井内利彰の追い切りジャッジ【マイルCS他 調教診断】

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今週の栗東

15日、水曜日の調教開始時刻での気温は4℃。つい最近まで暑いといっていたのが、遠い昔のように思える寒さ。日中は15℃を超えるまで暖かくなっていますが、朝の冷え込みはかなり厳しくなっています。

今週の馬場
11月15日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「±0.0秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F50.9秒が2頭。4F51秒台の頭数はさほど多くありませんが、4F52秒前半の頭数は先週と同じようにそれなり。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、今週も同じような馬場状態だと判定しました。

・美浦DコースW「+0.4秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.7秒。5F64秒台はこの馬しかおらず、65秒前半も少ない頭数。先週の馬場差が「+0.2秒」でしたが、今週に関しては時計を要する馬場状態になっていると判定してよいでしょう。ただ、66秒台がそれなりにいるので、極端に重いわけではありません。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F48.8秒。この数字だけが抜けて速く、二番時計は4F50.6秒ですから、馬場としては決して軽いわけではありません。ただ、先週の馬場差が「-0.4秒」。基準よりも時計が出る状態でしたが、今週に関してはほぼ基準通りの馬場といってもよいでしょう。

・栗東CコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.3秒。5F64秒台の頭数はさほど多くありませんし、65秒前半もかなり少なくなりました。先週金曜日に降った雨の影響が残っていると思われますし、ウッドチップ自体が細かく砕けた状態で脚抜きが重くなっている、その影響で時計を要している印象です。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、今週は間違いなく基準よりと時計を要しています。

マイルCS他
今週出走予定の追い切り注目馬

11月18日(土)

東京 5R 2歳新馬【アルシャリフ】

坂路では水準くらいの時計は出ていただけに、CWでどのくらいの数字が出るか見ものだった最終追い切り。鮫島克駿騎手が跨っていたとはいえ、併せ馬を追走して、4F50.3秒。ラスト3Fは12.9秒、11.5秒、11.5秒で36秒を切っており、これは初戦から狙うべき追い切りだと思います。

東京 5R 2歳新馬【アルシャリフ】

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東京 11R 東京スポーツ杯2歳S【ガイアメンテ】

前走はレース間隔が詰まって、調教馬場にあまり選択余地がない状況。調教的にはエクスキューズできる敗戦でした。今回は栗東で坂路とCWを併用して、素晴らしい調教内容。最終追い切りこそ、きれいな加速ラップが踏めませんでしたが、1週前追い切りではきれいな加速を踏めており、折り合い面も進境があります。

東京 11R 東京スポーツ杯2歳S【ガイアメンテ】

11月19日(日)

福島 5R 2歳新馬【セジールレーヴ】

血統的なプロフィールは少し地味ですが、追い切りの動きは常に優等生。特に最終追い切りのDコース、芝馬場での併せ馬は藤岡康太騎手(レースは永島まなみ騎手の予定)がうまく先導したこともありますが、きれいな加速ラップを踏みます。併せた相手が追いつけず、こちらは余裕があるくらい。これは実戦が楽しみです。

福島 5R 2歳新馬【セジールレーヴ】

東京 11R 霜月S【フルム】

中2週は3走前に凡走したローテーションですが、当時は1週前追い切りの坂路での4F時計が55.6秒。4走前の1着時の1週前追いは4F52.0秒ですから、この数字がひとつの好走バロメーターになります。今回は当時よりもレース間隔が詰まっていて、4F52.6秒。これなら前走以上といってもよい状態です。

東京 11R 霜月S【フルム】

京都 11R マイルCS【シュネルマイスター】

先週は美浦で追い切り、週末から栗東へ。春に予行練習ができている分なのか、今回の方が追い切りの負荷が強くなっています。最終追い切りのCWはテンから速いラップを踏んだ分、ラストはさほど切れるラップではありませんが、動き自体には余裕があって、春よりもしっかり走ることができています。

京都 11R マイルCS【シュネルマイスター】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

11月15日(水)・CW ニホンピロキーフ【7時51分】

少し時計を要する馬場状態でありながら、この時間帯は一番踏み荒らされていて時計が出にくいといってもよいでしょう。そんな中で6F83.2秒をきれいな加速ラップでラスト2Fが11.7秒、11.5秒。まだまだ上昇が見込める3歳馬だと思います。

ラップ別

11月15日(水)・美浦坂路 タイキレヴィン【13.7秒、13.6秒、13.1秒、12.1秒】

1F目から14秒台を切るラップで入りつつ、4F目が最速ラップ。しかも12.1秒ですから、ラストの切れ味は抜群。デビュー戦は1800mですが、個人的にはマイルよりも短い距離がフィットするのではないかと思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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