井内利彰の追い切りジャッジ【セントウルS他 調教診断】

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今週の栗東

今週から調教開始が5時30分となった栗東。9月4日(水)の調教開始前の気温は22℃と過ごしやすくなりました。ただ、陽が昇り始めて8時を過ぎると、夏の暑さが戻ってきます。まだまだ暑さも気になりますが、少しずつ馬も過ごしやすい季節に移ろうとしています。

今週の馬場
9月4日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.5秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.0秒。4F52秒台の頭数は先週と同じような感じ。ただ、53秒台の頭数はそれなりにいたので、先週の馬場差「+0.8秒」よりも時計が出ている印象。よって、馬場差も先週より基準に近い判定としました。

・美浦DコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.4秒。5F63秒台はいませんでしたが、64秒台の頭数はそれなり。65秒台の頭数も先週よりも若干増えた印象なので、先週の馬場差「+0.3秒」よりも基準に近い馬場だと判断してよいでしょう。

・栗東坂路「-0.1秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.3秒。4F50秒台が他にも2頭いたので、先週よりも速い時計が出た印象。先週は馬場差「+0.2秒」でしたから、それよりは基準に近い馬場でしょう。52秒前半の頭数を考慮すると、むしろ基準よりも少し速い馬場と判定しました。

・栗東CコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.8秒。5F63秒台は1頭しかいませんでしたし、64秒台の頭数もあまり多くありません。ただし、65秒台の頭数は先週よりも増えており、先週の馬場差「+1.1秒」よりは大幅に走りやすい馬場に改善されており、基準に近い馬場と判断してよいでしょう。

セントウルS他
今週出走予定の追い切り注目馬

9月7日(土)

中山 11R 紫苑S【クリスマスパレード】

前走関東オークス9着は単純にダートが敗因。2走前フローラS4着だけ走っても馬券圏内だと思いますが、今回は水仙賞を勝った時と同じ、1週前追い切り美W、最終追い切り坂路のパターンに戻してきました。そもそも中山は2戦2勝ですし、この舞台でこそ「立ち回り上手」という長所を発揮できるでしょう。

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中京 3R 2歳未勝利【バズアップビート】

半姉ミントは2戦目のアルテミスS以降、気性的な問題で大成できませんでした。同じ心配をしましたが、牡馬ということもあって、こちらは大丈夫そう。ポテンシャルの高さは間違いないですし、ここは勝ち方が気になります。

中京 3R 2歳未勝利【バズアップビート】

中京 10R ムーンライトH【ルシフェル】

毎日杯以来の休み明けですが、阪神JFでは6着という結果を残した素質馬。「やっぱり走る馬」と感じさせてくれているのが、この中間の追い切り内容で、最終追い切りのCWでの3頭併せがまさにそれ。時計も素晴らしくて、6Fできれいな加速ラップ。ここで結果を出せば、秋華賞でも面白い存在になると思います。

中京 10R ムーンライトH【ルシフェル】

9月8日(日)

中山 11R 京成杯オータムH【サンライズロナウド】

15-15よりも速い時計になると、走ることを拒否してしまうという気性で、これまでは追い切りが難しかった馬ですが、現在は少しずつ改善している状況です。ですから、今回は調教映像がありますので、ぜひご覧いただきたいです(笑)。馬の状態に関しては「関屋記念の時よりも良い」という安田翔伍調教師のコメントも出ているように、スムーズに調整できていることで陣営は手応えを掴んでいます。

中京 11R セントウルS【ヨシノイースター】

近走はスタートが安定して、着順も安定するようになりました。6走前のCBC賞(中京芝1200m)10着、という凡走はスタートが敗因と考えてよいでしょう。前走同様、少しレース間隔はあきましたが、坂路での最終追い切りは4F目が最速になるラップ。力強さのある2F24.4秒なので、荒れてきた芝にも対応できるでしょう。

中京 11R セントウルS【ヨシノイースター】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

9月4日(水)・栗東坂路 メイプルギャング【6時13分】

毎度おなじみ、中竹和也厩舎ですが、この時間帯の4F51.2秒は文句なしに評価できる時計。そのラップは13.3秒、12.8秒、12.6秒、12.5秒で4F目最速ですから、これまた文句なし。やっぱり短距離馬だと思います。

ラップ別

9月4日(水)・美浦W アスコリピチェーノ【13.5秒、11.9秒、11.0秒】

先週の追い切りもそうでしたが、騎乗している北村宏司騎手が軽く体を動かすだけで馬も加速するという素晴らしい反応。それが11.9秒から11.0秒の加速にも表れており、11.0秒は4日の美Wラスト1F最速。休み明けでも文句なしの仕上がり状態でしょう。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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