井内利彰の追い切りジャッジ【NHKマイルC他 調教診断】

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今週の栗東

今週の栗東は6日(火)が雨。降りの強い雨だったので、降水量としてはかなり多かったと思います。その影響か、今週はDコースのポリトラック馬場で追い切る陣営が増えた印象があります。

今週の馬場
5月7日(水)の追い切りを参考

・美浦坂路「+0.5秒」(暫定基準時計4F52.9秒)
一番時計は4F51.7秒。雨の影響を受けたのか、先週よりもかなり遅くなった印象。先週の馬場差は「-0.3秒」でしたが、先々週の馬場差が+0.5秒だったので、馬場差の乱高下が続いています。

・美浦DコースW「+0.3秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.7秒。坂路同様、雨の影響を受けた馬場のはずですが、時計の出方は先週から大きく変わった印象はありません。先週の馬場差は「+0.4秒」でしたが、全体的な時計から判断すると、むしろ先週より少し基準に近づいたくらいです。

・栗東坂路「±0.0秒」(基準時計4F51.9秒)
一番時計は4F49.4秒。先週もお伝えしたようにウッドチップの入れ替え工事を行っていますが、現在はゴールを過ぎた箇所の入れ替えなので、計測区間への影響はありません。一番時計のみ極端に速くなりましたが、それ以外はごく標準。先週の馬場差は「+0.3秒」でしたが、今週は雨の影響もなく、ほぼ基準通りの馬場と判定しました。

・栗東CコースW「±0.0秒」(基準時計5F65.5秒)
一番時計は5F63.4秒が2頭。相変わらず3F時計が36秒を切ってくる馬も多く、数字だけでの判定が難しい状況は続いていますが、馬場差としては先週の「-0.2秒」よりも基準に近い馬場。水分をたっぷり含んでいますが、先週よりも少し重くなった程度だと思います。

NHKマイルC他
今週出走予定の追い切り注目馬

5月10日(土)

東京 11R エプソムC【セイウンハーデス】

長期休養から戻った2戦は1週前追い切りが坂路。23年新潟大賞典2着、23年七夕賞1着はいずれも1週前追いがCWだったので、ここが一変のポイントだと思っていました。今回は1週前追いがCW。その動きも素晴らしかったですし、最終追い切りの坂路では4F目最速ラップを踏むことができたので今回は楽しみです。

東京 11R エプソムC【セイウンハーデス】

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京都 9R 久御山特別【アルトゥーム】

CWでの最終追い切り。先行して、前半がゆったりと走ったとはいえ、ラスト3Fが13.7秒、11.4秒、11.1秒の素晴らしい切れ味。馬体を増やしつつ、いよいよ本格化へ向かって進んでいるのかも知れません。京都は久しぶりになりますが、この動きならむしろ阪神よりもフィットするイメージです。

京都 11R 京都新聞杯【ショウヘイ】

忘れることができない、未勝利戦での強さ。前走案外だったのは馬場状態もあったかと思います。9日(金)夜から10日(土)にかけて雨の予報があり、馬場状態の読めない部分はありますが、気温上昇で馬場が乾いて上がり33秒台が求められる決着になれば、まだまだ見限ることはできないはず。2週前、1週前追い切りのCWでの併せ馬はそれを感じさせるものでした。

京都 11R 京都新聞杯【ショウヘイ】

5月11日(日)

東京 11R NHKマイルC【アドマイヤズーム】

1週前追い切りのCWでの併せ馬。前に追いつくまでの速さ、抜け出す時の速さ。どちらも前走時よりも俊敏になっていて、なおかつ落ち着きのある走り。最終追い切りの坂路でのラップも素晴らしく、2歳時とは比較にならないくらい、気性が成長したことが追い切りのラップに表れています。東京マイルでどんな走りを見せてくれるか楽しみです。

東京 11R NHKマイルC【アドマイヤズーム】

新潟 11R 谷川岳S【タマモブラックタイ】

1週前追い切りのCWが6F75.3秒。6F標識から13秒台のラップを踏んでいき、ラスト3Fが12.9秒、11.4秒、11.1秒。こんな走りが新潟芝1400mで可能ならあっさりと押し切るイメージです。ファルコンSで重賞を制した馬ですから、左回りの芝1400mという条件に不足はないはずです。

条件別追い切りフォーカス

時間帯別

5月7日(水)・栗東坂路 ゲーベル【6時55分】

栗東は今週から調教開始が6時。55分はかなり馬場が踏み荒らされていますが、そこで4F52.8秒は非常に優秀な時計です。なおかつ4F目12.2秒で最速ラップを踏むことができており、地方から出戻りですが、以前よりもパワーアップしている印象を受けます。

ラップ別

5月7日(水)・栗東坂路 オーサムリザルト【13.4秒、13.1秒、12.2秒、11.9秒】

いくら2回目のハローが終了した直後、走りやすい時間帯だったとはいえ、13.4秒から入って4F目12.2秒の最速ラップは秀逸。4F50.6秒と全体時計も速く、この馬らしい活発な走りを見せています。

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ライタープロフィール

井内 利彰

1976年、大阪生まれ。調教をスポーツ科学的に分析した適性理論『調教Gメン』を操る。栗東トレセンを中心とした取材活動をベースに、フジテレビONE『競馬予想TV』やJRA主催のイベントなどでも活躍している。

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