今週の栗東は23日(水)の調教開始前に雨。予報では一日中、雨が降るということでしたが、調教時間の後半には晴れて気温が28℃まで上昇しました。蒸し暑さも加わり、とても10月下旬とは思えないような中での調教となりました。
・美浦坂路「+0.3秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.1秒。一番時計自体は先週よりも遅くなっていますが、4F52秒台の頭数が先週よりもかなり増えました。先週の馬場差は「+0.5秒」でしたが、今週はそれより少し時計が出る馬場。とはいえ、基準よりも時計を要している状態は継続中です。
・美浦DコースW「-0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.8秒。5F62秒台が2頭いて、63秒台も2頭。かなり速い時計が出ている印象を受けるので、先週の馬場差「±0.0秒」よりも走りやすい馬場だと判定しました。
・栗東坂路「-0.5秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.7秒。9月下旬にウッドチップの入れ替え工事があり、それが馴染んで、走りやすい馬場状態になっているのでしょう。4F51秒前半の頭数も多く、先週の馬場差「-0.3秒」よりも更に時計が出る馬場という判定をしています。
・栗東CコースW「-0.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.1秒。5F64秒台の頭数がかなり増えて、65秒前半の頭数も多くなりました。先週の馬場差「+0.4秒」とずっと基準よりも時計を要する馬場状態が続いていましたが、今週はさすがにほぼ基準通りか少し走りやすい馬場だと判定した方がよさそうです。
東京 11R アルテミスS【カムニャック】
厩舎の期待が大きいからこそ、今回の休み明けは状態面で物足りなさを感じるとのことですが、それも追い切りごとに少しずつ解消。最終追い切りではしっかりと走ることができた上、6Fできれいな加速ラップを踏んでいます。
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京都 2R 2歳未勝利【ハヤテノツバサ】
デビューから2戦は札幌だったので、今回が初めての栗東での調整。よって、追い切り内容の比較はできないものの、担当者の話では札幌よりも馬が良くなっているとのこと。だからこそ、最終追い切りの坂路できれいな加速ラップが踏めたと思いますし、全体的な調教内容も評価したいところです。
京都 9R 萩S【ディアナザール】
週中はCW、週末は坂路という併用パターンですが、坂路が2本乗り。これが今の斉藤崇史厩舎のトレンドになっていて、中身の充実した追い切りを課せられているといってよいでしょう。最終追い切りはCWで6Fからきれいな加速ラップを踏むことができていますし、ここは連勝で決めてくれるでしょう。
京都 11R スワンS【アグリ】
1週前追い切りが坂路でジャスティンパレスと併せて、ブリンカーを着用。気持ちを高揚させての走りだったと思いますが、これが効果的。最終追い切りは活気ある走りで、ラップはきれいな加速となり後半2Fが12.4秒から12.3秒。この動きは評価したいところです。
東京 11R 天皇賞秋【ドウデュース】
いつもの調教パターン。CWでの1週前追い切りに武豊騎手が跨り、3頭併せを最後方から追走して最先着。最終追い切りはDPでしたが、どちらの動きも昨年の天皇賞(秋)の時よりも落ち着きが出た走りを見せています。最終追いの前半はラップの遅い箇所でもスムーズな走りを見せていて、レースでは自由自在の競馬ができるイメージです。
10月23日(水)・栗東坂路 ペレグリン【7時23分】
あと7分ほどでハローのため閉場するという時間帯。そんな中で12.8秒、12.6秒、12.0秒、12.7秒とすべて12秒台のラップを刻んで、4F50.1秒は間違いなくスピードの持続力がある走りだと思います。
10月23日(水)・美浦坂路 ラズベリームース【14.3秒、13.2秒、12.5秒、12.1秒】
ある程度、基準よりも時計を要する馬場状態の中で、これだけきれいな加速ラップを踏んで、4F52.1秒は価値があります。冒頭で紹介したように、この時計が一番時計ですから、今週の美坂でピカイチといってよいでしょう。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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