井内利彰の追い切りジャッジ【新潟2歳S他 調教診断】

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今週の栗東

先週は雨の影響もあって、酷暑も落ち着いていましたが、今週に入って、再び酷暑。栗東に関しては雨が降る日もなかったので、ダート馬場は砂塵が舞い、ウッドチップ馬場もかなり乾燥しています。

今週の馬場
8月20日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.2秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.5秒。この数字自体は先週よりも速くなりましたが、二番時計が52.2秒なので、先週までとほぼ変わりなし。その頭数も多くないので、先週の馬場差「+0.2秒」とほぼ同じ馬場差でよいと判定しています。

・美浦DコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.6秒。今週は5F64秒台の頭数が増えました。先週も書いたことですが、馬場の影響よりも意図的に速い時計を出すか出さないかということの方が大きいと思うので、馬場差としては先週の「+0.4秒」よりも少しだけ基準に近づいた判定にしました。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.1秒。4F50秒台の頭数がそれなりに多かったので、先週の馬場差「+0.2秒」よりは基準に近い馬場という印象。ただ、極端に走りやすい馬場ということもなかったので、先週と比べると軽い馬場ではなく、ほぼ基準通りの馬場という感じです。

・栗東CコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.3秒。今週は6F時計が80秒を切ってくるような追い切りも多数あり、先週の馬場差「+0.4秒」よりも時計が出る馬場ではないかなという印象。ただ、全体を見た時に極端に速い時計が多いわけでもなく、先週よりも少し基準に近づいたという程度の判定にしています。

新潟2歳S他
今週出走予定の追い切り注目馬

8月23日(土)

中京 3R 2歳未勝利【アパレイユ】

新馬戦は想定外の後方からのレースとなってしまいましたが、それでもメンバー2位の上がりを使って2着まで追い上げたところに性能の高さを感じます。デビュー戦の経験は今回に活きてくると思いますし、最終追い切りでは坂路で相変わらずの4F目12.0秒の最速ラップを踏むことができており、中京の急坂で他馬の末脚が鈍るようだとチャンスは増すでしょう。

中京 3R 2歳未勝利【アパレイユ】

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中京 5R 2歳新馬【ピエナブラック】

1週前追い切りが坂路4F54.3秒、最終追い切りが坂路4F56.0秒と地味な全体時計になっているため、人気にならないかも知れません。ただ、2週前追い切りは坂路4F50.7秒をマーク。この追い切りでやれば動くことが確認できたので、ここ2週がこのような時計になっているだけ。馬券的妙味があります。

8月24日(日)

札幌 11R キーンランドC【モリノドリーム】

昨年と同じ青函Sからのローテーションになりますが、昨年のキーンランドC4着と前走の最終追い切りは函館Wで単走。しかし、勝った24年青函Sは函館Wで併せ先着の最終追いでした。しかも昨年は中8週で4本の追い切りしかありませんでしたが、今回は中7週で6本。追い切りの密度も全く違うので、北海道シリーズで全5勝を挙げている本領を発揮できそうです。

新潟 10R 朱鷺S【グロリアラウス】

斉藤崇史調教師は「去勢して(セン馬になって)、集中して走ることができるようになりました」と2勝C、3勝Cを連勝した要因を教えてくれました。追い切りを見ていても、その走りは活発。最終追い切りのCWでの3頭併せもいつでも追い抜けますよ、という手応えで前に迫ってきて、最後も楽に並びかけました。まさに今が買い時です。

新潟 10R 朱鷺S【グロリアラウス】

新潟 11R 新潟2歳S【フェスティバルヒル】

デビュー戦の馬体重が438キロ。小柄とは言いませんが、現代牝馬としては決して大きくない馬格ですが、その分、バネを武器にして走るようなタイプ。それがCWでのラスト2Fの驚異的なラップになって表れており、最終追い切りでも11.2秒、11.1秒。新潟の馬場は間違いなくフィットすると思います。

新潟 11R 新潟2歳S【フェスティバルヒル】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

8月20日(水)・栗東坂路 セナマリン【5時54分】

4F50.6秒はこの日の四番時計となりますが、追い切った時間帯を考えると、一番時計の50.1秒(2回目ハロー明け)よりも高い評価をしてもよい数字でしょう。

ラップ別

8月20日(水)・栗東坂路 モンタルチーノ【13.4秒、13.0秒、12.2秒、11.8秒】

もともと追い切りでの動きが素晴らしい馬ですが、とはいえ、このラップは文句なし。4F50.4秒は二番時計タイの数字になりますし、短い距離ならすぐに重賞でも活躍できる脚力だと思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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