井内利彰の追い切りジャッジ【CBC賞他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東はとにかく暑い。夜になっても気温が下がることがなく、火曜日、水曜日は厳しい暑さが続きました。6日(水)は調教開始時点で28℃、尋常ではありません。ただ、木曜日は朝から雨が降り、気温自体はあまり上がらず、恵みの雨となりました。

今週の馬場
8月6日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「±0.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.2秒。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、時計の出方としては先週とほぼ同じ。遅い時計があまりないので、軽くて走りやすい馬場という印象があります。

・美浦DコースW「+0.4秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.8秒。この数字は先週よりもかなり速くなりましたが、二番時計以降に関しては、先週とほぼ同じ。先週の馬場差が「+0.5秒」でしたが、今週はそれよりも少しだけ速くなった印象。ちなみに先々週の馬場差と同じです。

・栗東坂路「-0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.2秒。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、それよりも速い時計が出ている印象。特に後半の2F時計の速さが目立っていますが、動き自体を見ていると、調子自体が良さそうという馬が多いので、単に速い時計が出る馬場というわけでもなさそうです。

・栗東CコースW「+0.4秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。この数字は先週よりも遅くなりましたが、5F64秒台の頭数は先週よりも増えた印象。ただ、65秒前半の頭数はあまり多くないので、先週の馬場差「+0.5秒」よりは少しだけ基準に近い馬場という感じに思えました。

CBC賞他
今週出走予定の追い切り注目馬

8月9日(土)

札幌 11R エルムS【テーオードレフォン】

最終追い切りは札幌ダート。昨年同レース3着時の最終追いは単走でしたが、今年は3頭併せ。一番外から抜群の手応えで追い抜いて、内から差し返そうとする相手に対し、ギアを一段上げて突き放しました。6F時計は速く、しかもそれを楽な手応えでマークできるところが◎。4角から最後の直線に向くところでの手前替えが実にスムーズで、よほど札幌がフィットするタイプなのでしょう。

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中京 4R 2歳新馬【ミッキーラヴィータ】

レースに向けた追い切りはすべて坂路。しかも4本しかなく、通常なら高い評価はしませんが、4本すべてが4F52秒台という安定感のある走りが魅力的。うち3本は2F24秒台で後半の脚力がしっかりしていますし、団野大成騎手が跨った1週前追い切りの併せ馬でも余力ある動き。この距離、そして新馬戦ならこの調教内容で勝ち切っても不思議ではありません。

8月10日(日)

新潟 7R レパードS【ハグ】

レース間隔はあきましたが、坂路でたっぷりと追い切りを積み重ねた上、CWでの追い切りも2本併用。最終追い切りのCWでは楽々と先行馬に追いついて、突き放す動きを見せていて、重量感ある走りはこれからダート重賞で活躍しそうなシルエット。左回り経験、実績もありますし、なにより中距離で結果を出している馬ですから、ここは楽しみしかありません。

中京 4R 2歳新馬【カラペルソナ】

CWでの最終追い切りは予定よりも時計が遅くなりましたが、ゆっくり走ることに対して従順だった点、そして加速を促してからの反応の良さを見るかぎり、時計ではなく動きで評価できる走りだったと思います。追い切り後の馬体を確認しても細くは感じなかったので、この体でレースができれば、まず勝ち負けだと思います。

中京 4R 2歳新馬【カラペルソナ】

中京 7R CBC賞【メイショウソラフネ】

追い切り抜群と思った前走はここでも推奨しましたが、結果は13着。敗因について酒井学騎手に伺ったところ「陣営は素晴らしい状態と言って送り出してくれて、返し馬でも状態の良さを感じたのですが、ゲートが開いてからの進み具合が悪くて」ということだったようです。気持ちにムラがあるとのことで、レース当日にその気になってくれるかどうかが鍵ですが、最終追い切りの坂路4F51.4秒、2F24.3秒、1F12.1秒の動きを見せられると、やっぱり今回も狙うしかありません。

中京 7R CBC賞【メイショウソラフネ】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

8月6日(水)・栗東坂路 ヤマニンアルリフラ【5時28分】

6日(水)、1F11.7秒以下のラップを踏んだ馬は8頭いましたが、その中でも最も馬場が踏み荒らされた時間帯の追い切りは本馬。重心が低くて無駄な動きがないので、ゴール前でも走りが乱れることなく、まっすぐに駆け上がってきます。状態は引き続き好調です。

8月6日(水)・栗東坂路 ヤマニンアルリフラ【5時28分】

ラップ別

8月6日・栗東CW ブルーミンデザイン【11.4秒、10.9秒】

6F標識から15秒を切るラップを踏んだこともあり、6F78.9秒と速い全体時計。にもかかわらず、最後の直線では上記のラップ。直線で0.5秒も加速して、なおかつ10秒台へ突入して、しかもまだ手応えは楽。この日のCW追い切りでは群を抜いて、良い動きだったと思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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