井内利彰の追い切りジャッジ【天皇賞(秋)他 調教診断】

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今週の栗東

10月も下旬ということで、日中の気温も20℃前半とようやく秋らしい季節になってきました。25日(水)の午後に少し雨は降ったものの、晴れた日が多いこともあって、空気は乾燥した状態が続いています。

今週の馬場
10月25日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.1秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.4秒。今週は4F51秒台がもう1頭いて、52秒台もそれなりの頭数になっています。ただ、ラスト1Fに関しては負荷が強いのか、数字としては遅く、これは馬場の影響ではなく、改修の影響と考えてよいでしょう。よって、先週の馬場差「+0.5秒」よりは今週の方が走りやすい馬場と判定しました。

・美浦DコースW「+0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.0秒。先々週が時計を要する馬場、先週は「±0.0秒」と基準馬場でしたが、今週も先週に近い馬場でしょう。ただ、5F65秒前半の頭数が少ない分、先週よりは時計を要する馬場という判定です。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.2秒。この数字が抜けて速く、4F50秒台の頭数は少なめ。先週の馬場差が「-0.3秒」でしたが、今週はほぼ基準通りの馬場。時間帯によっては、タフな印象を受けるコンディションではあります。

・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.2秒。先週と比べて、5F64秒台の頭数が増加。65秒台の頭数も多く、先週の馬場差「+0.3秒」よりは確実に時計が出る馬場といってよいでしょう。ただ、速い馬場ということもなく、ごく標準的な馬場という判断でよいと思います。

天皇賞(秋)他
今週出走予定の追い切り注目馬

10月28日(土)

東京 11R アルテミスS【サフィラ】

この馬の素晴らしいところはCWで追い切りにおいて、6Fから時計を出してもきれいな加速ラップを踏むことができる点。不利を受けたデビュー戦のゴール前で最後まで集中力を切らすことなく走ったあの精神力がラップの踏み方にも表れています。今回も1週前追い切りできれいな加速ラップを踏めましたし、最終追い切りの坂路も完璧です。

東京 11R アルテミスS【サフィラ】

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京都 11R スワンS【ルージュスティリア】

中1週という藤原英昭厩舎にはなかなかないパターンでの出走。しかも距離を2F短縮してきました。心配した精神面ですが、最終追い切りの坂路での動きを見ると、坂井瑠星騎手との手が合っているように思います。前に目標を置く形も嵌っていましたし、ここは狙ってみたい状態だと思います。

京都 11R スワンS【ルージュスティリア】

10月29日(日)

東京 10R ペルセウスS【フルム】

オープン入り2戦はいいところなしに終わっていますが、3勝Cを勝ったのは東京ダート1400m。休み明けでも1週前追い切りは坂路4F50.5秒で自己ベストを更新していますし、最終追い切りは坂路で4F目最速ラップを踏んでいます。スタート地点がダートのこの距離なら一変しても不思議はないと思います。

東京 11R 天皇賞(秋)【ドウデュース】

ドバイ遠征で出走取消。それ以来のレースということで、仕上がり状態が気になるところですが、主観だけでなく客観も込みでパーフェクトな状態だと思います。追い切り本数は豊富ですし、1週前追い切りのCWでの3頭併せが素晴らしい動き。最終追い切りが坂路というのは今回が初めてになりますが、過去の友道康夫厩舎でG1を勝ってきた馬たちは1週前CW、最終坂路というパターン。東京芝で瞬発力が必要になれば、この坂路調教が確実にプラスとなるはずです。

東京 11R 天皇賞(秋)【ドウデュース】

京都 11R カシオペアS【フライライクバード】

前走関越Sが去勢手術明けの初戦でしたが、もともと出走を予定していた七夕賞を除外され、その後はやや夏負け気味に。それでも勝ち馬と0.5秒差のレースでしたし、そこから立て直して、今回は体調万全。1週前追い切りのCWでは相手がドウデュースだった分、遅れてしまいましたが、最終追い切りでは坂路で4F目が最速になるラップを踏むことができています。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

10月25日(水)・美浦坂路 デビッドテソーロ【10時17分】

通常時でも後半2Fが12秒台のラップを踏むことが難しい、改修後の美浦坂路ですが、3F目以降が12.8秒、12.6秒。しかもこの時間帯ですから、価値ありと判断してよいでしょう。

ラップ別

10月25日(水)・CW ジャックドール【15.7秒、14.4秒、13.2秒、11.1秒、11.0秒】

先週も当欄に登場。ラスト1F11.0秒はこの日の2番時計ですが、1番時計の5Fは70.3秒。こちらは65.4秒ですから、価値が高いことは一目瞭然です。とにかく状態に関しては、昨年の天皇賞(秋)とは比べものにならないと思います。

10月25日(水)・CW ジャックドール【15.7秒、14.4秒、13.2秒、11.1秒、11.0秒】

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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