井内利彰の追い切りジャッジ【京都大賞典他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は日中の暑さが和らいだことに加えて、朝晩が涼しいというよりも、肌寒いに近いような体感。なお、今週の栗東は火曜日がレクレーションのため全休日となっており、通常のサイクルと違う点だけ頭に入れておいてください。

今週の馬場
10月4日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.5秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F52.9秒。まだプレオープンして2週目ということで、時計判断は難しいところ。ただ、映像での動きを見ると、馬場は先週に比べて相当重たそうです。馬場差としては基準より重いと判断しました。

・美浦DコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.4秒。5F64秒台は他に1頭いて、合計2頭。先週に比べると上位の時計がさほど速くないので、これは判断に困るところです。ただ、3日間開催の月曜競馬なら木曜日に追い切るという馬もいますから、そのあたりを踏まえると、馬場差としては先週の「+0.3秒」から極端に時計を要する状態というわけでもないでしょう。ただ、先週よりも重い印象はあります。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.5秒。追い切り頭数を考えると、それなりに時計が出ていた印象。雨の影響もさほどなかったと判断し、先週の馬場差「±0.0秒」という変わりなしと判断しました。

・栗東CコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F65.9秒。追い切り頭数が少なかったことが大きく影響していると思いますが、前夜に降った雨の影響を受けているのも確か。ただ、極端に時計を要する馬場という印象はなく、ラスト1Fが11秒前半という動きもそれなりに見られたので、先週の馬場差「+0.5秒」とあまり変わりないという判定にしました。

京都大賞典他
今週出走予定の追い切り注目馬

10月7日(土)

東京 11R サウジアラビアロイヤルC【ボンドガール】

6月以来のレースになりますが、調教量は十分。最終追い切りの南Wでのラップは6F換算で前半3Fがちぐはぐ。それでも調教VTRで確認できる動きは安定感が素晴らしく、現時点の2歳牝馬としての完成度が違います。ラスト1Fも11.5秒をマークしていて、これが楽に出ている走りですから、そのポテンシャルの高さに期待です。

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10月8日(日)

東京 11R 毎日王冠【エルトンバローズ】

3歳馬、初東京。しかも左回りは惨敗経験があります。ただ、1週前追い切りのCWでの動き。最終追い切りの坂路でのラスト1F11.7秒。いずれも素晴らしい内容で、特に最終追いは右手前で楽々と駆け上がっているだけに、左回りも大丈夫じゃないかという走り。4F52.6秒は自己ベストを更新していますし、3歳馬らしい上昇を期待します。

東京 11R 毎日王冠【エルトンバローズ】

京都 2R 2歳未勝利(牝)【エヴァンスウィート】

個人的に案外だったなあと思う前走ですが、その最終追い切りの内容が坂路で珍しいラップの踏み方。少しリズムが悪かったのかも知れません。今回は中1週ですが、5日に芝馬場で単走。軽く走りながら、時計は6F82.7秒と出ていました。なによりこの時計をきれいな加速ラップでまとめたところが評価できるわけで、今回はちょっと違います。

京都 2R 2歳未勝利(牝)【エヴァンスウィート】

京都 11R オパールS【ビッグシーザー】

前走は案外の内容でしたが、中3週の今回は坂路オンリーの仕上げ。2本しかない本数は不安に思ってしまいますが、1週前追い切りが2F23.7秒、最終追い切りが2F24.1秒は素晴らしい脚力。いずれもラストは11秒台ですし、この調教内容を評価しないわけにはいきません。

京都 11R オパールS【ビッグシーザー】

10月9日(祝・月)

京都 11R 京都大賞典【プラダリア】

1週前追い切りがCWで単走でしたが、これが6F換算できれいな加速ラップを踏んでいます。最終追い切りもCWで、これは京都記念3着時以来。ここではきれいな加速ラップを踏むことができませんでしたが、1週前の時点である程度の取捨選択が判断できるタイプ。個人的には初めての京都がかなりフィットすると予想しています

京都 11R 京都大賞典【プラダリア】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

10月5日(木)・栗東坂路 テンダンス【7時11分】

栗東は今週から調教開始時刻が6時30分。ということで、馬場開場から40分以上経った時間帯ですが、4F51.5秒。速い全体時計でこのラップの内訳が14.4秒、13.1秒、12.1秒、11.9秒ですから、素晴らしい加速ラップ。さすがはイクイノックスが勝った東京スポーツ杯2歳Sで3着の実績がある馬です。

ラップ別

10月4日(水)・美浦坂路 パルデンス【14.8秒、13.9秒、12.9秒、12.7秒】

追い切り頭数が少なかったこともありますが、この日の美浦坂路で4F目が12秒台を踏んだのは13頭。うち、3F目も12秒台だった馬は3頭いて、きれいに4F目最速ラップを踏むことができたのはこの馬だけ。これは価値があると思います。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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