19日の水曜日は調教開始時点では晴れていたものの、途中から雪が降る天気。水分がたっぷりなベタ雪だったため、積もるようなことはありませんでしたが、かなり強く降る時間帯もあり、調教VTRによっては馬の走る姿が見えにくいところもあると思います。
・美浦坂路「+1.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.4秒。先週の馬場差は「+0.2秒」でしたが、今週は雪の影響を受けて、かなり時計を要する状況になりました。あえて時計を出していないという追い切りもあったようですが、馬場差としては時計を要する馬場差に設定しました。
・美浦DコースW「+0.8秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.4秒。こちらも雪の影響を受けて、全体的に時計を要する状況となりました。ちなみに先週の馬場差は「-0.4秒」だったので、今週はまるで逆。時計を要する状態の馬場状態としています。
・栗東坂路「+0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.7秒。雪の影響はあったものの、4F50秒台の頭数が多くて、51秒前半も多かったので、決して時計を要する馬場だったという印象はありません。ただ、先週の馬場差「-0.6秒」よりは基準に近い馬場状態です。
・栗東CコースW「-0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.3秒。雪だけでなく、風も強い状況だったので、時間帯によってはかなり走りにくくなる場面もありました。ただ、馬場差としては時計上位に5F64秒台の頭数が多いこともあり、先週の「-0.2秒」よりも時計が出ているかも知れない印象を受けます。
中山 11R フラワーC【ホウオウガイア】
美Wでの1週前追い切りは併せ馬で遅れてしまいましたが、4F50.4秒は速い時計。最終追い切りの美Wでは4F時計が遅かったものの、動き自体には余裕ある動き。この調教内容なら、あらためて素質の高さを見直すことができるのではないでしょうか。
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阪神 11R 若葉S【タイセイリコルド】
最終追い切りは坂路での併せ馬。相手は愛知杯に出走予定のナナオで、いくら先行していたとはいえ、あれだけの手応えで相手を待てること自体、素晴らしいバランスです。時計は地味でも力強く走ることもできていますので、自分のリズムで道中を走った時はゴール前でとてもいい末脚を発揮してくれるはずです。
中京 11R ファルコンS【パンジャタワー】
1週前追い切りのCWは6F時計が77.7秒。古馬3勝Cを追走して、楽々と追いつく動き。もともと追い切りで動く馬とはいえ、ここまで走ることができたのは、2歳から3歳の成長でしょう。最終追い切りの坂路での併せ馬も素晴らしい反応。それでいて、今回が重賞を勝った距離ですから巻き返しは必至でしょう。

阪神 11R 阪神大賞典【ヴェローチェエラ】
2週前追い切りのCWでの併せ馬を見た時には、ここで推奨するとは考えられない動き。物足りなさしかありませんでしたが、1週前追い切りのCWではかなり動きが良くなりました。そして、最終追い切りの坂路での併せ馬では自ら動くことができていましたし、これなら前走物足りなかったものを埋めて、好走してくれるような気がします。

中京 11R 愛知杯【カピリナ】
前記したように、最終追い切りの美浦坂路は時計を要する馬場状態。2F24秒台をマークしたのはこの馬1頭しかいませんでしたが、その手応えは、超がつく楽なもの。ぜひ調教VTRで確認していただきたいですし、あの走りを見ていると、左回りはジャストフィットという印象です。
3月19日(水)・栗東CW エンツォウーノ【10時23分】
この日のCWで最後に追い切られた馬。それでいながら、2F22.0秒、1F10.9秒は破格のラップです。気性の難しさはありますが、潜在能力の高さはこのラップが示す通り。いつ2勝Cを突破しても不思議ありません。
3月19日(水)・栗東坂路 ルガル【13.8秒、13.0秒、11.9秒、11.8秒】
テンから14秒を切るラップを踏んでいるにも関わらず、道中は併せた相手の真後ろでじっと我慢。3F標識を過ぎたところで前を追走すると、ぐんぐんと加速してこのラップ。4F50.5秒も含めて、文句なしの時計です。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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