSです。そのマーメイドSの過去10年、1番人気から5番人気までの複勝率が30%なのに対して、6番人気から10番人気の複勝率が28%と、上位人気と拮抗していました。人気がアテにならない波乱傾向が強い一戦となっていて、その最たる背景としては「ハンデ戦」かつ「牝馬限定戦」であったからだと考えられます。


■データ1 前身のマーメイドS(過去10年)の人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1番人気 1-  2-  1-  6/ 10 10.00% 30.00% 40.00% 37 68
2番人気 0-  2-  0-  8/ 10 0.00% 20.00% 20.00% 0 43
3番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.00% 20.00% 30.00% 57 68
4番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.00% 20.00% 30.00% 91 86
5番人気 0-  1-  2-  7/ 10 0.00% 10.00% 30.00% 0 106
6番人気 1-  0-  3-  6/ 10 10.00% 10.00% 40.00% 108 133
7番人気 2-  1-  0-  7/ 10 20.00% 30.00% 30.00% 289 130
8番人気 1-  0-  0-  9/ 10 10.00% 10.00% 10.00% 156 43
9番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.00% 10.00% 10.00% 0 40
10番人気 3-  1-  2-  4/ 10 30.00% 40.00% 60.00% 522 340
11番人気~ 0-  0-  0- 50/ 50 0.00% 0.00% 0.00% 0 0

「ハンデ戦」はそれ以外のレースよりも出走メンバー間の能力差を拮抗させていると言えますし、「牝馬限定戦」はそれ以外のレースよりも出走メンバーの能力が拮抗していると言えますので、その「両方」が揃う「ハンデ戦かつ牝馬限定戦」は最も拮抗戦(大混戦)になりやすいと言えます。

そこで何が起きるのかと言えば、微々たる能力差よりも適性面が明暗を分けやすいというのと、そしてそれ以上に展開面や枠番の有利不利が物を言う(展開や枠番次第で着順が大きく入れ替わる)という決着になりがちです。

マーメイドSにおいても、過去10年中7年で6番人気以下の人気薄馬が勝利し、その7頭中3頭が道中二桁通過順位の追い込み馬、残り4頭中3頭が道中1~2番手通過の逃げ&番手馬で、極端な戦法を採ったことが結果的に嵌まったという内容でした。

また、マーメイドSに限らず23年以降に行われた「ハンデ戦」かつ「牝馬限定戦」は計14レースあり、以下に列挙する通り内10レースは展開や枠番で決まったと言える様な決着となっていました。

●23年愛知杯は道中1-4番手追走馬がそのまま1-4着まで占める完全前残り決着
●23年中山牝馬Sは道中1-3番手追走の人気馬3頭(1番人気&3番人気&4番人気)が馬券外に敗れる差し決着
●23年マーメイドSは13頭立てで道中8番手以降追走だった馬同士によるワンツースリーフォーという追い込み決着
●23年ターコイズSは道中1-4番手追走馬によるワンツースリーという前残り決着
●24年中山牝馬Sは2着ククナ以外、道中1-3番手追走馬が1着・3着・4着という前残り決着
●24年マーメイドSは大逃げを打ったアリスヴェリテの圧勝劇
●25年小倉牝馬Sは道中8番手以下追走馬が掲示板を独占した追い込み決着
●25年ターコイズSは内寄りの枠番を引いた二桁人気馬2頭を含む非上位人気馬4頭が1〜4着まで占める内有利決着
●26年小倉牝馬Sは8枠の2頭によるワンツーという外枠有利決着
●26年中山牝馬Sは1〜2枠の3頭によるワンツースリーという内枠有利決着

開催終盤だからこそ前残りが穴パターンに

そうした極端な戦法を採る馬の中でも、今回のような開催終盤のタイミングだからこそ前に行く馬(逃げ馬&番手馬)を狙うのも一手と見ます。2年前までは春の東京開催で最後に行われる芝重賞はエプソムCでしたが、そこでは毎年の様に開催終盤ならではの外の方が伸びやすい馬場≒差し有利の馬場となっていました。だからこそ差し馬に乗る騎手が悠長に乗り過ぎてしまって前を甘やかし過ぎて結果的に前残り決着が頻発するという逆転の傾向が発生していました。

実際に16年から24年の9年間のエプソムCでは、内4年で逃げた馬が人気薄で好走して、さらに内5年で道中2番手追走馬が人気薄で好走するという決着となっていました。


■データ2 今月の東京芝の重賞オープン競走の脚質別成績

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
平地・逃げ 0- 3- 0- 0/ 3 0.00% 100.00% 100.00% 0 1196
平地・先行 2- 0- 0- 8/10 20.00% 20.00% 20.00% 267 75
平地・中団 1- 1- 1-15/18 5.60% 11.10% 16.70% 15 25
平地・後方 0- 0- 1-11/12 0.00% 0.00% 8.30% 0 30

今年の開催終盤の東京芝の重賞オープン競走でも安田記念・ジューンS・パラダイスSと逃げ馬が連続して穴をあけており、府中牝馬Sでも繰り返される可能性は大いに考えられます。

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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