調教VTRをご覧いただくと分かりますが、19日(水)は軽く雪が積もった状態。18日(火)の調教中にも雪が降っていて、まだまだ厳しい寒さが続いています。ウッドチップの馬場状態については、ハロー掛けの後は時計が出るけど、それ以外は重たい印象というのが見た目に感じるところです。
・美浦坂路「-0.2秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F49.3秒。今週は一番時計だけが抜けて速いわけではなく、4F50秒台も3頭。しっかり時計を出そうとすれば出る馬場だという印象はあります。先週の馬場差は「-0.1秒」でしたが、微妙に先週より時計が速いという判定にしました。
・美浦DコースW「+0.8秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.9秒。先週よりも遅くなったのは時計上位だけでなく、それ以降の5F65秒後半の頭数が少なくなったあたりにも表れています。先週の馬場差は「+0.3秒」でしたが、今週は先週以上に時計を要する馬場という判定にしました。
・栗東坂路「-0.3秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.2秒。4F50秒台は他に4頭。先週まで同様、相変わらず時計の出やすい馬場状態が持続しているという印象を受けます。先週の馬場差は「-0.2秒」でしたが、今週はそれよりも時計が出るという、微妙な変化をつけています。
・栗東CコースW「+0.8秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.7秒。5F63秒台はこの1頭だけ、64秒台も少ない頭数でした。先週の馬場差は「+0.5秒」でしたが、今週はそれ以上に時計を要する馬場状態という印象。特に馬場が踏み荒らされてくると、馬場差以上に時計を要しています。
東京 11R ダイヤモンドS【ショウナンバシット】
前走アルゼンチン共和国杯は大崩れしましたが、そこからレース間隔をあけての立て直し。1週前追い切りのCWでは6Fからきれいな加速ラップを踏むことができており、自分のリズムで走ることができた時の脚の使い方はまさに長距離向きです。

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東京 9R ヒヤシンスS【ドラゴン】
前走の未勝利戦でポテンシャルの高さを発揮。そこから中4週ですが、疲弊することもなく、順調に追い切りを消化できています。最終追い切りはCWで前にいる同厩の古馬を追いかけて、最後は追いつかず。それでも楽な手応えで6F81.0秒、3F36.5秒をマークした点が評価できます。

東京 11R フェブラリーS【サンライズジパング】
プロキオンSから中3週というローテーションですが、最終追い切りは幸英明騎手が跨り、デルマソトガケとの併せ馬。4F51.4秒と速い時計をマークして、音無厩舎所属として最後の出走で万全の態勢を整えました。音無秀孝調教師が「トビが大きくて器用さがない」という馬の特徴を考えると、マイルという距離は短くてもワンターンの広い馬場はジャストフィットする可能性があります。

小倉 11R 小倉大賞典【ショウナンアデイブ】
前走中山金杯は7着とはいっても、勝ち馬から0.5秒差で健闘した部類。そこから調教内容は緩めることもなく、しっかりと負荷をかけられていて、週中の追い切りは2週続けて丸山元気騎手が騎乗。現状では直線平坦コースが向く印象ですし、連続しての重賞挑戦で慣れが出てくるところも魅力です。
2月19日(水)・栗東坂路 ウォーターエルピス【7時43分】
4F目11.5秒。これは19日(水)のベスト1位タイのラップでしたが、もう1頭は1回目のハロー直後の時間帯の追い切り。そういった意味では、こちらの11.5秒の方が図抜けて価値があります。4F53.7秒と全体時計もそれなりに速く、3歳牝馬とは思えない脚力です。
2月19日(水)・栗東坂路 ランヴェルスマン【13.6秒、11.3秒、11.1秒】
道中はきれいな加速ラップを踏みつつ、ラスト3Fのラップがこれ。幸英明騎手が跨っていたとはいえ、10時11分という時間帯も込みで高い評価ができるラップです。京都芝2400mへ出走予定ですが、瞬発力勝負で最上位評価できる動きでしょう。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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