先週に比べると、調教開始時刻は少し肌寒いくらい。そこに強い風が吹いたことで、体感温度としては4月かなと思うような気候でした。ただ、馬にとっては非常に過ごしやすい、調教しやすい気候だったようにも思えます。
・美浦坂路「+2.5秒」（基準時計4F51.5秒）
一番時計は4F52.8秒。先週の時点でも基準時計よりも「+1.8秒」と時計を要する馬場でしたが、今週はそれ以上。雨の影響もあると思いますが、ウッドチップ自体の状態も関係しているような気がします。
・美浦ＤコースＷ「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.5秒。5F64秒台の頭数はさほど多くありませんし、65秒台の頭数もそれなり。先週の馬場差が「-0.1秒」だったので、それとほぼ同じという時計の出方です。
・栗東坂路「-0.4秒」（基準時計4F51.9秒）
一番時計は4F49.6秒。4F49秒台がもう1頭いますが、50秒台の頭数はさほど多くありません。先週の馬場差は「-0.5秒」でしたが、上位の時計を見ると、それよりは少し基準に近づいたかなという印象です。
・栗東CコースW「+0.1秒」（基準時計5F65.5秒）
一番時計は5F63.8秒。24日の最後の追い切りが一番時計でしたから、終日、馬場が踏み荒らされて走りにくいということはなかった証明のような時計。極端に時計が速い馬場ではなく、適度な負荷がかかっており、先週の馬場差「+0.1秒」とほぼ変わりありません。
京都 11R 葵S【ミルトクレイモー】
前走橘Sでも推しましたが、結果は5着。距離1400mに加えて、雨の影響を受けた馬場が応えたという判断をしています。今回も最終追い切りでは坂路で2F目以降が12.9秒、12.1秒、11.9秒と素晴らしいラップ。この距離、良馬場であらためて。
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東京 11R 日本ダービー【シャザーン】
1週前追い切りがCW6F78.8秒で自己ベストを更新。素晴らしい動きでしたが、これだけ負荷をかけることができるのは、デビュー以来増え続けている馬体重にあると思います。最終追い切りは坂路で遅めの4F時計ですが、きっちり4F目最速ラップ。ここでは右手前での力強い走りを見せており、左回りが最適と思わせる脚さばきでした。
東京 12R 目黒記念【ダンディズム】
最終追い切りはCWでの併せ馬。道中から速めのラップを踏んでいたので、非常にいいスピード乗り。それを楽々と動いて、最後も先着のフィニッシュ。これだけでも十分推せると思いましたが、道中がきれいな加速で最後の直線が11.3秒から11.5秒。客観的にも推せるラップです。
京都 10R 安土城S【ミッキーブリランテ】
前走京王杯SCは10着でしたが、決して悪くないレース内容。中1週自体は実績がありますし、最終追い切りがCWで6Fからきれいな加速ラップを踏むことができたあたりが折り合いの進境を感じます。7歳だからこそ、京都競馬場の経験があるという点も魅力です。
京都 11R 白百合S【アイスグリーン】
最終追い切りは坂路4F54.0秒で4F目最速ラップ。2F25.8秒は少々地味な数字に思えますが、あすなろ賞を勝った時の2Fが26.3秒ですから問題なし。1週前追い切りのCWではきれいな加速ラップを踏むことができていますし、今の状態で結果が出ないようだと、やっぱり小倉向きかなという感じです。
5月24日(水)・栗東坂路 ルプリュフォール【8時43分】
まもなくハロー掛けのため閉門するという時間帯にも関わらず、1F目から13.9秒のラップを踏んでいき、最後まで加速し続けて、4F51.7秒。坂路では4F49秒台の自己ベストをマークしている馬なので、その比較だと51秒台自体が速くないように思えますが、この時間帯でこの時計は評価できます。
5月24日(水)・南W キャットファイト【14.1秒、12.2秒、11.0秒】
この日の南Wラスト1Fベストはイルーシヴパンサーの10.9秒。それに次ぐ1Fラップを2歳にしてマーク。直線は23.2秒ですから、これはなかなか踏めないラップ。注目の新馬であることは間違いないでしょう。
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ライタープロフィール
１９７６年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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