今週の栗東は、火曜日の台風の影響で強風と雨の影響を受けましたが、通常通りのスケジュールでした。水曜日は少し風の影響があったものの、雨は降ることなくレースに向けた追い切りが行われました。木曜日は曇り空でしたが、非常に蒸し暑い中での調教。やはり体調管理の難しい時期という気がします。
・美浦ＤコースＷ「+0.9秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.0秒。この数字は先週よりもかなり速くなりましたが、二番時計が5F65.4秒。65秒台の頭数は先週よりも少なくなっており、時計を要する馬場状態という印象。先々週の馬場差が「+0.9秒」で、先週の馬場差が「+0.5秒」。基準に近づいている流れでしたが、今週は先々週に近い馬場という感じがしますから、時計を要する馬場という判定です。
・栗東坂路「-0.1秒」（基準時計4F51.9秒）
一番時計は4F50.1秒。一番時計の数字自体は遅くなりましたが、4F50秒台の頭数は多く、先週の馬場差「-0.1秒」よりも時計が出やすかったという見立てができます。雨の影響を受けているはずですが、全体的な時計の出方を見ると、そこまで時計に影響したという印象はありません。
・栗東CコースW「+1.0秒」（基準時計5F65.5秒）
一番時計は5F63.9秒。この時計の追い切りが2回目のハローが終了した直後。朝一番は雨の影響もあってか、少し重たい馬場という印象でしたが、時間の経過とハローによって、この頃には走りやすくなっていた感じがします。先週の馬場差は「+0.8秒」でしたが、今週はそれ以上という判定にしています。
札幌 11R 札幌日刊スポーツ【ゴールデンスナップ】
前走もここで取り上げさせてもらい、しっかり勝ち切ってくれました。陣営としてはこの距離を求めての北上なので、当初から1勝Cを勝てば、ここ目標の予定。中2週でも順調に進めることができたようですし、52キロのハンデも魅力です。
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新潟 10R 上越S【アイスリアン】
3勝Cで足踏みが続いていますが、2勝Cを勝った時以来の新潟ダート1200m。これだけでも狙うことができ、前走から1週前追い切りCWに切り替えて立ち回りに幅が出た印象。前回の新潟ダート1200mを走った時よりもパフォーマンスは上がる予定です。
札幌 11R 札幌記念【イズジョーノキセキ】
前走のレース内容に関しては、すでにご存じの方もいるでしょうが、最後の直線で前が壁。スムーズな加速ができず、無理しなかったことが今回の最終追い切りで、すごくいい走りになっている気がします。実際、前走時の最終追いよりも時計が速くなっていますし、馬群がばらけるだろう今回のレース展開なら、と期待したくなります。
小倉 10R 薩摩S【スワヤンブナート】
もともと追い切りで動くタイプだけに、今回の追い切りが良かったからといって、前走までの二桁着順を一変させるほどの威力はないかも知れません。ただ、1週前追い切りも最終追い切りもCWで本当に素晴らしい動き。8月13日のCWは3F34.9秒というとんでもない時計。騙されたくはありませんが(笑)、騙されてもよい気持ちで狙ってみます。
小倉 11R 北九州記念【クリノマジン】
1週前追い切りは田口貫太騎手が跨ったこともあり、3F36.6秒、2F23.8秒も納得。ただ、最終追い切りは1週前よりも楽な手応えで3F36.8秒、2F23.9秒。2週続けた36秒台、今週の方が価値ある数字に思えます。
8月16日(水)・栗東坂路 トゥラヴェスーラ【5時48分】
1週前追い切りは、先週の時間帯別追い切りフォーカスでも取り上げた通り。その時の追い切り前の画像の、尻尾に注目してみてください。いつも前運動の段階で気持ちを乗せ、そこから追い切りへ行く。その気持ちが尻尾の持ち上がった状態に出ています。時計は先週ほど速くありませんが、馬場の荒れたこの時間帯に楽々と駆け上がった点に注目です。
8月16日(水)・栗東坂路 ルガル【14.0秒、13.4秒、11.7秒、11.5秒】
いくらハローが明けた直後の時間帯だったとはいえ、2F23.2秒はちょっとえげつない数字。この馬のスプリント性能は相当高いということを示す時計だと思います。
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ライタープロフィール
１９７６年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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