井内利彰の追い切りジャッジ【チャンピオンズC他 調教診断】

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今週の栗東

まもなく12月ということで、今週はさすがに冷え込みが厳しくなりました。ただ、この時季になれば体調が上がってくる馬もいるので、そろそろ季節別成績を気にしたいところですし、太りやすい馬は馬体重も要チェックです。

今週の馬場
11月27日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.5秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.9秒。4F52秒台の頭数は先週よりも減った印象を受けます。さすがに53秒前半の頭数はそれなりにいるので、極端に時計を要する馬場というわけではありませんが、先週の馬場差「+0.3秒」よりも時計を要する状態だと思います。

・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.6秒。先週の馬場差は「+0.5秒」と時計を要する馬場状態でしたが、今週はそこまで時計を要する馬場という感じではありません。ただ、決して速い時計が出る馬場でもなく、ごく標準的な馬場だと思います。

・栗東坂路「-0.3秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.5秒。4F49秒台こそ出なかったものの、51秒前半の頭数がそれなりに多い状況。先週の馬場差が「-0.3秒」だったので、時計上位の並びをみると、同じような馬場と判定しました。

・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。先週に比べて、今週は5F64秒台の頭数がかなり増えています。先週の馬場差が「+0.2秒」でしたが、基準よりも時計を要する馬場状態という感じはありません。だからといって、速い時計が出すぎている印象もないので、ごく標準的な馬場という判定にしています。

チャンピオンズC他
今週出走予定の追い切り注目馬

11月30日(土)

中山 11R ステイヤーズS【ゴールデンスナップ】

3勝Cの身で重賞挑戦する形となりますが、結果的に2着が続いただけで、OP特別のタイランドCは勝ちに等しい内容。長距離戦においては、全く不安のない馬ですから、そろそろ1着という結果を得て、長距離戦の最高峰へチャレンジしたいところです。

中山 11R ステイヤーズS【ゴールデンスナップ】

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京都 5R 2歳新馬【ショウヘイ】

1週前追い切りはC.デムーロ騎手が跨っての3頭併せ。2歳2頭が相手だったとはいえ、追走して突き放す脚力を見せています。最終追い切りは坂路で軽く済ませていますが、このあたりは気性的なことを考慮していると思います。レース当日、パドックを落ち着いて歩くことができていれば、大丈夫でしょう。

京都 5R 2歳新馬【ショウヘイ】

京都 11R チャレンジC【アウスヴァール】

前走はハナを切らないと惨敗、という鳴尾記念と同じ結果。CWでの追い切りの動きを見ていても、とにかく自分のリズムで走ることが重要な馬。前走の結果で今回は絶対的にハナを主張してくれると思いますし、そうなれば京都は勝ち鞍がない、なんて実績はひっくり返してくれます。

12月1日(日)

中山 9R 南総S【フィオライア】

休み明けで追い切り本数は少ないものの、週中の坂路での追い切りは3本とも2F24秒台。4F目も11.9秒か12.1秒ということで、後半がしっかりしています。重賞になれば、追い切り本数の少ないことがウィークポイントになる場合もあるでしょうが、3勝Cなら突破してくれそうな脚力です。

中山 9R 南総S【フィオライア】

中京 11R チャンピオンズC【アーテルアストレア】

追い切りが地味なタイプなので、この時計がいいとか、この動きがいいと評価できるところはありません。ただ「ここに目標を定めて、栗東でじっくりと乗り込みました。これだけ栗東で時間をかけたのは今回が初めてかも」と橋口慎介調教師。その結果、馬の状態は素晴らしく良くなっているので、昨年とは違う結果を期待できます。

中京 11R チャンピオンズC【アーテルアストレア】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

11月27日(水)・栗東坂路 ネーブルオレンジ【9時5分】

1回目と2回目はハロー中間の時間帯。2回目のハローが入る直前の馬場が荒れた時間帯に2F目以降が13.7秒、12.6秒、12.5秒と力強いラップを踏むことができました。前走は新潟マイル勝ちですが、パワーのありそうな牝馬です。

ラップ別

11月27日(水)・栗東CW グロリアラウス【13.4秒、11.4秒、11.3秒】

決して、時計の出やすい時間帯ではありませんでしたが、そんな中で3F36.1秒が優秀と評価できます。道中はきれいな加速ラップを踏むことができていますし、脚がたまっているからこそのラスト3Fというところに価値があります。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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