1月、2月は雪の降る日も多く、ウッドチップが湿り気味でしたが、3月に入って、気温が上昇。これに伴い、適度な水分量となったウッドチップで追い切りに関しては、走りやすい馬場状態になっています。
・美浦坂路「+0.8秒」(基準時計4F51.5秒)
一番時計は4F51.4秒が2頭。一番時計の数字自体が先週よりも遅くなったことに加えて、4F51秒台が3頭しかいないという状況は先週よりも時計を要していると考えてよさそう。ちなみに先週の馬場差は「+0.4秒」でした。
・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F64.3秒。先週の馬場差「-0.1秒」と基準時計に近い馬場でしたが、今週も5F65秒台の頭数がそれなりにいて、ほぼ基準通りの馬場という印象。ラスト1Fのラップも速い数字が出ています。
・栗東坂路「-1.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.5秒。先週同様、4F50秒台の頭数が非常に多くて、先週の馬場差「-1.0秒」が継続している印象。ある程度、馬場が踏み荒らされている時間帯でも時計が出ていますので、非常に安定した馬場状態なのかなという捉え方でよいと思います。
・栗東CコースW「-0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.3秒。先週は一番時計が5F62秒台でしたが、数字としては先週よりも遅い形。ただ、全体的な時計の出方としては、先週からさほど変わった様子はなく、相変わらず走りやすい馬場だと思います。ただ、先週の馬場差「-0.4秒」よりは少しだけ時計を要したという判定にしています。
中山 11R 中山牝馬S【アートハウス】
川田将雅騎手が跨った、CWでの1週前追い切りが6F78.0秒。迫力満点の動きでしたが、最終追い切りは6F83.5秒と時計は遅くなりました。ただ、最後の直線の伸びは相変わらず凄み十分。どんな仕組みで脚が回転しているのかなと不思議になるくらい動きました。
調教動画はJRA-VANアプリでチェック
中山 10R 東風S【アオイクレアトール】
昨年の東風Sは9着。レース間隔が中4週にしては、追い切りの本数は非常に多かったのですが、最終追い切りの南Wでの5F時計が70秒超え。少し遅かったと思います。今回は好走時のパターンである最終追い南W6F83秒台を楽々クリアする、6F82.6秒。状態は昨年以上です。
中山 11R アネモネS【ディナトセレーネ】
フェアリーSの惨敗をどう判断するかですが、陣営もコメントを出しているように、馬場と展開だと考えます。南Wで半マイルから速いラップを踏むことができるというのは前走と変わりなく、本来ならこの追い切りが中山マイルに絶好の適性があると思います。
阪神 11R フィリーズレビュー【ムーンプローブ】
1週前追い切りのCWでの3頭併せの動きは素晴らしかったと思いますし、最終追い切りの坂路も◎。単走になりましたが、14.3秒、13.4秒と入り、後半が12.2秒から12.1秒をきっちり加速できています。2F24.3秒は白菊賞を勝った時と同じ時計ですし、前走大敗のダメージは全くありません。
中京 11R 金鯱賞【マリアエレーナ】
前走愛知杯は今年初戦ということもあり、追い切り本数は十分でも、その1本ずつの負荷が手加減されていました。それが今回はなくて、3月4日(土)には坂路4F50.4秒で自己ベストを更新。だからといってテンションが上がることもなく、最終追い切りのCWではきれいな加速ラップを踏むことができています。
3月8日(水)・美浦坂路 イサチルキュート【10時05分】
10時前後に4F52秒台をマークしている馬は何頭かいますが、それらはダートのOP特別を勝っているアイオライトなど、追い切りが動いて競走実績もある馬たち。本馬は初出走で4F52.0秒ですから、ポテンシャルの高さを感じずにはいられません。
3月8日(水)・栗東CW ボルドグフーシュ【15.6秒、14.2秒、14.0秒、13.2秒、11.5秒、11.4秒】
競走実績はもちろんですが、追い切りでも抜群に動く馬。そんなところを見せたのが、5F標識を過ぎてからのラップで、どんどんと速くなるラップでも手応えには余裕があったところが性能の高さでしょう。阪神大賞典に向けた1週前追い切りでしたが、文句なしの動きでした。
調教動画はJRA-VANアプリでチェック
ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
記事に紹介されているような分析が自分でできる! |
あらゆる切り口で競馬データを分析可能! |