先週から一変して、気候的に過ごしやすい日々が続いている栗東。水曜日などは曇り空ということもあったのか、日中でも気温が上がることはありませんでした。心なしか、馬も活発に動いているような気がするだけに、夏の暑さに苦しんでいた馬が今の気候で一変する、なんてことがあっても不思議ではありません。
・美浦坂路「-0.1秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.3秒。4F51秒台の頭数が先週の17日(水)、18日(木)の2日間よりも増えていて、馬場差が「+0.3秒」だった先週よりも確実に時計の出やすい馬場。ただ、極端に速いわけではなく、基準より少し速い程度の馬場状態と判定しました。
・美浦DコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.1秒。こちらは先週の馬場差「+0.2秒」と比較して、あまり大差ない印象。少し基準に近くなったかなという感じもしましたが、一応、先週と同じ馬場と判定しています。
・栗東坂路「+0.1秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.5秒。このところ、基準よりも少し速い馬場が続いていましたが、先週からウッドチップの入れ替え工事がスタート。その影響もあってか、今週は先週の馬場差「-0.2秒」よりも時計を要していて、基準よりも少し時計を要する馬場という判定にしています。
・栗東CコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F60.8秒。この数字は記憶にないくらい、とんでもなく速いので、例外と考えてよいでしょう。ただ、二番時計も5F63.1秒と速く、ここだけを見ると基準より速そうですが、全体を見ると先週の馬場差「+0.3秒」から大きく変化はありません。
阪神 3R 2歳未勝利【フォーゲル】
前走、J.モレイラ騎手が騎乗して、逃げて2着。これで前受けが上手になったのか、最終追い切りのDPではかなり遅いラップを踏んでゆっくりと走り、ゴール前でしっかりと伸びる走りを披露。レースでもこのラップを踏むことができれば、後続を完封できることは間違いないでしょう。
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阪神 11R シリウスS【エナハツホ】
阪神ダート2000mは仁川Sで2回経験があり、2024年にメンバー最速上がりを使った時の最終追い切りがCW3F36.4秒。後方ままで終わった今年は3F37.9秒ですから、今回の3F36.0秒が好走時と凡走時のどちらに近いかは明白。むしろ24年仁川Sよりも速い時計ですから、ペースが速くなれば、着順を上げる末脚を使うことができそうです。
中山 9R サフラン賞【アルバンヌ】
デビュー戦は阪神マイル。1/2馬身差2着でしたが、相手はフェスティバルヒル。新潟2歳S3着馬を相手に互角の競馬ができていたことを思えば、前走の単勝1.2倍の支持を受けて1着は当然の結果でしょう。前走同様、美浦での調整ですが、最終追い切りの美W6F時計は81.8秒をマークして、初の81秒台。まだまだ強くなっています。
中山 11R スプリンターズS【ペアポルックス】
1週前追い切りのCWでは松若風馬騎手が跨り、素晴らしいラップを踏んでいます。6F標識を15.0秒からスタートして、道中きれいな加速ラップを踏み、ラスト2Fが11.4秒、11.2秒。スピードの持続力に優れていました。最終追い切りの坂路でも淡々とスピードに乗っている走り。今の中山芝1200mにベストマッチだと思います。

阪神 11R ポートアイランドS【ブルーミンデザイン】
最終追い切りはCWでボルドグフーシュと併せ馬。この相手と最終追いで併せ馬を行った時は2戦2勝。いずれも先行して遅れないという内容でしたが、今回もまさにそれでした。前走は重賞で荷が重かったのかも知れませんが、ここは斤量が減ってのリステッド。しかも3勝Cを勝った時の阪神マイルなら、条件は整っています。

9月24日(水)・栗東坂路 テーオードラッカー【6時22分】
時計に出にくい時間帯でしたが、後半2Fが12.4秒、12.1秒で4F目最速ラップを踏み、2F時計は24.5秒。先週、障害試験を受けて合格して、今週の障害未勝利へ出走予定ですが、試験でもスピードあるところを見せていました。ただ、暑さが相当応えたようで、試験後は汗びっしょりの姿。涼しくなれば、と思っていましたので、今の気候ならちょうどいいはず。
9月24日(水)・美浦DW ホワイトドラゴン【14.0秒、12.6秒、11.0秒】
調教データをご覧いただくと分かりますが、10Fから7Fまでが999.9秒というデータ。この部分は歩かせて、6Fから時計を出すというのが、伊藤大士厩舎のパターンのようです。これにより、ラスト1Fで速いラップを踏む馬が続出しているので、このラップの踏み方には厩舎として注目すべきかも知れません。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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