ここ最近は木曜日の気温が下がることの多い栗東ですが、今週の木曜日は調教開始時の気温が1℃。調教中は小雪が舞うこともあり、12月に入って、いよいよ本格的な冬が近づいてきたという感じがします。
・美浦坂路「±0.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.1秒が2頭。そのうちの1頭はチャンピオンズCに出走予定のシックスペンスだったので、調教映像でその動きを確認できましたが、余裕のある動き。馬場の良い時間帯だとある程度時計は出る印象です。よって、先週の馬場差「±0.0秒」と同様の馬場と判定しました。
・美浦DコースW「+0.4秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.7秒。今週から中山開催ということで右回りとなりましたが、その影響もあってか、先週よりも時計が出ていない印象があります。先週の馬場差が「+0.2秒」だったので、今週はそれ以上に時計を要する馬場という判定にしています。
・栗東坂路「+0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.6秒が2頭。うち1頭はチャンピオンズCに出走予定のサンライズジパングです。調教映像も確認したところ、混雑する中でかなり活発な動きができていました。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、今週は少し時計を要する印象です。
・栗東CコースW「+0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.9秒。かなり速い数字になりましたが、時計上位が抜けて速い数字をマークしている印象。先週の馬場差は「+0.1秒」でしたが、今週は全体として、ごく標準的な馬場かなという感じがします。ラスト1Fが時計を要している馬に関しては、少し動きが物足りないと判断してよいというのが、実際に追い切りを見ていての印象です。
中山 11R ステイヤーズS【ヴェルテンベルク】
今年6月に3勝Cを勝って、近2走の重賞では9着、7着。この結果をどう捉えるかですが、前走は中団からのレース。馬群に突っ込む形になっても最後までしっかり走り抜くことができた、という意味では収穫の大きなレースでした。宮本博調教師は「(松若)風馬(騎手)が気に入ってくれている」というコメントから、馬とジョッキーの相性の良さも感じます。坂路での最終追い切りの素軽い動きからも絶好調だと推測することができます。

調教動画はJRA-VANアプリでチェック
阪神 9R さざんか賞【トップアタック】
強気の競馬で押し切った前走。この距離なら、スピードを発揮することが現状で最大パフォーマンスに繋がります。中1週ですが、坂路で4F目最速ラップを踏む最終追い切り。開幕週の馬場ということを考えれば、当然ここでも逃げるレースを期待します。
阪神 11R 鳴尾記念【ウエストナウ】
団野大成騎手が騎乗した前走が鮮やかなレース。追い切りの時点から手の合うジョッキーという印象でしたが、今回の方がより信頼関係が強固になった印象。その理由が最終追い切りのCWで、道中きれいなラップを踏みながら、ラスト1Fが11.4秒の最速ラップ。素晴らしい動きを見せてくれましたし、前走以上のパフォーマンスを期待できるでしょう。

中京 3R 3歳上1勝C【マテンロウミラクル】
6月の阪神以来のレースとなりますが、11月の東京で除外。京都で使うことも検討されましたが、左回りがベストということで中京まで待機しています。十分すぎるくらいに乗り込んでいて、最終追い切りは坂路で4F目12.7秒の最速ラップ。状態は万全といってよいでしょう。
中京 11R チャンピオンズC【ラムジェット】
前走みやこSは本来の末脚を最大限に発揮するためのレースに徹しての4着。他馬に合わせるのではなく、自分のタイミングで動くことが素晴らしいパフォーマンスに繋がるタイプです。最終追い切りの坂路ではフットワークが大きいので、4F目最速ラップは踏めなかったものの、4F52.6秒は自己ベスト。これだけの時計が出るようになったのは、現状の体の使い方が進化したから。ペースに依存する部分はありますが、最後の直線は素晴らしい脚を使ってくれるはずです。

12月3日(水)・栗東CW レミージュ【7時45分】
7時30分から1回目のハローが入る直前の8時前の時間帯は最も時計が出にくい馬場状態ですが、そんな中でラスト2Fが11.0秒、11.1秒。2F22.1秒は3日(水)のベストですから、申し分ない脚力です。
12月3日(水)・栗東CW ブルーミンデザイン【11.8秒、10.8秒】
2回目のハローが終了した時間帯だったので、決して時計が出ないわけではありませんが、それでも10.8秒という数字は素晴らしかったと思います。手応えが楽だったことも評価の対象となっています。
調教動画はJRA-VANアプリでチェック

ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

| 記事に紹介されているような分析が自分でできる! |
| あらゆる切り口で競馬データを分析可能! |