今週に入り、一気に涼しくなった栗東。25日(水)の調教開始前の気温は19℃と半袖では肌寒いくらい。先週の同じ時間帯と比べても全く違います。ただ、調教時間が後半になると暑くなってくるので、近年の9月らしい暑さはまだ続いています。
・美浦坂路「+0.4秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.9秒。4F51秒台はこの1頭、52秒台は6頭しかいません。ただ、53秒前半の頭数はそれなりにいたので、先週の馬場差「+0.3秒」よりも少し時計を要する印象という感じの馬場です。
・美浦DコースW「+0.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.9秒が2頭。5F65秒台の頭数もそれなりに多く、先週の馬場差「±0.0秒」とほぼ同じような馬場ですが、65秒前半の頭数を考えると、少しだけ基準よりも時計を要する判定にしています。
・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.6秒。4F50秒台が他に3頭。4F51秒台の頭数もそれなりにいるので、馬場状態の判定は非常に難しいところ。先週の馬場差「±0.0秒」だったので、全体的な時計の出方も考慮した上で先週と変わりなしという判断をしました。
・栗東CコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.8秒。この数字が抜けて速いだけで、二番時計は5F64.9秒となっています。相変わらず時計を要する馬場状態は変わっていません。先週の馬場差は「+0.4秒」でしたが、今週はそれよりも時計を要する印象もあります。今週に入って湿度の低い日が多く、その影響を受けているのかも知れません。
中山 9R 芙蓉S【ジェットマグナム】
前走は心房細動で度外視。デビュー戦の福島では強い勝ち方をしていますし、デビュー前に見せていた追い切り内容であれば、十分通用すると思います。最終追い切りの坂路でのラップの踏み方はちぐはぐで、まだ若さもありますが、人気落ちになりそうな、ここで狙います。
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中京 9R ヤマボウシ賞【アメリカンビキニ】
前走が圧巻のレースぶり。前走から坂路を2本乗るようになった結果が出たとすれば、それを継続している今回も強さは変わらないはず。距離延長を心配する方もいるでしょうが、坂路2本乗りでタフに仕上げられているはずです。
中京 11R シリウスS【ビヨンドザファザー】
500キロを超える馬体重ということもあり、冬場よりも夏場の方が結果を出しやすいタイプ。左回りがフィットして、長距離戦がベスト。それが結果として表れたのがマーキュリーCで、当時の状態をキープできています。最終追い切りのCWでの併せ馬で見映えしないのはいつものこと。時計的には合格です。
中山 11R スプリンターズS【マッドクール】
坂井瑠星騎手が跨った、9月20日(金)のCW追い切りは2F21.9秒。11.0秒、10.9秒というラップは文句なし。最終追い切りの坂路2F24.6秒も12.3秒、12.3秒というラップで集中した走りが印象的でした。夏場に弱いことを考慮して、あえて4月以来のレースを選択していますが、調教内容から推測できる状態に関してはほぼ満点だと思います。
中京 11R ポートアイランドS【エエヤン】
注目した最初の理由は逃げる脚質ですが、最終追い切りの内容を見て確定。美浦坂路で2F23.9秒をマークして、4F目11.9秒が最速ラップ。2F時計は自己ベストであり、9月25日(水)の2F時計のトップ。前半ゆったりしたラップを踏んだからこその23.9秒ですが、レースでもゆったりと逃げることができれば、最後まで止まらないと思います。
9月25日(水)・CW ガンウルフ【6時29分】
3F36.5秒が速い時計ですが、同じような時計をマークしている馬はほとんどが朝一番からハロー明け直後の時間帯での追い切り。馬場が閉まる直前でこれだけ動くことができるのは能力が高い証拠だと思います。
9月25日(水)・栗東坂路 ペアポルックス【14.4秒、13.3秒、12.4秒、11.9秒】
北九州記念は惨敗しましたが、やっぱり坂路での動きは文句なし。立て直してきましたが、この脚力は軽い馬場の方が発揮しやすいタイプなのかも知れません。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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