井内利彰の追い切りジャッジ【マイルCS他 調教診断】

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今週の栗東

先週はひんやりとした栗東。今週は朝晩こそ、この季節らしい冷え込みですが、調教中は強い日差しを感じるような天気。気温もこの季節にしては高めですが、日向にいると、半袖でもいいくらいと思ってしまう暑さです。

今週の馬場
11月13日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.1秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.0秒。4F51秒台の頭数は相変わらず多くありませんが、4F52秒台の頭数もかなり増えてきたので、先週の馬場差「+0.9秒」よりもかなり基準に近い馬場だと考えてよいでしょう。

・美浦DコースW「-0.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.4秒。久しぶりに5F63秒台が出たと思いますし、他にも2頭が63秒台。先週の馬場差は「+0.5秒」でしたが、ほぼ基準通りの馬場、むしろ基準よりも時計が出ているかも知れません。

・栗東坂路「-0.5秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.8秒。今週も4F50秒以下がいて、50秒台も多数。先週の馬場差は「-0.7秒」ということで、かなり基準よりも時計の出る馬場状態でしたが、今週もこれに近い馬場。ただ、上位時計を検証すると、先週よりは基準に近い馬場だと思います。

・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.4秒。5F63秒台、64秒台の頭数が多くなっていて、走りにくいという馬場イメージは全くありません。ただ、先週の馬場差「-0.2秒」よりは時間帯によって時計を要しているより印象があるだけに、全体的な馬場差としては基準に近い馬場差としました。

マイルCS他
今週出走予定の追い切り注目馬

11月16日(土)

東京 11R 東京スポーツ杯2歳S【クロワデュノール】

帰厩した翌週のCWでの追い切り。これがまずまずの動きを見せたことで、今回に関しては格好をつけた走りはできるだろうと予想しています。1週前追い切りのCWでは時計も速い内容でしたし、最終追い切りのゴール前の反応も悪くなかったと思います。絶好調ではないかも知れませんが、そこはポテンシャルの高さでなんとかできると思います。

東京 11R 東京スポーツ杯2歳S【クロワデュノール】

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京都 11R アンドロメダS【ジューンアヲニヨシ】

ここ2走、高い評価をしましたが、重賞では少し荷が重いのかも知れません。また、前走は得意の京都という評価もしていましたが、距離もこのくらいがベストなのかも知れません。最終追い切りの内容は相変わらず優秀ですから、ここはもう一度、狙ってみます。

11月17日(日)

京都 5R 2歳新馬【ロードレジェロ】

1週前追い切りのCW。古馬2頭を相手に最先着、時計が6F82.2秒、3F36.5秒、1F11.1秒と素晴らしい内容でした。最終追い切りは坂路で軽く単走でしたが、4F目が最速になるラップを踏むことができており、追い切り内容はいきなり走りそうな雰囲気です。

京都 9R 比叡S【インザモーメント】

画像はCWでの1週前追い切り。最内から手応えよく抜け出そうとする動きは抜群でした。そして、最終追い切りはCWで古馬OPエンペザーとの併せ馬でしたが、これを追走して、きっちり先着する内容。前走からレース間隔があいてしまいましたが、使ったところで結果を出せるように、しっかりと仕上げられていますから、ここは休み明けというよりも丁寧に仕上げてきたと評価したいところです。

京都 9R 比叡S【インザモーメント】

京都 11R マイルCS【オオバンブルマイ】

マイルCSの登録メンバーが発表される以前に、ぼんやりと予想した時点では考えてもいなかった馬ですが、画像の1週前追い切りのCWでの3頭併せが衝撃的な動きで最先着。ここで気になる存在となりましたが、最終追い切りの坂路での動きは引っ張り切れないくらいの手応え。雨が降った馬場に実績があることも踏まえて、ここで狙っておきたい馬ということで取り上げました。

京都 11R マイルCS【オオバンブルマイ】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

11月13日(水)・栗東CW ドウデュース【7時27分】

この日、2F21秒台をマークした馬は2頭いましたが、1頭は半マイル追い切りで2F21.8秒。しかも10.8秒、11.0秒とゴール前は失速でしたが、ドウデュースは11.0秒、10.9秒で21.9秒。前走、あれだけのパフォーマンスを見せておいて、「まだ良くなるのか!」と思わせてくれます。ぜひとも調教映像をご覧いただきたい動きです。

ラップ別

11月13日(水)・栗東坂路 ジャスパーノワール【13.7秒、12.5秒、12.3秒、11.7秒】

4F目の11.7秒はこの日のベストタイですが、それをこれだけ速いラップを踏んでマーク。重馬場や不良馬場で惨敗した過去の成績から、自分のリズムで気分よくスピードに乗せることが好走条件かも知れませんが、それが叶うようなら3勝Cが壁になるわけがありません。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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