井内利彰の追い切りジャッジ【小倉2歳S他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は、朝夕が幾分涼しくなって、日中は相変わらずの日差しといった気候。ただ、30日(水)に関しては調教開始時刻の気温は25℃と最近にしては一番過ごしやすく、曇り空の影響でそれが長く続いたことで馬にとっては調整しやすい日となったかも知れません。31日(木)に関しても、調教時間の前半は過ごしやすい気候でした。

今週の馬場
8月30日(水)の追い切りを参考

・美浦DコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.3秒。5F64秒台はあと1頭、合わせて2頭でしたが、65秒台の頭数がそれなり。先々週の馬場差が「+0.9秒」と時計を要する状態で、先週の馬場差が「+0.6秒」でしたが、週を重ねるごとに基準に近づいてきている馬場状態といった感じがします。

・栗東坂路「-0.1秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.6秒。4F50秒台の頭数は少し多い印象ですが、4F51秒台の頭数はほぼ基準に近いと思います。先週の馬場差が「-0.2秒」なので、そのままでもよいかなという感じもしましたが、先週に比べると51秒台の頭数が減っているので、そこは馬場差で調整して方がよいと判断したので、微妙に先週よりも基準に近い馬場差と判定しました。

・栗東CコースW「+1.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.6秒。5F64秒台はこの馬しかおらず、速い時計が出ていません。全体を見渡してもその印象が強く、雨の影響があったわけでもないのですが、時計を要する馬場という印象です。そもそも、先週の馬場差が「+0.8秒」。時計を要していましたが、今週はそれ以上ということで判定しています。

小倉2歳S他
今週出走予定の追い切り注目馬

9月2日(土)

札幌 11R 札幌2歳S【ウールデュボヌール】

中1週で追い切りは今週のみ。これが同じレースに出走予定のガイアメンテ相手でしたが、4コーナーから直線に向いたあたりでは相手の勢いが目立ちます。ただ、相手が並ぶと本気を出すというのか、簡単には抜かせないという走り。ゴールを過ぎたところでは、むしろこちらの方が手応えよく見えたくらいですから、ポテンシャルの高さは相当です。

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小倉 1R 2歳未勝利【ルシフェル】

デビュー前の時点で追い切りは素晴らしい動きを見せていましたが、前走はCWでの追い切りが中心。今回は坂路でもある程度の時計を出した併用仕上げでパワーも強調される仕上げ。最終追い切りのCWでの併せ馬でも古馬3勝Cを相手に楽な動きでした。

小倉 1R 2歳未勝利【ルシフェル】

9月3日(日)

札幌 11R 丹頂S【ダンディズム】

前走のレース結果を見て、やっぱり長距離で最後が凌ぎ合いになる流れが向く。これは間違いありません。前走から最終追い切りが札幌芝に変わりましたが、これは函館競馬場での調教が終了となったので仕方なし。むしろ、併せ馬で速い時計を出した内容は高く評価できます。

新潟 11R 新潟記念【ブラヴァス】

最終追い切りが坂路。これは2020年に本馬が新潟記念を勝った時の最終追いDPとは場所が違います。ただ、近走は最終追いがDPで結果が出ていなかったので、坂路を多用していたところ。実は最終追いが坂路は未勝利1着時以来で、1機会で1勝というパターン。2F24.2秒、1F11.9秒と素晴らしい時計ですし、ここは激走気配が漂います。

小倉 11R 小倉2歳S【アスクワンタイム】

デビュー戦、2戦目と最終追い切りの坂路での時計は似たような時計。ただ、2F目以降のラップの踏み方は2戦目でかなり向上しました。そして、今回の最終追いは3F目以降が12.2秒、11.9秒。前走から大幅に上昇した印象ですし、全兄ファンタジストが18年小倉2歳Sを制した時の最終追いのラップの踏み方にそっくりです。

小倉 11R 小倉2歳S【アスクワンタイム】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

8月30日(水)・栗東坂路 ミクロフィラム【5時58分】

ハローで閉鎖になる直前、相当踏み荒らされた時間帯に4F52.0秒をマーク。14.6秒、12.7秒、11.9秒と加速していくラップが速い時計の要因ですが、最後は12.8秒と13秒台まで落ち込むことなく踏ん張ったところが評価できます。しかも、2歳新馬。来週のデビュー予定ですが、人気するかも知れません。

ラップ別

8月30日(水)・栗東CW ソレイユヴィータ【14.9秒、14.8秒、15.6秒、14.9秒、11.9秒、10.8秒】

現在3連勝中、というだけで勢いがあるのは分かりますが、道中がいくらゆったりしたラップだったからとはいえ、最後の直線が11.9秒から0.8秒。一瞬の加速力は素晴らしく、30日のCWラスト1F10秒台はこの馬1頭しかいません。

7月19日(水)・CW グランデマーレ【12.3秒、10.9秒、11.1秒】

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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