先週までかなり暑い日が続いていましたが、今週に入って、少し暑さは和らぎました。特に28日(水)の午後は差すような暑さが普通の暑さに戻ったような気がします。このくらいの気温で進んでいくようなら、馬もかなり楽になると思います。
・美浦坂路「+0.8秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.6秒。一番時計が4F52秒台だったのは先々週。同じような馬場かと思いましたが、先々週は52秒台の頭数自体はそれなりにいました。そして先週の馬場差は「+0.2秒」でしたが、今週に関してはかなり時計を要する馬場状態だと思います。
・美浦DコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.6秒。5F64秒台の頭数も多くありませんが、65秒台はそれなり。先週の馬場差は「+0.5秒」でしたが、それよりも少しだけ基準に近い馬場状態だと思います。
・栗東坂路「+0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.4秒。4F51秒台の頭数は標準よりも少ない印象なので、馬場差としては基準よりも時計を要する馬場。先週の馬場差「+0.1秒」よりも少しだけ時計を要する馬場状態だと思います。ただ、開場直後など時間帯によっては基準通りと判断してよい場合もあるので、追い切った時間は気にした方がよいでしょう。
・栗東CコースW「+1.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.5秒。先週よりも一番時計の数字は速くなりましたが、先週の馬場差「+0.9秒」から時計が出やすい馬場になったわけではありません。むしろ、馬場差としては先週よりも時計を要する状態だと判断して、馬場差を算定しました。
札幌 11R 札幌2歳S【ニシノタンギー】
最終追い切りが札幌芝。併せ馬でしたが、あれだけ外を回りながら、5F63秒台は同じ時計をマークしている馬の中でも最上位評価できます。手応え自体も非常に楽でしたし、今の札幌芝に対する適性の高さも感じます。デビュー戦は6着ですが、勝ち馬はクロワデュノール。新馬戦の価値を高める走りに期待です。
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中京 5R 2歳新馬【サマーナイト】
この馬に注目したのが、1週前のCW追い切り。朝一番の時間帯だったとはいえ、古馬3勝Cを追走して一気に抜き去って大差先着。ラスト1F11.3秒は優秀でした。最終追い切りの芝馬場での時計は平凡ですが、動きが力強く、雨の影響を受ける馬場になっても大丈夫でしょう。
中京 11R 長篠S【タツダイヤモンド】
雨の影響を受ける馬場になれば、前走の不良馬場2着というだけで人気になるかも知れません。ただ、それを承知でも最終追い切りの坂路2F24.9秒、1F12.4秒は評価したい時計。追い切った時間帯が馬場の踏み荒らされた5時19分ですから、やはりパワーがある馬です。
新潟 11R 新潟記念【ジューンアヲニヨシ】
未出走の身で未勝利戦へ出走した時から注目していた馬ですが、前走が初重賞で12着。といっても、勝ち馬からは0.6秒差。しかもゴール直前は減速してくる2頭に挟まれるような形になり、追うことができませんでした。長い直線で追えば伸びるのは京都外回りの実績で分かりますし、今回の坂路での最終追い切りでもイメージできます。極端な瞬発力勝負は分が悪そうでしたが、雨の影響を受ける馬場になれば、パワーある末脚が大きな武器になります。
中京 11R 小倉2歳S【レイピア】
デビュー前から追い切りで素晴らしい時計をマークしていましたが、そんな素質をしっかりと見せつけた前走。今回の坂路での最終追い切りでも馬場が踏み荒らされた時間帯に2F24.8秒をマーク。雨の降る馬場になれば、より強みを発揮できると思います。
8月28日(水)・栗東坂路 ヤマトマンタル【5時55分】
新馬ですが、この時間帯に4F目12.2秒。最速ラップを踏むことができていますが、8月14日(水)のCWでも道中きれいな加速ラップを踏んでいて、脚をためることが上手なタイプ。これは新馬にとって大きな武器になると思います。
8月28日(水)・栗東坂路 エンペラーワケア【14.1秒、13.0秒、12.0秒、11.8】
4F50秒台が3頭いたので、決して時計の出ない馬場ではありません。ただ、これだけきれいに加速して、4F50.9秒は優秀というワード以外に評価の言葉が見当たりません。状態としては根岸Sの時に近い印象を受けます。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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