井内利彰の追い切りジャッジ【日経新春杯他 調教診断】

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今週の栗東

今週は月曜日まで開催があったため、火曜日が全休。通常なら追い切りが集中する水曜日は日程的にこの日に追い切らないとレースまでの間隔が詰まりすぎてしまうような馬が、追い切りを行っています。気温に関しては、この季節らしい、厳しい寒さとなりました。

今週の馬場
1月10日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.3秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.4秒。追い切り頭数自体が少なかったことで、4F51秒台がおらず、52秒台も少ないという状況だったと思います。ただ、4F目のラップを要している馬も多く、馬場自体は先週の馬場差「+0.3秒」と変わらず、基準より重い状態だったと思います。

・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.1秒。追い切り頭数が少なかったものの、一番時計自体は先週より速い数字。5F64秒台の頭数もそれなりにいて、65秒台の頭数も多かったと思います。先週の馬場差は「+0.1秒」でしたが、それよりも基準に近い時計、走りやすい馬場と考えてよいでしょう。

・栗東坂路「-0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F51.1秒が2頭。追い切り頭数を考えると、4F51秒台の頭数はかなり多い印象。先週の馬場差が「-0.1秒」でしたが、それよりも走りやすいのかも知れません。ただ、4F目が11秒台という頭数はさほど多くなく、先週よりも少しだけ時計が出る馬場という判定です。

・栗東CコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.7秒。5F64秒台はこの1頭だけで、65秒台も2頭だけ。追い切り頭数が少なかったことだけでなく、先週と同じく、基準よりも時計を要する馬場状態が続いているのでしょう。先週の馬場差は「+0.6秒」でしたので、同じ判定としました。

日経新春杯他
今週出走予定の追い切り注目馬

1月13日(土)

小倉 11R 愛知杯【ミッキーゴージャス】

2週前追い切り、1週前追い切りとCWで併せ馬を先着。最終追い切りは坂路で、きれいな加速ラップを踏むことができており、調教内容としては完璧。3歳時のオークスではG1の壁に跳ね返されましたが、4歳は飛躍の年となりそうです。

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京都 11R 淀短距離S【キャプテンドレイク】

最終追い切り、坂路でのラップは14.9秒、13.5秒、12.3秒、12.2秒。2F目から速いラップを踏みつつ、後半は24.5秒。しかも4F目最速ラップですから、最後はしっかり脚を使えるタイプの走りを見せてくれます。1分7秒台だと、なかなか好走できませんが、今の京都なら1分8秒台決着が想定でき、それなら馬券圏内は十分可能です。

1月14日(日)

中山 11R 京成杯【ニシノフィアンス】

1月11日(木)の追い切りということで、映像での動きを確認することはできませんでしたが、16.8秒、14.8秒、14.2秒、13.4秒、12.2秒、11.6秒というラップの踏み方を確認しただけで、良い動きだったことはイメージできます。中間には美浦坂路でもしっかり時計を出していますし、調教内容は文句なしだと思います。

京都 11R 日経新春杯【ヒンドゥタイムズ】

CWでの最終追い切りにはA.ルメートル騎手が騎乗。3頭併せの一番後ろから追走という内容でしたが、道中の走りはいかにも脚がたまっている感じ。最後の直線に向いて、前との差は2馬身近くありましたが、ラスト1F標識手前で一瞬にして前に出る機敏な動き。ジョッキーと手が合うという印象が残る動きでした。

京都 11R 日経新春杯【ヒンドゥタイムズ】

小倉 11R 門司S【フルヴォート】

坂路での後半2Fが素晴らしい脚力を発揮するタイプですが、12月28日(木)の時点では25.5秒。4F目最速ラップは踏めていましたが、物足りなさが残る時計でした。1月3日(水)は2F24.5秒ですが、4F目最速を踏めず。それが1月11日(木)には2F24.5秒で4F目12.2秒の最速ラップ。休み明けでもジャストに仕上げてきました。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

1月11日(木)・CW セレシオン【7時39分】

写真では582番の内にいる、岩田望来騎手が跨っている馬ですが、ゴールまで抜群の手応え。2F22.8秒はこの日の2F22秒台3頭のうちの1頭ですが、他の2頭はいずれもハロー明け。馬場が踏み荒らされた、この時間帯にしっかり動けていたという印象です。

1月11日(木)・CW セレシオン【7時39分】

ラップ別

1月11日(木)・栗東坂路 ヤマニンウルス【14.8秒、13.7秒、12.6秒、11.8秒】

7時37分という時間帯を考えると、とてもきれいなラップを踏めるような馬場ではありませんが、1Fごとに1秒前後の加速ラップ。3勝Cで止まるような馬ではないというラップです。

1月11日(木)・栗東坂路 ヤマニンウルス【14.8秒、13.7秒、12.6秒、11.8秒】

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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