26日(水)は調教開始時刻の気温が4℃。最近の中では一番暖かい気候でしたが、少し風の強さは気になるような状況。24日(月)に雪は降ったものの、馬場に影響を与えるほどではなく、雨も降っていないので、ウッドチップは少し乾燥しているくらいかなと思います。
・美浦坂路「-0.1秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F50.6秒。4F50.9秒以下が多数いた先週に比べると、今週の50.9秒以下はこの1頭しかいないので、あまり速い時計は出ていません。ただ、基準よりも速い時計はそれなりの頭数がいるので、先週の馬場差「-0.2秒」とほぼ変わりない馬場状態で判定にしました。
・美浦DコースW「-0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.7秒。先週の馬場差が「+0.8秒」でしたが、これに比べると、かなり速い時計が出ています。これは馬場状態だけではなく、先週まで左回りだったところが右回りになったことも影響しているように思います。その点も考慮して判定しました。
・栗東坂路「-0.3秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.2秒。先週と同じ一番時計ですが、4F50秒台の頭数は先週よりも増えています。先週の馬場差は「-0.3秒」でしたが、ほぼ同じような馬場状態だと判定しました。
・栗東CコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.6秒。先週よりも一番時計は遅くなり、5F64秒台の頭数が少ない状況も先週と同じ。先週の馬場差は「+0.8秒」でしたが、65秒台の頭数から先週よりは基準に近い馬場状態という判定をしています。ただ、追い切った時間帯などで先週のように時計を要している印象がある追い切りもあったことは事実です。
中山 11R オーシャンS【ウイングレイテスト】
右回りで先週よりも時計が出ている美Wとはいえ、さすがにラスト1F11.3秒をあの手応えでマークできる脚力は魅力。4コーナーから最後の直線に向くところでも13.3秒、12.2秒と1.1秒加速してのラップですから、スピードが要求されそうな開幕週の馬場には最適な加速力だと思います。
調教動画はJRA-VANアプリでチェック
阪神 9R すみれS【パーティハーン】
1週前追い切りのCWでは3頭併せを最後方から追走して1頭には先着、1頭には遅れ。目立って追い切り動くタイプでもないので、友道厩舎の好走パターンである3頭併せという負荷が評価できます。最終追い切りは坂路で4F目最速ラップを踏むことができていますし、調教内容としては至極順調です。

阪神 12R 4歳上2勝C【バウンシーステップ】
2月20日(木)の1週前追い切り。坂路で2F23.9秒、1F11.6秒をマークしましたが、これが併せ馬でゴール前、相手を抜き去っていく時の脚力が「えぐい」という表現がぴったりな力強さ。休み明けになりますが、全く気にならない機敏さですし、そもそもこのクラスは卒業しなければいけない力の持ち主です。
中山 11R 中山記念【ソウルラッシュ】
ぜひともご覧いただきたい、CWでの1週前追い切り。追い切りで動くタイプではありますが、その想像を超越する素晴らしい走り。時計だけでなく、直に伝わってくる動きの迫力に圧倒されました。最終追い切りの坂路でもしっかり4F目最速ラップを踏むことができているので、これで負けたら、ごめんなさい。

阪神 11R チューリップ賞【フェアリーライク】
前走が強い勝ちっぷり。初めてのマイル戦になりますが、今回の最終追い切り、坂路での機敏な動きを見ていると対応できる走りだと思いますし、2F24.7秒、4F目12.3秒の最速ラップを踏んでいて、瞬発力も十分。前走のような競馬が理想でしょうから、内枠ならより好走確率が高まりそうです。
2月26日(水)・栗東坂路 ガンウルフ【8時1分】
2F24.6秒はこの時間帯では特筆もの。しかも4F目が12.1秒の最速ラップを踏んでいて、前半ゆったりしたラップを踏めば、後半のしっかりした末脚はOPでも通用しそうなものを持っています。
2月26日(水)・美浦DW サイルーン【12.7秒、11.4秒、11.1秒】
馬場のきれいな時間帯、馬場の中央という時計が出る状況であったことは間違いありませんが、それでも3F35.2秒は高く評価できる数字。右回りで逆手前という点が気になるものの、このラップを踏めたこと自体が素晴らしいと評価できます。
調教動画はJRA-VANアプリでチェック

ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

| 記事に紹介されているような分析が自分でできる! |
| あらゆる切り口で競馬データを分析可能! |