井内利彰の追い切りジャッジ

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今週の栗東

今週の栗東は12日(月)夜から13日(火)にかけて雨。降水量はそれなりだったが、14日(水)に行われた追い切りに大きな影響を与えるほどではなかった。
14日(水)の気温は調教開始時が8℃。ただ、風が強く、体感温度としてはかなり低め。雲の流れが速く、時々雨がぱらつくこともあった。

今週の馬場
12月14日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+1.4秒」(基準時計4F51.5秒)
一番時計は4F51.8秒。4F51秒台、4F52秒台ともに先週よりも頭数が増えています。ただ、全体的には基準時計よりも遅い馬場状態が続いていると判断してよいでしょう。先週の馬場差が「+1.5秒」でしたが、僅かに今週の方が速い馬場としました。

・美浦DコースW「+0.5秒」(基準時計5F65.5秒)
5Fでの一番時計は63.4秒。今週は5F64.9秒以下がこの1頭だけ。先週の馬場差は「+0.3秒」で、先々週よりも時計を要する馬場でしたが、今週はさらに少し時計を要する馬場だと判定しています。

・栗東坂路「-0.4秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.6秒。先週に比べると、4F50.9秒以下の頭数は少なくなりましたが、4F51秒台をマークした頭数は相変わらず多くなっています。先週の馬場差は「-0.5秒」ですが、僅かに今週の方が基準時計に近い馬場差と判定しました。

・栗東CコースW「-0.2秒」(基準時計5F65.5秒)
5Fでの一番時計は63.3秒。今週は5F63秒台が他に3頭もいて、4F64秒台も多数。先週の馬場差は「±0.0秒」でしたが、今週は少し時計が出る馬場状態と判定しています。

朝日杯フューチュリティS他
今週出走予定の追い切り注目馬

12月17日(土)

中山 11R ターコイズS【アナザーリリック】

前走はダートが敗因かも知れませんが、南Wでの併せ馬の動きも冴えないと個人的には評価していました。今回は1週前追い切り、最終追い切りともに南Wで併せ先着。素晴らしい状態でレースを迎えることができそうです。

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中京 9R 中京2歳S【トレンディスター】

最終追い切りは栗東坂路。4F54.3秒は地味な数字ですが、4F目が12.4秒で最速ラップを踏む確実な末脚。1週前追い切りがCWは前走になく、新馬戦を勝った時と同じパターンですから、それで中京芝1200mならといった感じ。

中京 9R 中京2歳S【トレンディスター】

12月18日(日)

中京 11R コールドムーンS【サンライズラポール】

デビュー戦を除く3勝はすべて中2週以下のローテーションで挙げている、典型的なレース間隔を詰めて好走するタイプ。前走と同じ栗東坂路で4F52.1秒の最終追い切りですが、2F時計は前走が25.1秒で今回は24.5秒。テレビ静岡賞を勝った時が2F24.6秒ですから、今回の方が勝ちパターンの時計であることは間違いありません。

中京 11R コールドムーンS【サンライズラポール】

阪神 3R 2歳未勝利【ハーパー】

最終追い切りはCW3頭併せでその真ん中に位置。D.イーガン騎手が跨っていましたが、ピタリと折り合う道中。写真は4コーナーですが、それなりに外を回っています。それにも関わらず、ラストは11.6秒から11.5秒に伸びてフィニッシュ。コンビ相性は抜群です。

阪神 3R 2歳未勝利【ハーパー】

阪神 11R 朝日杯フューチュリティS【スズカダブル】

1週前追い切り、CWでの3頭併せは素晴らしい動きでしたが、最終追い切りも文句なし。CWへ正面から入場して、9Fからの計測で17.5秒、16.9秒、16.0秒。1コーナーから2コーナーに向かって加速しつつ、6F標識を通過するという内容。3コーナーで一旦ラップを緩めますが、その分、最後の直線は11.9秒、11.7秒。相当タフな馬だと思います。

阪神 11R 朝日杯フューチュリティS【スズカダブル】

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

12月14日(水)・美浦坂路 ワクワクルンルン【10時45分】

時計を要する馬場状態が続く美浦坂路ですが、あと15分もすれば馬場が閉鎖という時間帯にも関わらず、4F53.1秒をマークしながら、4F目が12.5秒で最速ラップ。2歳牝馬とは思えない、しっかりした数字です。

ラップ別

12月14日(水)・栗東C メイショウエニシア【3F34.4秒】

CWで3F34秒台はとんでもなく速い時計。なにせ4コーナー地点でのラップが11.9秒で直線に向いてからも11.0秒、11.5秒。この馬自身がCW3F34秒台を連発するような馬ですが、このスピードはどこかで大きな武器になりそうです。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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