9日の月曜日に開催があったため、10日の火曜日が全休。ただ、今週末の重賞出走予定馬は10日にも調教できるという変則的な調整日程になっています。気候に関しては、雨は降らず、この時季らしい寒さでした。
・美浦坂路「+0.8秒」(基準時計4F51.5秒)
一番時計は4F51.9秒。時計が遅くなった要因として、通常の水曜日よりも追い切り頭数が少なかったことが考えられます。先週の馬場差が「+0.8秒」でしたが、基本的にはそこから大きな変化はないと判断しました。
・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
5Fでの一番時計は66.2秒。こちらも通常の水曜日よりも追い切り頭数が少ないこと、これが時計の遅い要因でしょう。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、それとほぼ同じような馬場だと考えられます。
・栗東坂路「-0.3秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.6秒。4F50秒台はもう1頭いますし、4F51秒台の頭数は全体的な追い切り頭数を考えると、先週よりも割合的に増えた印象があります。先週の馬場差は「-0.2秒」でしたが、これよりも走りやすくなった馬場と判定しています。
・栗東CコースW「-0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
5Fでの一番時計は64.8秒。通常の水曜日よりも追い切り頭数が少ないので、一番時計が遅くなったと思います。全体的な時計の出方を確認すると基準時計に近いけれど、それよりも気持ち走りやすいかなという印象。先週の馬場差「-0.2秒」でしたから、数字としては同じ判断をしました。
中京 5R 3歳未勝利【アスクビートルズ】
1月11日(水)のCWでの最終追い切り。1回目のハローが終了した時間帯に向正面から入場しましたが、最後の直線が12.0秒、11.3秒で2F23.3秒。これは前走最終追いの2F24.1秒よりも切れが増しています。個人的には前走から1F距離が短縮することもプラスになると思います。
調教動画はJRA-VANアプリでチェック
中京 11R 愛知杯【マリアエレーナ】
レースに向けた最終追い切りは1月10日(火)。このパターンは昨年2着時と同じ。ただ、当時よりも今回の方が6F時計は速く、映像で確認した動きだと乗り手が促せば促すほど加速する走り。昨年よりも加速力に自在性が増した印象です。
小倉 11R 壇之浦S【リューベック】
最終追い切りはCWでの併せ馬。先行していたとはいえ、愛知杯で人気になりそうなルビーカサブランカを相手に全く寄せ付けない動き。動きは調教映像で確認できるので、ぜひ観ていただきたいです。きっと休み明けのマイナス要素を忘れて、買いたくなります(笑)
中京 11R 日経新春杯【ヴェローナシチー】
前走3勝Cを勝ち切ることができないあたりに「やっぱり1勝馬なのかな」という勝ち味の遅さを感じてしまいますが、菊花賞惨敗を度外視してよいということを示すレースにはなりました。前走後も極めて順調に追い切りを消化。重賞実績(22年京都新聞杯2着)がある、この舞台で2勝目を狙います。
小倉 5R 3歳新馬【テーオーヴァイナー】
ビッグアーサー産駒ですが、行きたがるところがなくて、むしろ落ち着いた走り。それゆえに、CWでの最終追い切りでは古馬1勝Cに遅れてしまいますが、この馬自身はラストが11.6秒。スピードは十分ですし、この距離でどんなレースを見せるか楽しみです。
1月11日(水)・栗東坂路 メイショウグラニー【10時42分・4F52.1秒】
同じ時間帯に4F51秒台、52秒台をマークした馬はいますが、どれも4F目が13秒台に失速。この馬は後半が12.4秒、12.2秒と最後が一番速いラップ。4F時計の中身が素晴らしいと思います。
1月11日(水)・CW クラシックステップ【15.1秒、14.5秒、14.1秒、13.4秒、11.8秒、11.5秒】
6F換算でゴールへ向かって、きれいな加速ラップを踏んでいます。しかもその時計が6F80.4秒ですから、これだけでも十分に評価できます。お気付きの方もいると思いますが、調教データを見ると、この追い切りとは別に4F73.7秒の調教もありますよね。つまり、3コーナーから入場して、ゴールを過ぎて、ここで1回目のCW計測終了。そのまま1コーナーへ向かい、2回目の計測が9Fからスタートしています。つまり計測距離では13F走っており、それでいてこの時計だから、素晴らしいという評価をしたくなります。
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ライタープロフィール
1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。
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