今週の栗東は29日の火曜日から雨が降り、30日(水)もその影響が残るような馬場状態。ただ、調教時間中に雨が降ることはなく、むしろ後半の時間帯は陽射しが強く、少し暑さも感じるような気温でした。
・美浦坂路「+1.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.0秒。4F52秒台は一番時計を含めて5頭だけ。53秒台もさほど多くないので、先週の馬場差「+0.3秒」よりも確実に時計を要する馬場状態です。
・美浦DコースW「+0.7秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.1秒。5F64秒台はもちろん、65秒台の頭数もかなり少ない印象。先週の馬場差は「-0.2秒」と時計の出る馬場でしたが、今週は一転して時計を要する馬場。ラスト1Fに関しては上のクラスなら11秒前半も出るといった感じです。
・栗東坂路「-0.1秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.2秒。たっぷりと水分を含んだ馬場状態ではありましたが、ある程度の時計は出る馬場。ただ、先週の馬場差「-0.5秒」よりは時計を要する馬場となっており、基準に近い馬場といってよいでしょう。
・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒が2頭。5F64秒台の頭数は多かったものの、65秒前半の頭数はさほど多くありません。先週の馬場差は「-0.1秒」でしたが、雨の影響を受けた分、少し時計を要している印象ですが、それでもほぼ基準と変わらない馬場状態だと判定しました。
東京 11R 京王杯2歳S【パンジャタワー】
最終追い切りは坂路で単走。馬場の中央をまっすぐ駆け上がってきますが、乗り手はほぼ何もしていません。集中力を持続できるタイプだからこそ、この走りをできると思いますし、その結果が4F52.6秒。2F24.2秒、1F12.0秒は素晴らしい後半のまとめ方。10月17日(木)の坂路では4F52.1秒をマークして自己ベストを更新していますし、重賞が壁になるとは思えません。
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京都 11R ファンタジーS【スリールミニョン】
1週前追い切りにしても、最終追い切りにしても、走る姿勢がバランス◎。坂路でこの動きができることが直線に急坂のある中京競馬場でメンバー最速上がりをマークした動きとリンクします。これだけのバランスで走ることができれば、レース当日に雨が降ったとしても大きなマイナスにはならないでしょう。
東京 11R アルゼンチン共和国杯【メイショウブレゲ】
最終追い切りの映像を確認いただくと分かりますが、脚のピッチが素晴らしい速度になっています。道悪実績はさほど目立ちませんし、東京実績もありません。ただ、上がりのかかる馬場状態になった時はこの走りが大きな武器になると想定しています。
京都 9R もちの木賞【クァンタムウェーブ】
少しレース間隔があきましたが、追い切り本数は十分。格上相手のCWでの最終追い切りは一番後ろから追いかけたにも関わらず、楽々と先着して、6F78.4秒は30日(水)の一番時計でした。ポテンシャルの高さは間違いないでしょう。
京都 11R みやこS【ロードアヴニール】
前走大阪スポーツ杯は思わぬ逃げの形になって3着でしたが、当時の調教過程は反動が出るようなものではなく、次の上昇が見込めるものでした。最終追い切りがCWで6F82.6秒。中2週を考えると、やはり順調だからこの負荷をかけてきたと思いますし、今回はレースの流れに合わせて、自在なポジションでの競馬になると思います。
10月30日(水)・美浦坂路 クレセントウイング【7時22分】
そもそも時計の出にくい馬場状態でありながら、この時間帯に14.9秒、13.2秒、12.9秒、12.8秒と2F目以降に微加速してこのラップを踏めたことが優秀。パワーがある走りを期待できます。
10月30日(水)・栗東CW ガロンヌ【13.7秒、13.2秒、11.4秒、11.2秒】
49.5秒は30日(水)の4F時計ベストタイですが、そのラップの内訳が素晴らしい。さすがは未勝利勝ちからOP特別を勝った素質馬という感じがしますから、次はきっちり結果を出してくれるでしょう。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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