井内利彰の追い切りジャッジ【新潟2歳S他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は、曇り空から時々雨が降るといった天気。22日の火曜日は調教時間も終盤の降雨でしたが、23日の水曜日は前半の時間帯に強い雨。とはいっても、馬場に影響を与えるほどではなく、むしろ、後半の晴れた時間帯には雨の影響で蒸し暑く感じるくらいでした。24日(木)は調教開始と同時に本降りの雨となり、馬場に影響を与える降水量でした。

今週の馬場
8月23日(水)の追い切りを参考

・美浦DコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.6秒。他にも5F64秒台はいましたし、65秒前半の時計もあったので、時計上位は先週より速い数字が出ています。先週の馬場差は「+0.9秒」でしたが、それよりも時計が出やすくなっているのは間違いなさそう。ただ、基準時計から判断すると、やはりまだ時計を要する馬場ということで、今回の馬場差にしています。

・栗東坂路「-0.2秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.0秒。4F50秒台と4F51秒台のバランスがほぼ基準通りなので、非常に安定した馬場状態だと思います。ただ、2F時計を見ると、かなり速い数字が出ていて、これが走りやすい馬場と馬自身の好調を示していることが多いので、どんな馬でも速い時計が出るというわけではないことは理解しておきたいですね。

・栗東CコースW「+0.8秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.3秒。5F63秒台はもう1頭いましたが、その後は65秒台。先週の馬場差が「+1.0秒」と最近にしては、一番時計を要する馬場状態でしたが、上位の時計から判断して、そこまで重たい馬場ということでもなさそう。ただ、まだ基準よりは時計を要する馬場は続いていると判断してよいでしょう。

新潟2歳S他
今週出走予定の追い切り注目馬

8月26日(土)

小倉 10R 西海賞【ミッキーゴージャス】

14着に敗れたオークスは「ゲートが悪かったので」と安田隆行調教師。この中間はゲート練習をして、すっかり大人しくなったとのこと。1週前追い切りのCWではラスト2Fが11.9秒から10.9秒。やはりポテンシャルの高い馬ですし、最終追い切りも坂路で2F24.5秒、1F12.0秒で文句なしの動きです。

小倉 10R 西海賞【ミッキーゴージャス】

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8月27日(日)

札幌 11R キーンランドC【トウシンマカオ】

いつも追い切りでは迫力満点の動きを見せる馬ですが、今回は「それにも増して」という内容。1週前追い切りの函館W、最終追い切りの札幌芝。いずれも併せ馬で追走しましたが、追いつくまでは逆手前。並んで手前を替えると相手を一気に突き放す動き。最終追いでは緩くなった芝が「どこまで飛んでいくのだろう」というくらいの蹴りの強さ。今の札幌芝はジャストフィットです。

新潟 10R 朱鷺S【ペイシャフェスタ】

昨年11月の南Wで3F36秒をマークするようになり、今年5月にそれが勝利という結果に出たと思います。前走も注目しましたが、展開があまりにスロー。さすがに最後方からでは届きませんでした。今回は2週前追い切りも1週前追い切りも南W3F36秒台。あとは前が速くなる展開を待つだけです。

新潟 11R 新潟2歳S【ルージュスタニング】

デビュー前のCW追い切りでも素晴らしい動きを見せていて、今回は全体的な時計が速くなっただけでなく、ラップの踏み方がすごく良くなりました。1週前追い切りにそれが顕著に表れ、前半ゆったりで道中しっかり加速していき、最後の直線が10.8秒から11.0秒。ゴール前で加速していませんが、これだけ速いラップを踏んでいることが評価できますし、3頭併せから抜け出した状態がラスト1Fだったので、ここは全く問題なし。最終追い切りは坂路で軽く済ませており、すごく順調な仕上がりです。

新潟 11R 新潟2歳S【ルージュスタニング】

小倉 11R 小倉日経OP【ノルカソルカ】

最終追い切りはCWでの併せ馬。前走から4F追いを取り入れたので、今回が2回目。それもあって、4F50.0秒という素晴らしく速い時計が出て、これが自動計測後では自己ベストの4F時計となります。にもかかわらず、ラスト2Fは11.2秒から11.1秒。ハナを切る競馬ができそうなここで、追い切り通りのラップを踏むことができれば、後続完封も可能です。

小倉 11R 小倉日経OP【ノルカソルカ】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

8月23日(水)・栗東坂路 ジナ【7時54分】

馬場が踏み荒らされている時間帯、かつ暑い時間帯。しかも初出走なのに、4F52.1秒をマークして、2F24.3秒。1F12.0秒で4F目が最も速いラップを踏んでいますから、これはとんでもなく動いていると評価すべきでしょう。

ラップ別

8月23日(水)・南W コスタノヴァ【16.6秒、15.7秒、14.3秒、12.6秒、11.9秒、11.2秒】

ダートに転戦して、逃げて2連勝中。そんな成績が納得のラップの踏み方というか、テンから1Fごとにしっかり加速していきつつ、勝負どころのラスト3Fが速いラップという、後続完封型のラップ。まだまだ連勝は続きそうです。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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