井内利彰の追い切りジャッジ【共同通信杯他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は月曜日に雨が降った影響が残り、水曜日の時点でも水分を含んだ馬場状態となりました。ただ、雨が降った中での追い切りというわけではなかったので、時計が遅くなるといった影響はなかったように思います。

今週の馬場
2月7日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.2秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.7秒。先週とは違って、4F51秒台はこの1頭だけ。52秒台の頭数もそれほど多くありません。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、今週は時計を要する馬場に変化したと判断してよいでしょう。

・美浦DコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。先週と同じように5F64秒台の頭数が多め。ただ65秒台に関しては前半よりも後半が多い印象を受けるので、先週の馬場差「±0.0秒」よりは少し時計を要する馬場という判定にしました。

・栗東坂路「-0.4秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.4秒。4F50秒台の頭数が多く、51秒前半も多いところは、先週とよく似ていますが、4F目のラップが12秒後半や13秒台を要している馬がいるところが違います。先週の馬場差は「-0.7秒」でしたが、4F目が時計を要する馬場という点を考慮して、先週よりも基準に近い馬場差としました。

・栗東CコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.1秒。向正面から速いラップを踏んだとしても、能力が高い、好調といった馬であれば、最後の直線でもある程度速いラップでまとめることができる馬場。ただ、先週の馬場差「+0.5秒」と同じように基準よりは時計を要する状態です。

共同通信杯他
今週出走予定の追い切り注目馬

2月10日(土)

東京 11R クイーンC【テリオスサラ】

前走は出遅れで度外視なので、あらためて東京で見直し。最終追い切りは美Wで前半こそ、ちぐはぐラップになっていますが、ラスト3Fが12.8秒、12.1秒、11.9秒。3F36.8秒は抜群に速い時計です。今度こそスタートを決めて逃げることができれば、簡単には捕まらないと思います。

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京都 11R 洛陽S【リューベック】

2月1日(木)のCWでのラスト2Fが22.5秒。3Fも36.0秒と前半が遅かったとはいえ、勝負どころからの時計は高く評価できる内容でした。最終追い切りも坂路2F24.5秒で12.0秒。重賞でもやれるくらいの器だと思いますし、ここは結果が欲しいところです。

京都 11R 洛陽S【リューベック】

2月11日(日)

東京 10R バレンタインS【ペースセッティング】

前走後はノーザンFしがらきにリフレッシュ放牧へ出ていますが、帰厩してから、しっかりと追い切りをこなしています。1週前追い切り、最終追い切りともに坂路で2F24秒台。この時計が評価できます。

東京 11R 共同通信杯【ミスタージーティー】

1週前追い切りのCWでの併せ馬が圧巻。3コーナーでは落ち着いて前を追いかけていて、最後の直線に向いてから11.9秒、11.7秒。最終追い切りの坂路ではまっすぐ駆け上がって、ラスト2Fが12.3秒、12.2秒。トラックでも坂路でも動けているという意味で評価できますし、広々した東京でどんなパフォーマンスを見せるか楽しみです。

東京 11R 共同通信杯【ミスタージーティー】

京都 11R 京都記念【ルージュエヴァイユ】

超久しぶりだった右回りのエリザベス女王杯は2着。同じ舞台を選択してくるのは納得ですし、当時と同じ調教パターンなら、同じパフォーマンスが期待できるはず。1週前追い切りの美Wでの動きはもちろん、最終追い切りの坂路での併せ馬も抜群。重賞初制覇はこの舞台でしょう。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

2月7日(水)・CW ジェットモーション【7時58分】

朝一番の開門直後、ハロー明けなら、ある程度速い時計も出る馬場でしたが、本馬は馬場が閉門する直前に2F23.0秒。ラストも11.3秒ですから、追い切りで動く馬、内を回った、見習い騎手が跨ったという要因を除いても、やっぱり評価すべき時計です。

ラップ別

2月7日(水)・美W イルーシヴパンサー【14.4秒、12.3秒、10.8秒】

ラスト1Fで10秒台をマークしたのはこの馬だけ。もちろん、前半がゆっくりだったということはありますが、ラスト3Fの1Fごとの加速力は文句なし。やっぱり武器は一瞬の切れ味でしょう。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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