井内利彰の追い切りジャッジ【菊花賞他 調教診断】

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今週の栗東

今週は月曜日まで開催があった関係で、火曜日が全休。ただ、菊花賞、富士Sの特別登録馬に関しては火曜日も特別に調教ができるようになっており、水曜日の追い切りに備えた馬もいました。天気に関しては16日(水)が調教開始前に少し雨が降りました。

今週の馬場
10月16日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.5秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F50.9秒。これに4F51秒台が続き、52秒台もいたので、全休明け、通常の水曜日よりも追い切り頭数が少ないことを考えると、先週よりも速い時計が出ています。ちなみに先週の馬場差は「+1.5秒」でしたが、今週は先週よりは走りやすい馬場と判定しました。

・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。こちらも坂路同様、追い切り頭数を考えれば、時計上位は先週よりも速い数字。先週の馬場差は「+1.2秒」でしたが、こちらは坂路以上に先週との比較で速い時計が出ています。

・栗東坂路「-0.3秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.1秒。雨の影響を受けた先週は馬場差「±0.0秒」でしたが、全休明けの追い切り頭数が少ない中である程度の速い時計が出た状況を考えると、馬場は先週よりも走りやすくなっているのでしょう。

・栗東CコースW「+0.4秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.5秒。速い時計も出ていますが、全体的な時計の出方を確認すると、先週の馬場差「+0.4秒」と変わりない印象。雨の影響を受けているはずの先週も先々週と馬場差自体は変わらなかったので、そういった意味では安定した馬場になっているのかも知れません。

菊花賞他
今週出走予定の追い切り注目馬

10月19日(土)

東京 11R 富士S【パラレルヴィジョン】

安田記念、関屋記念を大敗したことで人気落ちになりそうな今回。東京マイルなら、ここ2走と同じ条件ということで軽視する方もいるでしょう。ただ、好走パターンとの追い切り比較という意味では、今回の最終追い切りは美W5F65秒台でここ2走よりも速く、ダービー卿チャレンジTと同じ。調教で狙うならば、そんな単純な理由でOKです。

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京都 11R オータムリーフS【エルゲルージ】

16日(水)の最終追い切りは坂路4F50.7秒。これが自己ベストを更新していて、ラップの詳細は14.0秒、12.8秒、12.0秒、11.9秒。4F目最速ラップを踏むことができている点は素晴らしいと思います。2走前と前走の違いは1週前追い切り。CWだった2走前が1着で、坂路だった前走は結果が出ていないことを思うと、今回のCWは評価できます。

10月20日(日)

京都 5R 2歳新馬【ヤマニンブークリエ】

先週までの追い切りでも動きが目立っていましたが、この最終追い切りは思った以上。併せ馬でかなり大きく追走したにも関わらず、最後は楽な手応えで先着。6F80.9秒はもちろん、1F11.1秒をあの手応えでマークしたところを評価したいと思いました。

京都 5R 2歳新馬【ヤマニンブークリエ】

京都 11R 菊花賞【エコロヴァルツ】

ここに取り上げた最大の理由は岩田康誠騎手が付きっきりでコンタクトをとっていること。画像は追い切りではなく、DPの普通キャンターですが、馬との折り合いをはかりながら2周乗っています。全馬が初めての3000mという距離を走るにあたって重要なのは人馬の呼吸。この日のキャンターを見て、菊花賞で一番スムーズな走りをするのがこの馬だと思いました。

京都 11R 菊花賞【エコロヴァルツ】

京都 11R 菊花賞【ウエストナウ】

こちらを取り上げた理由は1週前追い切り。CWで西村淳也騎手が跨って、併せ馬を追走した結果、マークした時計は6F77.1秒。これを13.6秒、13.6秒、13.7秒、13.0秒と13秒台を持続するラップを踏みながら最後の直線で11.7秒から11.5秒へ加速したところが魅力的。木曜日時点では2頭一歩も譲らない本命候補なので、ここでは異例の2頭紹介としました。

京都 11R 菊花賞【ウエストナウ】

新潟 11R 新潟牝馬S【ミスフィガロ】

札幌で久しぶりに好走して、栗東ではいつも通り、DPの追い切りを中心に調整。最終追い切りも順調でした。後方からのレースになるので、馬場や展開が大きく左右するタイプですが、今の新潟ならどちらもマッチするだろうとイメージしています。

新潟 11R 新潟牝馬S【ミスフィガロ】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

10月16日(水)・CW マテンロウムーブ【9時42分】

そこまで走りにくい印象があったわけではない時間帯ですが、2歳新馬ということを考えると、ラスト2Fの11.6秒、11.5秒は優秀。6F81.9秒と全体時計も速かったと思います。

ラップ別

10月16日(水)・栗東坂路 ハヤテノフクノスケ【14.9秒、13.3秒、12.6秒、11.8秒】

馬場の中央をバランスよく、まっすぐ駆け上がってきて、ゴールへ向かってグングンと加速していくラップを踏むことができました。スタミナをロスするようなフットワークではないので、長距離は向くと思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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