井内利彰の追い切りジャッジ【七夕賞他 調教診断】

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今週の栗東

今週4日の火曜日は炎天下でとんでもない暑さとなったが、5日(水)は曇り空から雨が降る天気ということもあり、この時季にしては過ごしやすい気温。6日(木)に関しても、前日の雨の影響が残ったことにより、涼しさを感じたが、調教が終わる時間帯から日差しが照ってきて、気温が上昇しそう。


今週の馬場
7月5日(水)の追い切りを参考

・美浦DコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.6秒。一番時計自体は先週よりも遅くなりましたし、上位の時計も先週よりは遅い印象。特に5F65秒台の頭数が少なくなっているので、先週でも「+0.3秒」という基準よりも時計を要する馬場でしたが、今週はそれ以上に時計が出にくい馬場という判定にしています。

・栗東坂路「-0.1秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.5秒。先週の馬場差は「-0.5秒」で、この時は速い時計が出る馬が揃っていたこともありますが、馬場コンディションもよかったのは間違いありません。今週も4Fではなく2Fでみれば、24秒以下が結構な何頭いて、あまり変わりないという感じがしますが、馬場差としては4F基準で先週よりも時計を要すると判定しました。

・栗東CコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.7秒。上位の時計は先週よりもかなり遅くなりましたが、高額条件の追い切りが少なくなってきていることが要因のひとつにはなっています。とはいえ、先週の馬場差「+0.3秒」よりは時計を要した馬場かなという印象は拭えないため、数字としては先週よりも重たい馬場という判定にしています。

七夕賞他
今週出走予定の追い切り注目馬

7月8日(土)

福島 5R 2歳新馬【ルシフェル】

先週のCWでの追い切りは、斉藤崇史調教師が「こんなに動くんだ」と驚いたほどでした。その動きが本物であるかを確かめる意味でも、今週の最終追い切りは重賞出走馬2頭(ヒンドゥタイムズ、ドンフランキー)との併せ馬。その真ん中に位置していながら、格上感すら漂わせる圧巻の動き。ぜひ調教VTRでその動きを確認してほしいですね。

福島 5R 2歳新馬【ルシフェル】

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7月9日(日)

福島 11R 七夕賞【テーオーソラネル】

条件クラスを3連勝してのOP入り。今の勢いを支えていると個人的に思っているのが、CWでの6Fからのきれいな加速ラップ。前走の最終追いでもこれを踏むことができて3勝Cを突破したと思います。1週前追い切りのCWでのラップ踏みも抜群。そこに馬場が悪化しても対応できる最終追い切り坂路というパワーも併用してきましたから、初重賞でも十分狙える調教内容だと思います。

福島 11R 七夕賞【テーオーソラネル】

中京 5R 2歳新馬【ミカエルパシャ】

1週前CWでの追い切りの動きを見て、当欄に掲載することはほぼ決めていましたが、最終追い切りが坂路で4F53.0秒、2F24.5秒。これがCWでの3F37.1秒と合わせて評価できる、将来性の高い追い切り内容です。

中京 5R 2歳新馬【ミカエルパシャ】

中京 6R 2歳新馬【シカゴスティング】

1週前追い切りのDコース、芝馬場での3頭併せは先頭にいたこともあり、ゴールまで楽々。この時計が速くて、これは走るかもと思っていましたが、最終追い切りのCWでの3頭併せも先頭で受けて楽々先着。自分のリズムで走ることができた時の強さは父ロゴタイプ譲りかも知れません。

中京 11R プロキオンS【フルム】

前走は8着でしたが、1200mだからと無理に仕掛けず、自分のリズムで進めた前半。だからこそのメンバー最速上がりだと思いますし、あのリズムを大切にした走りが今回の1400mに活かされるはず。最終追い切り坂路での無駄のない動きも好感が持てます。

中京 11R プロキオンS【フルム】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

7月5日(水)・栗東坂路 ロードラディウス【5時56分】

2F24秒以下がそれなりの頭数いた馬場状態ではありますが、23秒台のほとんどは5時の開場直後の追い切り。本馬は1回目のハローが入る閉場直前の踏み荒らされた時間帯に24.0秒。これは価値があります。

ラップ別

7月5日(水)・南W シャノンフォールズ【13.5秒、13.4秒、13.0秒、12.7秒、12.6秒】

5Fのスタートからラスト1Fまで加速し続けていて、その加速幅が0.9秒。持続力系の加速ですから、いかにも前走川崎の交流競走で好走した余韻が良い意味で残っているということか分かります。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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