井内利彰の追い切りジャッジ【ラジオNIKKEI賞他 調教診断】

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今週の栗東

雨の天気予報だった28日(水)の栗東ですが、曇り時々晴れといった空。ただ、体力が奪われるような蒸し暑さで馬にとっても相当しんどい気候だったはず。夕方にはゲリラ豪雨があり、一気に気温が下がり、28日(水)夜からは過ごしやすい気候となっている。

今週の馬場
6月28日(水)の追い切りを参考

・美浦DコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.3秒。先週の一番時計よりも1秒速くなっていますが、馬場が走りやすくなったというよりも、この時計が抜けて速かっただけ。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、今週は基準よりも少し時計を要する馬場かなといった印象もあります。

・栗東坂路「-0.5秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F48.9秒。この時計が抜けて速くなりましたが、4F50秒台の頭数も相変わらず多い感じ。先週の馬場差が「-0.4秒」でしたが、変わらず基準よりも速い時計が出ています。あとはその数字をどのくらい速いと判定するかですが、2F時計が24秒を切る頭数が多かったことを考慮すると、先週よりは僅かでも走りやすい馬場と判断すべきと考えました。

・栗東CコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F62.7秒が2頭。これに続くのが5F63.3秒でしたが、これらは3頭併せだったので、ひとつのグループの時計と判定してよいと思います。それ以外だと64秒台の頭数、65秒台の頭数ともにさほど多くはありません。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、トップ3の時計を除けば、基準よりも少し時計を要した馬場という判定にしています。

ラジオNIKKEI賞他
今週出走予定の追い切り注目馬

7月1日(土)

函館 11R TVh杯【モリノドリーム】

2勝Cを勝ったばかりですが、中2週なのに、函館Wで意欲的に追い切りを消化。その時計は前走時よりも速くなっており、函館競馬場の小回りがフィットしていることに加えて、滞在も体調アップの要因となっているように思われます。

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7月2日(日)

福島 6R 2歳新馬【ビッグドリーム】

最終追い切り、6月28日(水)のCW6F76.9秒がこの日の一番時計。ラスト5Fからすべて12.9秒以下のラップを踏むという、素晴らしいスピードの持続力を見せました。坂路での追い切り本数が少なくなっていますが、写真をご覧いただいて分かるように、普段は坂路でのキャンターも乗っているので、パワーに関しても申し分なし。圧倒的人気も予想されますが、それも仕方ない時計です。

福島 6R 2歳新馬【ビッグドリーム】

福島 11R ラジオNIKKEI賞【スズカハービン】

写真をご覧いただいても分かるように、最終追い切りはCWでサンレイポケットに先行する併せ馬。大きく先行していたので、最後は少し遅れた程度で地味な動き、と調教欄だけだと判断してしまいがちですが、ぜひとも追い切り映像で動きを確認してほしい馬。ゴールを過ぎて、すぐに仕掛けられるとビュンと反応していて、一瞬でサンレイポケットの前に出ます。この反応の良さが小回りで大きな武器になるわけです。

福島 11R ラジオNIKKEI賞【スズカハービン】

中京 9R 木曽川特別【サスツルギ】

先週の宝塚記念を制したイクイノックスらとともに栗東に滞在。先週のCWでの追い切りでも素晴らしい内容でしたが、写真の最終追い切りはCWで6Fからきれいな加速ラップ。折り合いは完璧でしたし、6月25日(日)の栗東坂路で2F24.7秒、かつ4F目12.3秒の最速ラップを踏んだ脚力から、中京の急坂も全く問題ありません。

中京 9R 木曽川特別【サスツルギ】

中京 11R CBC賞【ヨシノイースター】

追い切りでは滅法速い時計が出るタイプ。そういった意味では近走と変わりなく調整ができていると思います。今回は2F時計が23.9秒。もちろん速い数字ですが、28日の馬場を考えると、少し精査も必要な時計。ただ、開門から10分以上経った時間での24秒切り、しかも4F52.2秒なら純粋に評価してよいと思います。

中京 11R CBC賞【ヨシノイースター】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

6月28日(水)・栗東坂路 ザウリ【6時22分】

基準よりも走りやすい馬場状態だったとはいえ、やはりこの時間帯は馬場が踏み荒らされています。その中で2F目13.6秒を踏みつつ、12.8秒、12.3秒と加速できた脚力はこの時季に調子を上げているからこそかも知れません。

ラップ別

6月28日(水)・南W ネザーランドリマ【14.5秒、13.6秒、13.3秒、13.3秒、12.9秒、12.4秒】

最後の直線2Fが25.3秒と地味な数字ではありますが、それはラスト5Fから13.6秒を踏めばこうなります。なかなか未勝利で結果が出ていないようですが、小回り能力の高さは間違いないはずです。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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