井内利彰の追い切りジャッジ【神戸新聞杯他 調教診断】

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今週の栗東

今週は月曜日まで競馬開催があった影響で火曜日が全休日。よって、通常の水曜日とは異なり、追い切りは木曜日に集中しています。ここでは17日(水)の追い切りを参考した馬場状態を解説していますが、栗東に関しては18日(木)もほぼ同様の馬場と考えてよいと思います。

今週の馬場
9月17日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.3秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.2秒。追い切り頭数を考えると、この数字は妥当なところ。先週の馬場差は「+0.3秒」でしたが、それ以前から少し時計を要する馬場状態が続いており、今週も同じ感じだと思います。

・美浦DコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.9秒。追い切り頭数が少ないので、判定が難しいところはありますが、先週の馬場差は「+0.2秒」。坂路同様、基準よりも少し時計を要する馬場が続いているだけに、今週もほぼ同様の馬場と判定してよいでしょう。

・栗東坂路「-0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F51.0秒。思った以上に速い時計が出ている印象があり、これは全休日明けのひとつの特徴でもあるかなと思います。馬場差としての判定が難しい部分はありますが、先週の馬場差「-0.2秒」から大きく変わることはないかなと思います。

・栗東CコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.5秒。今の馬場状態、判定が非常に難しくて、楽に速い時計を出す馬もいれば、ゴール前一杯になるような馬もいます。これが馬の状態を示すとすれば、馬場はフラットに近い状態なのかも。先週の馬場差は「+0.5秒」でしたが、今週はそれよりも基準に近いと判定しています。

神戸新聞杯他
今週出走予定の追い切り注目馬

9月20日(土)

阪神 1R 2歳未勝利【レッドラージャ】

中京芝2000mでデビューしましたが、最後の直線で「あそこから伸びないんだ」という走りっぷり。半姉ルージュスタニングがダートで2勝挙げている点からも、即座に路線を変更してきました。レース間隔は詰まっていますが、調整は順調です。

阪神 1R 2歳未勝利【レッドラージャ】

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阪神 4R 阪神ジャンプS【ネビーイーム】

前走ソレイユジャンプSが1年1ヶ月ぶりの勝利。それを予感させてくれたのが、中間の調教で見せる落ち着いた仕草。追い切りでも遅い時計に見える動きでも無駄なことをしていない分、見た目以上に速い数字が出ています。スタミナ勝負の中山の方がよりパフォーマンスを上げることができる現状ですが、ここは連勝を期待します。

阪神 4R 阪神ジャンプS【ネビーイーム】

阪神 8R 野路菊S【アランカール】

福島の新馬戦は火曜日追い切りという異例のパターンで勝利。今回は休み明けでレース間隔があいた割に少ない本数で最終追い切りがDP。負荷としては緩い印象ですが、1週前追い切りのCWではセッション相手に動いていましたし、最終追い切りのDPでの反応の良さも目立っていました。良馬場、直線の急坂、これらをこなせば、G1の舞台が見えてきます。

阪神 9R 野路菊S【アランカール】

9月21日(日)

中山 11R オールカマー【ホーエリート】

1週前追い切りの美Wでの併せ馬。追走して外を回って、ゴール前で相手を突き放して先着。中山で4戦して1勝2着2回の適性の高さを見せているのは、この追い切りで見せた加速力だと思います。最終追い切りの美Wで前半がちぐはぐラップになったのは前走と同じ。ちなみに3勝Cを勝った時の最終追いも同じなので、全く心配ありません。

阪神 11R 神戸新聞杯【ライトトラック】

1週前追い切りのCW3頭併せは和田竜二騎手が跨り、闘志を見せる走りで3F36.1秒をマーク。最終追い切りはDPで単走ということもあり、かなりリラックスした走り。無駄なところで力を使っていないので、ゴール前の伸びが素晴らしく見えました。阪神の急坂を経験していないデメリットはありますが、2400mという距離は間違いなくマッチすると思います。

阪神 11R 神戸新聞杯【ライトトラック】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

9月18日(木)・美浦DW ディマイザキッド【5時22分】

ラスト4Fのラップが13.6秒、13.1秒、12.7秒、12.3秒。この時鑑定でもじわりと加速するラップを踏むことができるあたりが、ストロングポイントであるパワーある持続力でしょう。そういった条件なら重賞制覇も難しくないはずです。

ラップ別

9月18日(木)・栗東坂路 テーオーパスワード【13.0秒、12.5秒、11.9秒】

長期休養明けの前走を勝った反動どころか、ますます快調というところを見せたラップの踏み方。開門直後ではありましたが、4F51.9秒と全体も速い時計でまとめているところが素晴らしいと思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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