井内利彰の追い切りジャッジ【神戸新聞杯他 調教診断】

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今週の栗東

今週は月曜日まで開催があった影響で、火曜日が全休。ということで、通常の水曜日とは違っており、追い切りは木曜日に集中しました。天候は20日(水)、21日(木)ともに調教時間中に雨がパラパラと降る不安定な感じ。20日(水)の午後にはゲリラ豪雨のような時間帯もありましたが、翌日の馬場に影響を与えるほどではなかったように思います。

今週の馬場
9月20日(水)の追い切りを参考

・美浦DコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。5F64秒台はこの馬を含めて4頭。先週と同じく、65秒台の頭数が少なくなった印象は変わりません。21日(木)にも追い切りが行われた関係で追い切り頭数自体が少ない影響もあると思いますが、馬場差自体、先週の「+0.6秒」と変わりなしと判断しました。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.6秒。数字自体は先週の一番時計の方が速かったのですが、4F50秒台の頭数は先週と同じように多い印象。追い切りの頭数が通常の水曜日よりも少ないことを考えれば、先週の馬場差「-0.2秒」と同じように走りやすい馬場であることは変わりありません。ただ、21日(木)の時計を速報的に分析すると、先週よりは基準に近い馬場という印象もあります。

・栗東CコースW「+0.7秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.7秒。久しぶりに5F63秒台が出ましたが、これに次ぐ時計は5F65.0秒。こちらも21日(木)に追い切り頭数が多かったので、頭数の兼ね合いでの時計にはなりますが、先週の馬場差「+0.6秒」と同じく時計を要しているのは間違いありません。今週の馬場差自体には21日(木)の追い切りを見た印象も含めて、先週よりも少し重い馬場と判定しました。

神戸新聞杯他
今週出走予定の追い切り注目馬

9月23日(土)

中山 9R カンナS【アスクアイルビゼア】

札幌から中2週の強行軍になりますが、全休明けの水曜日に坂路で4F目が12.6秒の最速ラップを踏んで最終追い切りを終えています。金曜日輸送を考えると、この日程での追い切りがベストですし、輸送競馬が初めての今回という不安以外は強調点しかありません。

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阪神 11R 大阪スポーツ杯【サンライズフレイム】

CWでの1週前追い切りも素晴らしい動きで、水曜日の坂路での最終追いは4F51.9秒。ラストは12.2秒で4F目が最速になるラップを踏むことができていますし、順調に追い切りメニューをこなしているという意味でも状態は文句なしだと思います。

9月24日(日)

中山 11R オールカマー【ゼッフィーロ】

最終追い切りは木曜日になりましたが、これは火曜日全休の都合上、全く問題ありません。むしろ、レースまでの間隔が詰まる中でも最終追いにCWを選択したあたりに前走よりも今回の方が追い切りの負荷は強まったと考えてよいでしょう。ラスト2Fが11.4秒の連続。今の状態で右回りの坂下スタートなら中団より前のポジションでレースすることも可能ではないかとイメージしています。

中山 11R オールカマー【ゼッフィーロ】

阪神 2R 2歳未勝利【エヴァンスウィート】

最終追い切りの坂路でのラップは少しちぐはぐになってしまいましたが、1週前追い切りのCWでの動きは溌剌としていました。デビュー戦はとんでもない不利を受けてしまいましたし、まともに走れば、というところを今回見せてほしいところです。

阪神 2R 2歳未勝利【エヴァンスウィート】

阪神 11R 神戸新聞杯【ショウナンバシット】

9月6日(水)のCWでの併せ馬から動きが素晴らしいと思っていましたが、9月14日(木)の1週前追い切りでは前の週よりももっと素晴らしく感じました。そして、最終追い切りでは先行していたとはいえ、文句なしの動き。私が撮影した写真を添付していますが、その躍動感、伝わりますか(笑)。調教VTRでも動きを確認していただければと思いますが、先行するレースができれば、前走から一変が可能です。

阪神 11R 神戸新聞杯【ショウナンバシット】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

9月21日(木)・栗東坂路 サヴォーナ【6時38分】

今週から調教開始時刻が6時00分。その38分後ではありますが、今週は21日の木曜日が追い切り頭数が多かったので、この時間帯はかなり馬場が踏み荒らされています。それなのに、後半2Fが12.4秒から12.1秒の24.5秒。もともと追い切りの動きは素晴らしい馬ですが、休み明けでも相変わらず、です。

ラップ別

9月21日(木)・美浦南W ゴンバデカーブース【12.9秒、11.7秒、11.6秒】

南Wでラスト3Fが36.2秒。そのラップの内訳が上記のようになると、重賞でも勝ち負けレベル、というのが個人的な認識。実際、同日に同じようなラップを踏んだのが、東京スポ杯2歳S2着の実績あるダノンザタイガー。本馬も今後は重賞路線で活躍するはずです。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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