井内利彰の追い切りジャッジ【レパードS他 調教診断】

title

今週の栗東

先週までは夕方になるとゲリラ豪雨がありましたが、今週は雨自体が降っていません。その分、陽射しの強い日が多いものの、湿度が幾分下がっているのか、夜になると少し過ごしやすい印象です。

今週の馬場
7月31日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.4秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.7秒。先週よりは一番時計が速くなりましたが、全体的な時計の出方は相変わらず、基準よりも要している状態。ただ、先週の馬場差「+0.6秒」より、気持ち基準に近づいた馬場と判定しました。

・美浦DコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。先週の馬場差が「+0.6秒」でしたが、今週もほぼ同じような時計の出方。馬場差としては変わりなしの判定です。ただ、半マイルだと速い時計が出ているケースがあるので、そこは注意して判断して方がよいでしょう。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.8秒。3F時計は36秒台が6頭もいるので、時計の出る馬場と判定したくなるところ。ただ、4F時計の上位はほぼ基準通りなので、先週の馬場差「+0.2秒」から今週は馬場差なしという判定でよいでしょう。

・栗東CコースW「+0.7秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.9秒。この数字は先週よりもかなり速くなりましたが、この1頭だけが飛び抜けて速い数字。他は決して速い時計ではありません。ただ、先週の馬場差「+0.9秒」よりは基準に近い馬場かなという判定にしました。

レパードS他
今週出走予定の追い切り注目馬

8月3日(土)

新潟 11R 月岡温泉特別【オールセインツ】

1勝Cを勝ってから2ヵ月ほどレース間隔があきましたが、追い切り本数としては十分な量をこなしています。最終追い切りはDコースのポリトラック馬場になりましたが、デビュー戦がDコースの芝馬場での最終追いだったので問題なし。むしろ、デビュー前よりもバランスよく走ることができていますし、ここを勝って、菊花賞路線に乗ってほしい素材です。

新潟 11R 月岡温泉特別【オールセインツ】

調教動画はJRA-VANアプリでチェック

JRA-VANアプリをダウンロード

8月4日(日)

札幌 11R エルムS【ナチュラルハイ】

前走は函館で調整して、今回は早目に札幌入り。十分すぎるくらいに追い切りをこなしており、1週前追い切りの併せ馬で素晴らしい動きでした。最終追い切りも相変わらずですし、反応の良さは先週以上。札幌ダートでこれだけ動くことができれば、実戦でも楽しみです。

新潟 6R 驀進特別【バスドラムガール】

最終追い切りは坂路。2F目以降が13.2秒、12.4秒、12.3秒で4F目最速ラップを踏みました。2F24秒台は週末追い切りから連続ですし、もともとテンのスピードがあるタイプで追い切りがこれだけしっかりした後半2F時計で動けていれば、直線競馬は向くと判断したいところです。

新潟 7R レパードS【バロンドール】

1週前追い切りはCW6F時計の自己ベストを更新する79.8秒。道中がきれいな加速ラップを踏んでいて、素晴らしい追い切りでした。最終追い切りの坂路は4F54.8秒と全体時計は地味でしたが、4F目標識で仕掛けられてから、ゴール直前で右手前を替えています。ここまで左回りを使い続けている効果が新潟で発揮できそうです。

新潟 7R レパードS【バロンドール】

新潟 11R ダリア賞【ユメシバイ】

最終追い切りは坂路。2F目以降のラップが12.8秒、12.8秒、12.7秒で4F目最速ラップを踏んでいます。前走の勝ち時計が1分11秒3と遅くなりましたが、このラップが踏めるということはスピード決着にも対応できるはず。距離延長にも対応できるでしょう。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

7月31日(水)・美浦坂路 ローブドゥマリエ【5時48分】

4F51.8秒はこの日の二番時計ですが、一番時計の追い切った時間帯が5時5分ですから、40分以上後にマークしたことに価値があります。ラストも大きく減速したわけではなく、JRAへ戻ってきた形ですが、以前よりもパワーアップしています。

ラップ別

7月31日(水)・CW カムニャック【11.3秒、11.0秒】

2週続けて取り上げてしまいましたが、2F22.3秒がこの日の2F時計トップ。2位はボッケリーニ、ハーツアズワンの22.4秒ですから、6F時計が多少違うとはいえ、いかに優れた脚力を見せたかということが分かります。

7月31日(水)・CW カムニャック【11.3秒、11.0秒】

調教動画はJRA-VANアプリでチェック

JRA-VANアプリをダウンロード

ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

TARGET frontier JV(ターゲット)

記事に紹介されているような分析が自分でできる!
あらゆる切り口で競馬データを分析可能!