井内利彰の追い切りジャッジ【安田記念他 調教診断】

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今週の栗東

5月30日(火)の栗東は雨。雨量としてはさほど多くなかったようですが、ウッドチップ馬場に対しては少し影響を与えた模様。これに関しては、各項を参考にしていただきたいと思います。気温に関しては、小降りながら雨が降る時間帯もあったくらいで、この時季としては珍しい肌寒さも感じました。

今週の馬場
5月31日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路
今週より改修工事のため閉鎖となりました。当欄におきましても、馬場開場まで美浦坂路に対するコメントをお休みします。あらかじめご承知おきください。

・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.7秒。5F64秒台の頭数は先週よりも増えた印象。それに伴い、65秒台の頭数もそれなりに増えた印象があります。ただ、馬場差としては、先週の「±0.0秒」と同じでよいでしょう。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F48.3秒。この1頭が抜けて速く、4F50秒台は2頭。先週との比較だと、雨の影響を受けたこともあってか、時計を要している印象。ただ、極端に基準よりも遅いというわけではなく、先週の馬場差「-0.4秒」から基準に戻ったという印象でしょう。

・栗東CコースW「+0.6秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.8秒。この数字は先週と同じですが、5F64秒台の頭数が先週よりもかなり少なくなりました。これは雨の影響を受けていると思われます。先週の馬場差は「+0.1秒」でしたが、今週は間違いなく基準より時計を要する馬場です。

安田記念他
今週出走予定の追い切り注目馬

6月3日(土)

東京 11R アハルテケS【エイシンギアアップ】

前走オアシスSでも当欄で取り上げて4着。この時はCW6F75.5秒。それに比べると今回は6F78.8秒ですから、かなり遅い時計になりました。これは前半をゆったり進めたから。その分、4F時計は49.7秒と後半がしっかり。前走のレース内容が納得の時計です。

東京 11R アハルテケS【エイシンギアアップ】

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阪神 5R 2歳新馬【カズヴィトシャ】

今年のJRA-VAN Presents「ザ・POGドラフト会議」に出演させていただいた際、現3歳世代のG1勝ち馬にはデビュー前の追い切り時計に共通点があるというお話をミニコーナーでさせていただきました。5月18日(木)にCW3F37.8秒、5月31日(水)に坂路4F52.8秒、2F24.7秒。入厩前から高柳大輔調教師の評価が高い1頭でしたが、それを数字で示しています。

阪神 5R 2歳新馬【カズヴィトシャ】

阪神 11R 鳴尾記念【フェーングロッテン】

画像は先週、1週前追い切りとなるCWでの単走。6Fからきれいな加速ラップを踏むことができており、素晴らしい動きでした。そして、今週の最終追い切りは調教映像でも確認できますが、ラスト1Fが11.9秒で素晴らしい伸び。開幕週に必要なスピードが備わっています。

阪神 11R 鳴尾記念【フェーングロッテン】

6月4日(日)

東京 6R 2歳新馬【ジュントネフ】

今年のJRA-VAN Presents「ザ・POGドラフト会議」に出演させていただいた際、現3歳世代のG1勝ち馬にはデビュー前の追い切り時計に共通点があるというお話をミニコーナーでさせていただきました。5月3日(祝・水)に坂路4F52.8秒、5月7日(日)に坂路2F24.9秒、5月17日(水)にCW3F36.6秒。これらがG1級の脚力を示しています。

東京 6R 2歳新馬【ジュントネフ】

東京 11R 安田記念【ソウルラッシュ】

マイラーズCから安田記念というローテーションは昨年と同じ。ただ、今年は5月31日(水)の最終追い切りを終えた時点で昨年よりも追い切り本数が多い仕上げ。しかもこのところ、ずっと最終追いは単走でしたが、今回は併せ馬を課して先着。これは昨年のマイラーズC1着時の最終追い以来。今年はここに目標を定めて仕上げてきた。そんな雰囲気が漂っています。

東京 11R 安田記念【ソウルラッシュ】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

5月31日(水)・栗東坂路 アサケレディ【7時22分】

31日(水)の栗坂は雨の影響を受けて重ための馬場。ですから、馬場が踏み荒らされた時間帯だと、かなり時計を要したわけですが、馬場開場から50分以上経った時間帯に2F24.1秒。12.2秒から11.9秒は素晴らしい動き。ひょっとしたら、時計を要する重ための芝が合うタイプかも知れません。

ラップ別

5月31日(水)・CW ジャックドール【14.8秒、13.1秒、11.6秒、11.2秒】

追い切り映像を見ると分かりますが、3コーナーまでは前方に同厩舎の馬がいました。これを追い抜くところが4F標識を過ぎたところ。そこからのラップが非常に速く、3Fは35.9秒。しかも前半がきれいな加速ラップですから、まさにこのラップを踏んで、自分のラップに持ち込めばマイルでも、ということになりそうです。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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