今週から調教開始時刻は5時30分。このところ、朝夕の気温はかなり下がっており、調教が始まった頃は上着を羽織っていてもいいくらいの感覚です。ただ、太陽が昇るとかなり暑く、ジメジメとした湿度の高さも感じるだけに、やはり日中は蒸し暑く感じます。
・美浦DコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.3秒。5F64秒台はあと2頭しかおらず、先週までに比べても65秒台の頭数が少なくなった印象です。今週末は3日間競馬ということで、追い切りを14日に予定している馬も多いことが主たる要因ではあると思いますが、先週の馬場差「+0.5秒」と同じように時計を要する馬場であることは間違いないでしょう。
・栗東坂路「-0.4秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.0秒。4F50秒台の頭数は先週よりも多くなった印象を受けます。51秒前半の頭数もかなり増えた印象なので、先週の馬場差「-0.2秒」よりも走りやすい馬場になったと考えた方がよいと思います。2F23秒台の頭数もそれなりに多いので、単純に時計が速いからという評価だけではなく、自身の時計縦比較ができるとよいかも知れません。
・栗東CコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.1秒。5F64秒台の頭数は先週よりも増えました。65秒台の頭数もそれなりに多かったので、時計の出方としては先週の馬場差「+1.0秒」よりも走りやすい印象はあります。ただ、極端に基準時計くらいの馬場になったというわけではないので、基準に近づいたという程度の馬場差と判定しています。
阪神 9R ききょうS【クイックバイオ】
デビュー戦の惨敗から一変した前走。力のいる洋芝、荒れた馬場が味方した感もありますが、レースを経験したからこその強さもあったと思います。中2週ではありますが、1週前追い切りが坂路4F時計の自己ベスト更新、最終追い切りは4F目最速ラップ。調教内容は文句なしです。
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阪神 11R ケフェウスS【アルナシーム】
1週前追い切りがCW、最終追い切りが坂路。2走前1着時とはパターンが変わりましたが、橋口慎介厩舎としては、このパターンの方が安定した結果を残しています。もちろん、最終追いが4F目最速ラップを踏んだというところが大事で、これならしっかり脚をためて走るであろうという想定です。
中山 11R ラジオ日本賞【ゴールドハイアー】
1週前追い切りのCWでの併せ馬。最後の直線に向いたところで一気に加速していきそうな勢いでしたが、ここでジョッキーが我慢させて、少しためてからの仕掛け。ここできっちり反応できたことが体調の良さを感じさせてくれますし、最終追い切りはいつも通り、坂路で軽め。今の状態で重賞2勝のこの舞台なら。
阪神 11R ローズS【ブレイディヴェーグ】
美浦所属馬ですが、栗東に滞在しての調整。1週前追い切りのCWでの動きも素晴らしかったと思いますが、ゆったりと走ることができているように見えて、CW6F82.3秒が出ていた最終追いは絶品。この動きなら右回りは全く問題ないと思いますし、ここは勝ち方に注目したいところです。
中山 11R セントライト記念【シャザーン】
8月27日の坂路で4F51.9秒が自己ベストを更新。この時点で春よりもパワーアップしたと感じることができましたし、1週前追い切りのCWでの動きも力強さがありました。ただ、まだ動き切れない部分もあって、最終追い切りでもっと良くなってくるだろうというイメージ。時計こそ遅くなりましたが、最終追いは坂路で4F目11.9秒。しっかり切れる脚を使ったという意味で評価したいと思います。
9月13日(水)・栗東坂路 ヒロノシュン【5時54分】
調教開始時刻が5時30分なので、24分後ということになりますが、この時間帯で相当踏み荒らされた馬場になっています。それでいて、4F50.0秒は13日のベスト。しかも4Fすべてが12秒台という持続力で、雨馬場で良績を残している理由が分かったような気がします。
9月13日(水)・美浦南W パウオレ【13.4秒、12.3秒、11.8秒、11.6秒】
4F49.1秒が13日のベスト。これをラスト2Fが11秒台でマークする脚力に、ダート短距離で3連勝中というパフォーマンスが納得できます。やっぱり重賞を勝つとすれば、中山ダート1200mでしょうか。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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