井内利彰の追い切りジャッジ【フェブラリーS他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は水曜日がこの時季とは思えない気温の上昇。調教開始時刻こそ、この季節らしい寒さでしたが、ぐんぐんと気温が上昇して10時頃には20℃を超えていました。CW、坂路ともに速い時計が出ている印象がありましたが、こういった環境がそれを助長したかも知れません。

今週の馬場
2月14日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.1秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.1秒。4F51秒台は他に3頭。52秒台の頭数も先週よりも増えており、基準よりも時計を要していた先週の馬場差「+0.2秒」よりは時計が出ている印象。ただ、大きく馬場が変化したという感じでもありません。

・美浦DコースW「+0.1秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.8秒。先週に比べると、一番時計自体は先週よりもかなり速くなりましたが、全体的な時計の出方はあまり変わらない印象。先週は馬場差「+0.2秒」でしたので、それよりは基準に近い馬場という判定をしています。

・栗東坂路「-0.7秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.1秒。4F49秒台が他に2頭いたことで、単純な印象としてはかなり速い時計が出る馬場ですが、先週の馬場差が「-0.4秒」。先々週が-0.7秒でしたから、今週は先々週に似た時計の出方という感じがします。

・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.6秒。5F63秒台がもう1頭いて、64秒台は先週よりも増加。先週の馬場差「+0.5秒」よりは間違いなく時計が出る馬場で、基準との比較だと馬場差なしという判定でよい時計の出方だったと思います。

フェブラリーS他
今週出走予定の追い切り注目馬

2月17日(土)

東京 11R ダイヤモンドS【サリエラ】

最終追い切りは美W。3頭併せの一番内でしたが、調教映像だと最後の直線に入ったところでは逆手前のまま、外2頭に置かれてしまいます。ただ、ゴールが近づいてくると外2頭との手応えが逆転し、最先着にも見える動き。ラスト2Fが11.6秒、11.2秒ならそれも納得で、やはり相当なポテンシャルを持っている馬だと思います。

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京都 3R 3歳未勝利【アストラカ】

デビュー戦では1番人気に支持された馬。なかなか勝ち上がることができていませんが、使うごとに常識にかかるようになってきたというか、今回のCWでの最終追い切りが抜群。引き続き、団野大成騎手が跨ってくれるというところも強みになります。

京都 3R 3歳未勝利【アストラカ】

京都 11R 京都牝馬S【モズゴールドバレル】

CWでの最終追い切りは前半がゆったりしたラップではありましたが、3F36.1秒は文句なし。13.5秒から11.6秒、11.0秒の鋭い伸びは調教映像でも確認でき、集中力がある素晴らしい走りです。3歳春にはクイーンCにチャレンジするなど、もともと素質が見込まれていた馬。前走3勝Cを勝ったばかりという格下感はありません。

京都 11R 京都牝馬S【モズゴールドバレル】

2月18日(日)

東京 11R フェブラリーS【アルファマム】

前走根岸Sでも当欄で取り上げましたが、ペースが向かずの8着。それでもメンバー最速上がりを使ったところに重賞でも通用する能力を感じました。今回は中2週ですが、むしろ休み明けだった前走よりも霜月Sを勝った時と同じローテーションが評価できます。最終追い切りの坂路でも素晴らしい動きを見せましたから、あとは展開が向いて、ジョッキーの手腕が初マイルをサポートしてくれれば。

東京 11R フェブラリーS【アルファマム】

小倉 11R 小倉大賞典【ゴールドエクリプス】

2月7日(水)のCWでの追い切りが6Fからきれいな加速ラップを踏みつつ、ラスト2Fが11.8秒、11.4秒という素晴らしい脚。最終追い切りも坂路で4F目最速ラップを踏んでいて、後半2Fは12.3秒から12.1秒。小倉は3戦2勝、重賞3着1回の得意舞台ですので、短い直線でこそ、この馬の脚が活きます。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

2月14日(水)・栗東坂路 エトヴプレ【7時59分】

7時の開門から1時間の中での最後の追い切り。それでいて、13.6秒から入って、12.9秒、12.4秒、12.6秒。凄まじいスピードの持続性能だと思います。ベストは1200mかも知れませんが、とにかくパワーもあるスピードです。

ラップ別

2月14日(水)・美浦坂路 ロジアデレード【13.0秒、12.1秒、11.9秒】

14.1秒の入りは普通ですが、その後のラップは完璧。しかも2F24.0秒という速さは文句なし。前走が圧勝したレース内容も納得の追い切りでのラップの踏み方です。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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