井内利彰の追い切りジャッジ【大阪杯他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は調教開始時刻の気温は低いものの、1時間もすればジャンバーを脱ぎたくなる陽気。トレセン前の道路にある桜並木もほぼ満開に近い状態になっており、そのうち朝の気温も上昇してくるでしょう。

今週の馬場
3月29日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+1.7秒」(基準時計4F51.5秒)
一番時計は4F52.2秒。ついに一番時計が4F52秒台となり、先週の馬場差「+1.3秒」から、さらに時計を要する馬場状態が進んだ印象です。4F目のラップも非常に遅くなっており、時間帯問わずに走りにくい状態なのでしょう。

・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.0秒。5F63秒台は1頭だけで、64秒台の頭数がそれなりに多いというのは先週と変わりなし。65秒台の頭数も先週と同じですから、先週の馬場差「±0.0秒」と変わらない馬場状態と判断してよいでしょう。

・栗東坂路「-0.4秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.0秒。4F49秒台こそいなかったものの、50秒台の頭数は先週同様に多い状態。4F51秒台の頭数も非常に多く、基準時計よりも走りやすい馬場状態は継続している印象です。先週の馬場差が「-0.4秒」でしたから、ほぼ同じ状態と判定しています。

・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.4秒。5F63秒台はこの1頭で、64秒台は6頭でしたから、この時計の出方は先週とほぼ同じ。その先週の馬場差は「±0.0秒」でしたから、今週も基準通りの馬場状態と判定しました。

大阪杯他
今週出走予定の追い切り注目馬

4月1日(土)

中山 11R ダービー卿CT【インダストリア】

前走東京新聞杯では7着でしたが、当時の最終追い切りは南Wでラスト2Fが12.5秒、12.1秒。この馬としては物足りなさを感じるラップで無印にしましたが、今回は12.4秒から11.5秒。しかも3Fが36.7秒と速く、やっぱり中山向きのコーナー加速力の能力が高いと思います。

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阪神 9R 仲春特別【ジャスパークローネ】

追い切りは動く馬なので、前走も坂路で4F目最速ラップを踏むことができていました。ただ、長期ブランク明けはさすがに厳しかったと思います。今回は反動が出ることもなく、最終追い切りは坂路2F24.3秒。もちろん4F目12.0秒の最速ラップを踏むことができており、このタイミングであらためて。

阪神 11R ポラリスS【サダムスキャット】

ここ2回の成績崩れは使いたいところを使えない状況があったと思います。今回はここに照準を定めて、しっかりと調教を課すことができました。最終追い切りの坂路でのラップの踏み方も抜群。スタート地点が芝ならすんなり先行できるはずです。

4月2日(日)

阪神 10R 心斎橋S【ビアイ】

最終追い切りは坂路。7時49分ですから、1回目のハローが入る直前で、かなり踏み荒らされた時間帯。そこで2F目以降が13.2秒、12.1秒、12.0秒は素晴らしい内容です。1F目が16.0秒だったので、スタート直後を自分のリズムで進めることができるかどうかは鍵になります。

阪神 11R 大阪杯【マリアエレーナ】

前走金鯱賞で力を出し切れなかったのはレース映像を見れば明らか。中2週ではありますが、緩めることなく、3月25日の坂路でも、3月28日のCWでも速い時計を出しています。特にCWのラスト2F、11.5秒から11.3秒の伸びは抜群。追い切り後のクールな表情を確認して、オーバーワークはないと判断しました。

阪神 11R 大阪杯【マリアエレーナ】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

3月29日(水)・栗東坂路 ワンダーアマルフィ【7時55分】

7時の開門から55分経っているので、馬場が相当踏み荒らされているのは容易に想像できると思います。そんな中、13.8秒、12.9秒、12.5秒、12.2秒と速い上、4F目最速ラップを踏むことができたのは高い評価ができます。

ラップ別

3月29日(水)・栗東CW サウンドビバーチェ【15.4秒、15.2秒、14.0秒、11.3秒、11.0秒】

2F22.3秒はこの日のベスト2位の時計ですが、前半からのラップの踏み方が秀逸。きれいに加速して、ゴール前は余裕がある形でこのフィニッシュでした。鞍上の浜中俊騎手との相性の良さを感じる動きでもあったと思います。

3月29日(水)・栗東CW サウンドビバーチェ

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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