井内利彰の追い切りジャッジ【アイビスサマーダッシュ他 調教診断】

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今週の栗東

日中はもちろん、夕方になっても雨が降らない栗東。Bコース、Eコースのダート馬場はパサパサに乾燥していて、ハロー掛けになると砂塵が舞って、他コースの追い切りが見えなくなるくらい。一時的でよいので、もう少し雨が降ってくれればという感じはあります。

今週の馬場
7月30日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「±0.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.2秒。先々週が雨の影響を受けた馬場、そこから回復した先週の馬場差は「+0.3秒」。今週は全体的な時計を見渡すと、ほぼ基準通りの馬場状態に戻ったと判定してよいでしょう。

・美浦DコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.7秒。雨でも晴でも馬場状態にあまり変化がありませんでしたが、今週も良馬場で時計の出方としてはこれまでとほぼ変わりません。先週の馬場差は「+0.4秒」でしたが、今週は少しだけ先週よりも時計を要する馬場になりました。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.6秒。他にも4F49秒台が2頭いて、時計上位は速い数字が目立ちました。ただ、51秒台の頭数は通常時とさほど変わった印象はなく、先週の馬場差「±0.0秒」とほぼ同じ判定でよいと思います。馬場差は同じですが、微妙なところでは、先週より気持ちだけ速い馬場ということも付け足しておきます。

・栗東CコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.3秒。先週の馬場差は「+0.5秒」でしたが、ここ最近はこの馬場差ですごく安定した状態になっている印象。今週に関しても同様の馬場差で判定してよいかなという感じ。ただ、決して走りにくい馬場という印象はありません。

アイビスサマーダッシュ他
今週出走予定の追い切り注目馬

8月2日(土)

中京 7R 豊明S【トワイライトシティ】

桜花賞以来のレースとなりますが、坂路での追い切り本数は十分足りています。そして1週前追い切りが54秒台、最終追い切りが55秒台というパターンは新馬、アネモネSを勝った時と同じ。速い時計でないことで、休み明けで足りないと思われるかも知れませんが、むしろこのパターンで力を出せる状態が整っていると判断すべきです。

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8月3日(日)

札幌 11R クイーンS【フィールシンパシー】

前走府中牝馬Sは追い切りの動きが目立っていたので、重い印を打って注目していましたが、14着と惨敗。中8週にしては追い切り本数が少なかったり、最終追い切りが単走だったりしたことが462キロという馬体重増になったのかも知れません。今回は中5週で十分な調教量。1週前追い切りの函館Wでは4F51秒台をマークしており、タイトな立ち回りが期待できる、機動力ある状態だと思います。

新潟 7R アイビスSD【コラソンビート】

前走が最終追い切り坂路で3着。同じパターンですが、4F目のラップが11.9秒から11.5秒と0.4秒も速くなりました。前半がちぐはぐラップになってしまいましたが、そこを差し引いても評価したい数字。4F52.5秒は自己ベストを更新していますし、スピードの絶対値で見劣ることはないでしょう。

中京 2R 2歳新馬【ケンタッキーホーム】

CWでの1週前追い切り。坂井瑠星騎手が跨って、6F80.5秒、3F36.2秒、1F11.5秒は優秀な時計。併せ馬で先着した内容から、気持ちの面においても初戦から動くことができる状態が整っています。最終追い切りの坂路では前半がちぐはぐラップになってしまいましたが、ゴール前の余裕ある動きは良かったと思います。

中京 2R 2歳新馬【ケンタッキーホーム】

中京 8R 納屋橋特別【ディアナザール】

新馬勝ちしたベレシートと併せた2週前追い切りの時点で当欄に取り上げることは決めていましたが、CWでの最終追い切りの動きを見ると、もっと良くなっています。道中きれいな加速ラップを踏みながら、ラスト2Fが11.4秒、11.1秒。このラップを踏むことができるということは、ここだけではなく、将来的に重賞も勝てるようなポテンシャルだと信じます。

中京 8R 納屋橋特別【ディアナザール】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

7月30日(水)・栗東坂路 メイショウタマユラ【5時50分】

410キロ台の華奢な牝馬のはずが、この時間帯に4F52.5秒をマークして、後半2Fは12.5秒、12.3秒で4F目最速ラップを踏んでいます。この時季がよほどフィットしているのか、体調も良いのでしょう。次走は注目です。

ラップ別

7月30日(水)・美浦DW ディヴァインスター【11.5秒、11.3秒】

前半が遅い入りであることはもちろんですが、それでもラスト2Fでこのようなラップを踏むことができないのが、美Wコース。瞬発力を見せたラップだと思いますし、やはり能力の高い馬だと思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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