井内利彰の追い切りジャッジ【ローズS他 調教診断】

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今週の栗東

先週に引き続き、調教開始が5時30分の栗東。調教開始前は気温こそ25℃前後ですが、10日(火)、11日(水)はいずれも蒸し暑さを感じました。日中の暑さは相変わらず厳しく、まだ8月下旬の方が過ごしやすい日が多かったかもといった感じです。

今週の馬場
9月11日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.7秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.3秒。4F52秒台の頭数はかなり少なくなり、53秒前半の頭数も少ない印象を受けます。先週の馬場差「+0.5秒」よりも時計を要しているのは間違いないと思います。

・美浦DコースW「-0.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.5秒。極端に速い時計は出ていませんが、5F64秒台がそれなりにいて、65秒前半は多数。先週の馬場差「+0.2秒」で毎週、馬場が基準に近づいていましたが、今週は基準よりも速い馬場と判定しました。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F51.0秒が2頭。4F51秒台の頭数は馬場差が「-0.1秒」だった先週よりは少し落ち着いた印象。といっても、時計を要する馬場というわけではなく、ごく標準的な馬場になったという感じです。

・栗東CコースW「+0.4秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.8秒。先週よりも5F64秒台の頭数が増えています。逆に65秒台の頭数は減っているので、時計上位というくくりで判定すると、先週の馬場差「+0.3秒」に非常に近い馬場状態。ただ、65秒台が少ないので、先週よりは時計を要する馬場と判断しました。

ローズS他
今週出走予定の追い切り注目馬

9月14日(土)

中京 9R ききょうS【ウィルサヴァイブ】

最終追い切りは前走と同じくCW。道中きれいな加速ラップを踏むことができなかった前走に対し、今回は17.8秒、16.1秒、15.6秒、14.2秒、12.0秒、11.6秒ときれいな加速ラップを踏みました。テンゆったり走ることができて、後半に脚を使えたと思いますが、中京芝1400mにおいてはこれが重要な好走要因です。

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中京 11R ケフェウスS【ダンディズム】

前走七夕賞はめちゃくちゃ強い競馬をして4着。今は長距離よりもペースの流れる中距離の方がフィットするのかも知れません。今回は休み明けですが、最終追い切り坂路での2F時計、4F目最速ラップが同じようなレース間隔で勝っている小倉日経OPと同じ。好走できる状態にあります。

9月15日(日)

中京 9R 茶臼山高原特別【ヴェローチェエラ】

休み明けの札幌戦を勝って中2週。決して楽なローテーションではありませんが、最終追い切りがCWで6F77.4秒。6F時計は11日のベストですから、文句なしに速かったのは間違いありません。京都新聞杯3着という結果からも、すでに重賞で通用する能力があることは分かっています。それで2勝Cのレースなわけですから、ここは当然勝ち負けです。

中京 11R ローズS【タガノエルピーダ】

オークスの惨敗を度外視すれば、現3歳世代において、性別問わずに能力上位の評価ができることは間違いありません。前走をリセットして、CWでの追い切りの時計的負荷も強くした今回は、最終追い切りで弾んでいます。そして、道中はきれいな加速ラップを踏んでいます。主観的にも客観的にも推せる材料が揃っています。

中京 11R ローズS【タガノエルピーダ】

9月16日(祝・月)

中山 11R セントライト記念【ヤマニンアドホック】

美Wでの1週前追い切りの調教映像は皆様もご覧いただけると思いますが、追走する併せ馬で素晴らしい先着を見せました。最終追い切りに関しても、美Wできれいな加速ラップ。ダイナミックなフットワークなので、どうしても瞬発力では負けてしまいますが、中山芝2200mならその走り方が長所になると思います。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

9月11日(水)・美浦坂路 ネッロランパンテ【5時47分】

時間帯を考えると、2F目以降13.2秒、13.1秒、13.0秒という持続力が評価できるラップを踏んでいます。芝中距離で逃げるようなタイプですから、このような脚の使い方になると思いますが、長期休養明けの前走をひと叩きして、状態が良くなっている印象も受けます。

ラップ別

9月11日(水)・栗東坂路 ラヴァンダ【12.8秒、11.7秒、12.1秒】

併せ馬ということもあって、3F目区間は相手の動きを待つ形でしたが、それで11.7秒。4F目標識手前で仕掛けられていて、目一杯というわけではないものの、12.1秒でまとめています。1週前追い切りのCWでも素晴らしい動きを見せましたし、休み明けでも完璧な状態です。

9月11日(水)・栗東坂路 ラヴァンダ【12.8秒、11.7秒、12.1秒】

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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