井内利彰の追い切りジャッジ

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今週の栗東

2023年の馬場開きは2日の月曜日。調教開始時刻は4℃なので、この時季としては、決して低すぎることのない気温。曇り空ではあったが、そこまで寒さを感じない。3日(水)は調教開始時刻で1℃だから、かなり冷えたが、その後は陽が差して気温も上昇した。

今週の馬場
1月3日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+1.0秒」(基準時計4F51.5秒)
一番時計は4F51.1秒。4F51秒台はこれを含めて2頭しかいませんが、変則日程で追い切り頭数が多かったことが影響したようです。ただ、4F目のラップが遅い馬が多く、先週の馬場差「+1.0秒」とほぼ変わらない馬場でしょう。

・美浦DコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
5Fでの一番時計は64.4秒。通常の水曜日に比べると、坂路以上に追い切り頭数が少なくなっています。よって、5F64秒台が他に2頭いたのは先週の馬場差「±0.0秒」同様に、ほぼ基準通りの馬場だったと考えてよいと思います。

・栗東坂路「-0.3秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F50.1秒。4F51秒台の頭数も全体の追い切り頭数を考えると、多い部類。先週の馬場差は「-0.2秒」でしたが、今週はもう少し基準より速い馬場という判定をしました。

・栗東CコースW「-0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
5Fでの一番時計は64.3秒。追い切り頭数が少なかったことを思えば、5F65秒台の頭数も多く、走りやすい馬場。先週の馬場差が「±0.0秒」でしたが、全体的な時計を見ると、もう少し走りやすい馬場だったと判断しました。

東西の金杯他
今週出走予定の追い切り注目馬

1月5日(木)

中山 11R 中山金杯【レッドランメルト】

12月31日(土)に南Wで強い負荷。3頭併せを一番後ろから追いかけて、内に入れたとはいえ、きっちり追いつきます。6F81.5秒は自動計測以後のベストを更新する時計。いかにも3連勝中だからこそのスピードだと思います。6F換算でラスト4Fのラップが13.5秒、13.1秒、12.3秒。11.7秒とコーナーからスピードに乗せてゴール前最速も評価できます。

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中京 5R 3歳新馬【クイーンノジョウ】

11月から栗東で乗り込んでおり、調教量は十分すぎるくらい。その成果が3日(火)の最終追い切り、素軽い走りに出たと思います。もうひとつ付け加えると、いかにも「走るキタサンブラック」のスピードを感じることができました。

中京 5R 3歳新馬【クイーンノジョウ】

中京 11R 京都金杯【ベレヌス】

写真は12月21日(水)のCWでの追い切り。有馬記念に出走したジャスティンパレスを中心に撮影したので、右端に寄っていますが、最後の直線は11.3秒、11.5秒の伸び。まだ余裕がありましたし、12月27日(火)のCWではラスト1F10.8秒ですから、これも評価できるラップです。

中京 11R 京都金杯【ベレヌス】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

1月3日(火)・栗東坂路 カネコメシスター【10時33分】

4F目11.9秒はこの日のベストタイ。ただ、他の2頭は朝一番の馬場や2回目のハローが終了した直後の時間帯での追い切り。4F54.8秒ならこのくらい出て当然という見方もできますが、この時間帯で脚をためたことを評価したいと思います。

ラップ別

1月3日(火)・栗東CW プロトポロス【13.2秒、11.4秒、11.2秒】

3F35.8秒。この日の3F時計ベストですが、ゴールへ向かって加速しているラップが評価できます。2回目のハローが終了した時間帯、走りやすかったとはいえ、さすが小倉2歳Sで1番人気(4着)に推されるだけのことはある脚力でした。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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