先週も木曜日の気温が低かったのですが、今週も27日の木曜日が調教開始時点での気温4℃。ただ、先週と同じく、時間の経過で気温が上昇してきましたが、季節は少しずつ冬に向かっているという感じはします。
・美浦坂路「±0.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.3秒。馬場自体は水分を含んでいたようですが、時計上位を見てみると、決して時計を要する馬場という印象はありません。先週の馬場差が「±0.0秒」だったので、今週も同様の馬場という判定にしました。
・美浦DコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.3秒。先週の一番時計は5F64秒台でしたが、今週は1頭だけ63秒台。この数字は速いものの、64秒台自体はかなり少なっていて、これは26日(水)が全休日明けだった影響もあるでしょう。先週の馬場差が「+0.2秒」だったので、今週も同じ馬場という判定しています。
・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.1秒。4F50秒台が4頭もいたので、全休明けということを考えると、ある程度時計が出る馬場だったと判断してよいでしょう。先週の馬場差は「+0.2秒」だったので、それよりも基準に近い馬場という判定にしています。
・栗東CコースW「+0.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.4秒。追い切り頭数が少なかったこともあり、5F65秒台もかなり少なくなっています。馬場状態としては先週の馬場差「+0.1秒」とあまり変わりない印象。ただ、追い切りが集中した27日(木)は水曜日よりも時計を要する馬場という印象があったので、そこは頭に入れておいてください。
東京 11R キャピタルS【ジュンブロッサム】
友道康夫調教師が「今回は放牧から帰ってきた時から違う」というくらい状態が良くて、CWでの追い切りも落ち着いて走ることができている印象。最終追い切りの坂路でも2F24.5秒で4F目12.2秒の最速ラップ。そもそも、富士S4着だけ走れば、このメンバーならあっさり勝っても不思議ないわけです。
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京都 3R 2歳未勝利【リアンマヒナ】
田口貫太騎手が跨った、CWでの1週前追い切り。先行していたので、先着したのは当然として、追い出してから鋭く伸びて、最後の直線は11.5秒、11.0秒。この動きを見た直後、高橋一哉調教師にお話しを伺うと「前走後の休養ですごく馬が良くなりました」とのこと。前走から距離1F短縮もプラスです。
京都 11R 京都2歳S【ウイナーズナイン】
中山遠征の芙蓉Sで結果を出しており、キャリア2戦でもいろんな経験ができています。これに加えて、週末の栗東坂路での追い切りが着実に動くようになっており、11月23日(日)は2F24.7秒、1F11.8秒。脚力が鋭さを増していますし、最終追い切りのCWでも軽快な走りが目立ちました。
東京 12R ジャパンカップ【ダノンデサイル】
英インターナショナルS以来のレースとなりますが「調整はしやすかった」と安田翔伍調教師。11月5日(水)に栗東坂路で4F50.3秒をマークして、自己ベストを更新。1週前追い切りのCWでは戸崎圭太騎手が跨って、ラストは止まってもいいくらいの負荷をかけるということで6F78.2秒。これらの下地があるからこそ、最終追い切りのCWでは楽々と6F81.3秒をマークできるわけです。4F49.7秒、1F11.4秒にも驚きでしたが、そんなハードな時計でも追い切り後はケロッとしているそうで、ポテンシャルの高さは間違いなくワールドクラスです。

京都 12R 京阪杯【エーティーマクフィ】
武英智厩舎なので、11月22日(土)に栗東坂路で4F50.1秒をマークしていましたが、最終追い切りでも強い負荷。富田暁騎手が跨り、ヒルノハンブルクに先行して先着。2F24.5秒、1F12.2秒が素晴らしく速く、7時48分という、追い切った時間帯を考えても、非常に価値のある時計だと思います。
11月26日(水)・栗東坂路 スズハローム【7時50分】
エーティーマクフィの2F24.5秒が7時48分で価値があると記したのですが、こちらはそれよりもまだ遅い時間で2F24.2秒。4F目11.9秒も速いラップですから、さすがの脚力といったところです。
11月26日(水)・栗東CW カラペルソナ【11.3秒、11.1秒】
クロワデュノールと併せたので、さすがに遅れてしまいますが、ラスト2Fのラップは2歳牝馬としては極上の内容。前走勝ち上がってからレース間隔はあいていますが、切れ味には磨きがかかっている印象を受けます。

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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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